いくつ当てはまる?売却に時間のかかる不動産の特徴とは
2020.12.29不動産の一般的な売却期間は3ヵ月から半年ほどですが、なかには1~2年待っても売れない不動産が存在します。
ただし、多くの人は、「住み替えをしたい」「実家を手放して介護施設の入居費に当てたい」といった事情があるからこそ売却を検討するので、物件が売れるまで何年も待つわけにはいきません。
そこで重要になってくるのが、これから売り出す不動産が売れやすいかどうかを、事前に判断する知識です。
あらかじめ「そのまま売り出すと売却に時間がかかる」とわかっていれば、売れない原因に合わせた対処ができるようになるでしょう。
今回は、売却に時間のかかる不動産の特徴や、売りづらい不動産を早く売るためのコツをご紹介します。
売却期間が長引いてしまう不動産の特徴
●境界線があいまい
不動産売却を妨げる大きな要因の一つが、境界線問題です。
土地の境界線があいまいだと、売却後に隣地の持ち主から「土地を勝手に使われている」とクレームをつけられたり、逆に隣地の所有者がこちらの土地を勝手に使っていたりするリスクがあります。
そのため、境界線のあいまいな土地は、広さや価格といった条件が良くてもなかなか売れません。
●建物の検査済証がない
検査済証は、ある建物が、建築基準法を守って建てられていることを証明する書類のこと。
建築基準法に違反している建物は、建て替えや増改築に制限がかかりますし、耐震性や耐久性にも不安が残るので、中古不動産市場では検査済証のある建物の方が人気です。
残念なことに、検査済証はいかなる事情があっても再発行してもらえません。
検査済証がない場合は、市町村の役場にかけあって、設計図が建築基準法を守っているかどうかをチェックしてもらう、「建築証明」などを取得しましょう。
●旧耐震基準時代の物件
地震大国である日本において、旧耐震基準の建物は売りづらいです。理由は簡単で、旧耐震基準の建物より、新耐震基準を満たしている建物の方が頑丈だから。
実際、1981年の法改正によって、耐震基準は「震度5程度の地震でも倒壊しない」ことから、「震度6から7の地震でも建物にほとんど被害が出ない」という基準にバージョンアップされています。
また、旧耐震基準時代の物件は、建物自体が古いぶん、補修工事も大変です。
場合によっては数百万円かけて耐震改修を行う必要が出てくるので、売れるまで時間がかかりやすいという傾向を持っています。
●適切なメンテナンスがされていない
外壁の再塗装や壁のひび割れ補修、故障した住宅設備の修理など、住まいのメンテナンスを十分に行っていない物件も注意が必要です。
不動産の寿命は、「いかに耐久性の高い建材・素材・工法を使うか」だけでなく、「どれだけ普段からメンテナンスをしているのか」で決まります。
適切なメンテナンスをされていない物件は、一見きれいでも内部が腐食していたり、大規模な補修工事が必要になったりする可能性があるため、買い主から敬遠される傾向があります。
●所有者が複数存在する
「家と土地の所有者が異なる」「相続などで一つの不動産を複数人で所有している」など、権利者が複数いる不動産も、売却に時間がかかります。
なぜなら、所有者が複数人いると、せっかくお金を出して売り主の持ち分を買い取っても、土地の利用や建物の建て替え等が制限されてしまうからです。
権利関係が複雑なだけあって、固定資産税やメンテナンス費用の負担割合等も話し合って決めることになります。
持ち家でも賃貸物件でも、名義人が複数いると面倒ごとになりやすいので、売却の難易度は高いです。
不動産の売却期間を短縮する方法
●買取業者に相談する
自社で土地を開発したり転売したりして活用できる買取業者なら、訳ありの不動産でも短期間で買い取ってもらえる場合があります。
あいまいな境界線の対処や検査済証の有無など、個人では対応が難しい問題も、資金力とノウハウのあるプロなら買い取ってくれるでしょう。
また、市場で買い主探しをする必要がないので、不動産売却手続きの所要時間も短縮できます。
●建物を解体して更地として売る
耐震基準やメンテナンスの有無など、建物部分に関する問題を抱えている場合、更地にしてから売るのがおすすめです。
建物付きの土地と違って、空き地はオフィスビルや個人商店、賃貸住宅にマイホームなど、さまざまな方法で利用できます。
活用の幅が広い不動産は、一般消費者だけでなく企業や不動産業者、投資家等にも不動産を売り込めるようになるので、短期間での売却が可能です。
まとめ
権利関係に問題を抱えていたり、十分なメンテナンスを施されていなかったり、単純に古くて安全性や耐震性に難があったりする不動産は、人気がないので売却に時間がかかります。
ただし、売りたい不動産の問題点を見極めて、問題に合った対処を取れるようになれば、売却期間を短縮可能です。
不動産の特徴や問題点は、一目でわかるものではないので、「自分の不動産はどれくらい売りやすいのか」が気になったら、ぜひ一度、当店へご相談ください。