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自宅を賃貸に出すためにかかる費用とは

2020.12.29

自宅を賃貸に出すためにかかる費用とは

「家を売るくらいなら、他人に貸し出して維持したい」
「家を売って一時的にお金を受け取るより、長く賃貸に出した方がお得なのでは」

と考える人は多いです。

たしかに、持ち家を賃貸として活用すれば、もらった家賃で住宅ローン返済や維持費の支払いを進められますし、将来的に自宅へ戻ってくるという選択肢も取れるようになります。

ただし、自宅を賃貸に出すためには、ある程度の費用が必要です。
賃貸利用をおすすめできるのは、家賃収入と必要経費を秤にかけて黒字になる不動産だけです。
ここでは自宅を賃貸に出す際の注意点や、費用について解説します。

持ち家を賃貸に出すには金融機関の同意が必要

●持ち家を賃貸に出すには金融機関の同意が必要

持ち家を賃貸として使う場合、真っ先に押さえておいて欲しいのが、「住宅ローンの残っている家は、原則として賃貸に出せない」というルールです。
住宅ローンは、あくまでも「家を買ってそこに住むため」にお金を貸してもらう契約となっています。
そのため、たとえ所有者であっても、不動産の利用目的を勝手に「居住」から「賃貸利用」に変更するのは重大な契約違反です。

もし、金融機関の同意を得ずに持ち家を賃貸に出した場合、ローンの一括完済を求められたり、自宅を差し押さえられたりするリスクがあります。
住宅ローンを完済している場合はともかくとして、ローンが残っている状態の賃貸利用は慎重に進めましょう。

●対策1:金融機関に相談して契約内容を修正してもらう

住宅ローンが残っていても、事前に賃貸利用の必要性や滞納リスクの低さなどを金融機関に説明すれば、ローンの契約内容を変更してもらえる場合があります。
契約内容を変更するだけなら、ローン金利もローンの返済先も変わらないので、所有者側の負担も少ないです。
また、不動産業者によっては、そのまま賃貸利用中の管理業務も委託できます。
自宅を賃貸に出したいと思ったら、まずはローンを組んだ金融機関に連絡しましょう。

●対策2:住宅ローンから賃貸住宅用のローンに借り換える

金融機関の同意を得られない場合に、おすすめなのがローンの借り換えです。
「居住」目的限定の住宅ローンを、「事業利用も可能」な賃貸住宅用のローンに借り換えれば、何の問題もなく持ち家を賃貸物件として利用できます。
ただし、住宅ローンの物件を手放すと、住宅ローン減税等のお得な節税制度を利用できません。

なお、住宅ローン減税を受けられるのは、原則として家を買ってから10年です。
そのため、所有期間が10年未満なら金融機関へ相談し、所有期間が10年を越えていれば、借り換えを検討すると良いでしょう。

持ち家を賃貸にした場合の費用まとめ

●住宅ローンの完済に必要な各種手数料

持ち家を賃貸に出すため、住宅ローンを完済したり借り換えたりする場合、

  • 繰り上げ返済手数料
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 事務手数料
  • 抵当権の変更費用

などが必要です。
とはいえ、具体的な金額は、金融機関や利用するローンによって変わってきます。
たとえば、繰り上げ返済手数料無料の金融機関でローンを組んでいれば、繰り上げ返済手数料について考える必要はありません。

●新居の費用と引っ越し代金

持ち家を賃貸に出す場合、新居を買ったり借りたりするお金と引っ越し代金も必要です。
不動産売却時と違って、売却代金を新居の予算や引っ越し費用にあてられないので、事前に住み替え費用を確保しておきましょう。

ただし、新居の費用は予算に合わせて調整可能です。
用意できる予算によって、新居の費用や引っ越し費用を分配しましょう。

●リフォーム費用・修繕積立金

持ち家を賃貸する場合、クリーニングやリフォーム、定期的な修理等もオーナー負担で行う必要があります。
これらの費用は、基本的に入居者が入れ替わる度にかかるので、家賃の一部を積み立てておきましょう。
ただし、持ち家のあるエリアによっては、月々のローン返済額と諸経費を家賃だけで負担できないケースも出てきます。
もし、赤字になってしまうなら、不動産の売却も考えましょう。

●管理委託手数料・管理手数料

持ち家の賃貸管理を業者に委託する場合、当然その費用も発生します。
多くの場合、どの程度の管理を頼むかで料金プランが変わるので、注意が必要です。
ただし、持ち家の賃貸利用では、管理してもらう物件数が少ないため、費用対効果がそれほど高くありません。
入居者からの相談やクレーム、集金等を自分でできるかどうかを考えた上で決めると良いでしょう。

まとめ

「持ち家を賃貸に出す」ためには、住宅ローンを片付ける費用や新居の予算、リフォーム・クリーニング・メンテナンス等の出費が必要不可欠です。
残念なことに、すべての不動産が賃貸物件として黒字を出せるわけではありません。
家を賃貸にするかどうか迷ったときは、必要な費用と家賃収入を比べて、赤字を回避できるかどうかを検討しましょう。
賃貸物件としての価値や売却する場合の査定額等を詳しく知りたい場合は、ぜひ一度、当店へご相談ください。

 

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