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不動産売却の疑問を解消!確定申告を忘れたらどうなるの?

2020.11.05

不動産売却の疑問を解消!確定申告を忘れたらどうなるの?

日本では、何らかのかたちでお金を稼ぐと、自分で納税額を計算して税金を納める「確定申告」という手続きをする必要があります。
不動産売却で得た売却代金も、所得税の課税対象になるため、家や土地を売ったら確定申告が必要です。

ただ、企業で働いている場合、税金の計算や納税は会社が行ってくれるので、確定申告手続きの必要性を知らなかったり、つい忘れてしまったりするケースも少なくありません。

そこで今回は、不動産売却に関する疑問の一つ、「確定申告を忘れてしまったらどうなるのか」についてお答えしていきます。

確定申告手続きとは

●収入と納税を自分でするための手続き

確定申告とは、「一年間で○万円稼いだので、○万円の税金を納めます」という報告と納税を国へ行う手続きです。
日本では、自己申告制といって、個人の収入や稼ぎ、そして収入に対する納税額を納税者自身が計算する制度を採用しています。
面倒だと感じるかもしれませんが、現実的に考えて、国や自治体が個人の収入を100%把握するのは簡単なことではありません。
手間や時間などを考えると、「自分たちで申告をしてもらい、問題があったら修正する」という手段を取った方が圧倒的に楽なので、日本で生活している以上は確定申告が必要になると理解しておきましょう。

●確定申告の期間

確定申告の申告期限は、毎年2月から3月半ばまでの約1ヵ月です。
上記の期間中に、「前年の1月1日から12月31日までの間に得た収入」の申告を行います。
新型コロナウイルスの影響で、2020年の確定申告期間は延長されましたが、申告期限自体は毎年同じです。

●確定申告の方法

確定申告は、一年間の収入や経費、控除等を詳しく記載した「確定申告書類」を提出することで終わります。

書類の提出方法は、

  • 特設会場での直接提出
  • 税務署窓口への提出
  • 郵送
  • e-taxを使ったインターネット提出

などです。

なお、確定申告時期に設置される特設会場や、税務署は毎年確定申告時期になると非常に混み合います。
場合によっては数時間待たされることもありますが、特設会場や税務署だと、現地の担当者に書類をチェックしてもらえるので、初めての確定申告手続きに不安を感じている場合は利用してみても良いでしょう。
一方、手続きとしての手軽さなら、郵送またはインターネットでの書類提出がおすすめです。
面倒な場合は、税理士等に相談して書類を作ってもらい、提出まで代行してもらうといった手段も選べます。

不動産売却で利益が出たり特例を使ったりすると確定申告が必要になる

確定申告は、基本的に利益に対する税を取るための手続きです。
そのため、「年間の損益が赤字」「誰でも使える基礎控除を使うと税金がかからない」といった場合、申告をしても税金を納める必要がないため、そもそも確定申告をする必要がありません。

ただし、不動産売却によって利益が出ていたり、利用に届け出の必要な控除や税の特例を使ったりする場合、確定申告が必要になります。
具体的な例を挙げると、マイホームの売却時に3,000万円の控除を受けられる「3,000万円の特別控除の特例」や、不動産売却で出た赤字を本業の収入から差し引いて節税できる「譲渡損失の繰越控除」などは、確定申告が必須です。
どちらも非常に使い勝手が良く、節税効果も大きい特例ということもあって利用者が多いので、基本的には「家や土地を売ったら確定申告をする」と考えておきましょう。

確定申告を忘れても期限後申告をすればOK!

不動産を売った翌年の3月半ばまでに確定申告をしなかった場合、税務署から「納税をお忘れではありませんか」という連絡が届きます。
この通知が届いた時点で税務署へ相談すれば、大きな問題にはなりません。
ただ、「期限後申告」を行った場合、本来必要な確定申告手続きや納税を怠ったペナルティーである「無申告加算税」や、「延滞税」が上乗せされるため、注意が必要です。

なお、確定申告の申告期限から1ヵ月以内に期限後申告を行い、必要な税金を納付できると、無申告加算税や延滞税を免除してもらえます。

期限後申告をしないと脱税になってしまうので要注意

不動産売却後の確定申告を忘れてしまった場合に、一番気をつけて欲しいのが無申告状態の放置が脱税になるということです。
脱税はいうまでもなく違法行為ですし、無申告加算税や延滞税等のペナルティーもあるので、あえて無申告で居続けるメリットはありません。

なお、不動産のような高額な資産を売却すると、法務局の登記で所有者が変わるため、「不動産を売ったのに申告をしていない人」はすぐに税務署から目を付けられてしまいます。

まとめ

不動産売却後は、利益が出ていてもいなくても、ほとんどの場合確定申告が必要です。
本来、申告を忘れると脱税になり、無申告加算税や延滞税を加算されますが、申告期限から1ヵ月以内に確定申告すれば、無申告加算税などの上乗せもありません。
たとえ確定申告を忘れても税務署からの通知が届くので、うっかり申告を忘れてしまった場合は、できるだけ早く税務署に連絡し、納税手続きを進めましょう。

 

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