近所の人に知られることなく住まいを売却する「買取」のメリットとは
2020.11.05
「ご近所に引っ越すことを知られたくない」
「買い主を探している暇がない」
といった事情のある人におすすめなのが、不動産市場を通すことなく不動産を売却できる「買取」です。
買取とは、不動産の開発や運用を行っている業者に、直接土地や家を買い取ってもらうサービスのこと。
対応している業者は限られますが、上手に使えば最短・最速で不動産を現金化できます。
ただし、仲介と買取サービスは、それぞれ手続きの流れや強みが違うため、注意が必要です。
今回は、近所の人に知られることなく住まいを売却できる「買取」のメリットや、デメリットをお伝えします。
「買取」とは市場ではなく不動産業者に物件を買い取ってもらうこと
●買取は不動産業者に直接不動産を売却できるサービス
不動産売却における買取とは、不動産業者に直接土地や家を売却するサービスのことです。
お金を持った企業相手の取引なので、買取価格などのすり合わせができれば数日中に不動産を手放せます。
●仲介による売却と買取による売却の違い
仲介と買取のもっとも大きな違いは、不動産の現金化までに必要な手続きの量です。
仲介による不動産売却の場合、
- 不動産業者を探す
- 査定を受けて契約を結ぶ
- 売り出し価格を決めたり物件広告用の写真撮影をしたりする
- 不動産を売り出す
- 内覧の案内を行う
- 買い主を見つけて価格交渉
- 売り主と買い主の間で売買契約を結ぶ
- 買い主に住宅ローン審査を受けてもらう
- ローンの融資実行日に代金を受け取り、物件を引き渡す
という流れで手続きを進めていきます。
一方、不動産の買取サービスは、
- 買取に対応した不動産業者を見つける
- 査定を受ける
- 査定価格に満足できれば不動産業者と売買契約を交わす
- 代金の支払い日に物件を引き渡す
以上で終わりです。
並べてみるとよくわかりますが、「買い主」という無関係の第三者を探したり交渉をしたりする手間がないため、仲介を使った不動産売却では短い期間で持ち家や土地を処分できます。
また、不動産の広告を市場に出さないことから、近所の人に知られることなく売却できるのも大きな違いです。
買取サービスを利用するメリット
●こっそり不動産を売却できる
不動産買取サービスを利用すると、職場の人や友人・知人、近隣住民等に知られずに不動産を売却できます。
「レインズ」「不動産情報サイト」「不動産業者の店頭広告」など、公の場に「この住所地の家を売る」ことが伝わってしまう仲介と違って、買取は業者と売り主だけで不動産とお金をやり取りするクローズドな取引です。
「ご近所トラブルに悩まされているのでこっそり引っ越したい」「あれこれと噂を立てられたくない」「ローンを滞納しそうだから家を売るものの、商売をしているので経営状態が悪いことを知られると困る」など、周囲の人に売却することを知られたくない場合は、買取を選択すると良いでしょう。
●短期間で不動産を現金化できる
不動産の買取では、「買い主を探す」という作業をする必要がありません。
不動産売却において、もっとも時間がかかるのは「条件の合う買い主を見つけること」なので、買取サービスを利用すると不動産売却に必要な時間を大幅に短縮できます。
ただし、実際にどれくらいの期間で不動産を売却できるかは、物件の状態や立地、不動産業者の事情次第です。
●市場で人気のない物件も売却可能
中古不動産市場では、消費者の需要(駅から近い、広いなど)によって不動産の売りやすさや売却価格が変わってきます。
そのため、駅から離れた古い家など、市場で人気のない物件は売り出しても買い主を見つけられません。
しかし、買取に対応した不動産業者だと、土地や家を買い取って建て替えを行ったり、開発したりして活用できるため、需要の少ない物件でも買い取ってもらえる可能性があります。
買取サービスを利用するデメリット
●仲介よりも売却価格が安い
不動産の買取は、多くの場合仲介で売却するよりも取引価格が安いです。
買取サービスは、仲介ではないので「仲介手数料」の支払いがありません。
業者側の利益が少なくなる分、買取の査定額は安くなる傾向があります。
●不動産によっては買取を拒否されることもある
不動産の買取は、市場で人気のない古い物件や、何らかの問題がある住まいでも売却できるサービスです。
ただ、買取業者に相談すれば、どんな不動産でも必ず買い取ってもらえるというわけではありません。
年度末で不動産業者側の予算が足りなかったり、業者から見ても買い取った不動産の活用方法が見つからなかったりする場合、買取を拒否される場合もあります。
まとめ
不動産の「買取」に対応している業者へ相談すれば、近所の人に知られることなく、短期間で不動産を売却可能です。
ただし、買取サービスには「売却価格が相場より2~3割程度安い」「買取を拒否されるケースもある」というデメリットも存在します。
査定価格も業者によって変わってくるので、買取を使って不動産を売る場合は、複数の業者に相談し、各社の見積もりを取りましょう。