不動産の買取とは?買取業者の見極め方も解説
2020.12.29
「不動産をいますぐ売りたい」
「広告を出して買い主を探している暇がない」
といった状況で頼りになるのが、一般の購入者ではなく専門業者に家や土地を買い取ってもらう、不動産の買取サービスです。
ただし、すべての不動産業者が買取に対応しているわけではありません。
なかには、売り主側の無知につけこんで不動産を安値で買い上げようとする業者もいるため、買取業者の見極め方を押さえておきましょう。
この記事では、不動産買取サービスの概要や売却との違い、信頼できる業者の見極め方について解説していきます。
不動産業者に土地・建物を買い取ってもらうのが買取手続き
不動産の買取とは、不動産のプロである不動産業者に土地や建物を売る手続きのことです。
一般消費者相手の売却とは違って、直接業者に不動産を売るため、「現金一括決済」「買い主を探す時間が不要」といった特徴を持っています。
「不動産を渡してお金を受け取る」という意味では仲介による売却と同じ手続きですが、買取だとそもそも不動産を市場に出さないので、違いは多いです。
不動産売却と不動産買取の違い
●売却価格:売却>買取
「不動産をどれだけ高く売れるのか」について考えた場合、多くのケースでは市場で不動産を売却した方が得します。
不動産売却は、物件写真を撮ったり広告文を作り込んだりして、より多くの人に物件を見てもらう手続きです。
不動産には定価がなく、最終的な価格は「どれだけ多くの人が欲しがっているか」で決まるため、価格競争の起こりやすい売却手続きを選んだ方が高値で売れる可能性が高くなります。
一方、不動産の買取手続きは、取引後に物件をリフォームしたり土地を開発したりして始めて利益を出す必要があるため、リスクや手間がかかる分、買取価格が安いです。
目安として、不動産の買取価格は市場価格の7割程度になります。
●売却期間の短さ:買取>売却
売却期間の短さでいえば、買取手続きの方が有利です。
不動産買取では、
- 査定を受ける
- 金額に納得できたら買い取ってもらう
という2ステップで不動産を手放します。
しかし、不動産売却だと、
- 査定を受ける
- 広告を出す
- 問い合わせや内覧対応をする
- 買い主を決めて契約書を交わす
- 住宅ローンの審査を受けてもらう
- 引き渡し日に住宅ローンで代金を払ってもらう
といった複数の手続きが必要です。
●手続きの楽さ:買取>売却
不動産を処分するまでの楽さを重視するなら、買取サービスを利用しましょう。
先ほどご紹介した通り、買取は売却よりも必要な手続きが少ないため、売り主側の負担も少ないです。
所有者として内覧に立ち会ったり、買い主の値引き要求に対応するかどうかを考えたりする必要がないので、時間を取れない場合でも無理なく利用できます。
●取り扱い業者数:買取<売却
残念なことに、不動産業者の中でも、買取に対応しているのは一部です。
不動産の買取に対応するためには、「不動産を一括で購入できる資金力」や「購入した不動産を何らかの形で収益化できるノウハウ・開発力」が必要不可欠。
不動産業者によっては、上記のノウハウを持っていないため、相談してみたい不動産業者がいる場合は、そもそも買取サービスを扱っているかどうかを確認する必要があります。
信頼できる買取業者を見極めるポイント
●買取実績が豊富
買取実績の豊富な業者は、相場もわかっていますし手続きもスムーズです。
また、買取の利用者が多いと、サービスの評判もネットで簡単に調べられます。
不動産業者がある地域に住んでいる知り合いに連絡して、評判を聞いてみても良いでしょう。
口コミや評価も100%信用できるわけではありませんが、利用者の評価を見れば問題の多い業者を避けられます。
●買取のデメリットや査定の根拠を正直に教えてくれる
不動産の買取業者を見極めるポイントのひとつが、対応の誠実さです。
売却よりも査定価格が下がってしまうなど、買取特有のデメリットを正直に教えてくれる業者は、ある程度、信じられます。
そのほか、査定結果の根拠を確認することも重要です。
査定の基準が明確な業者を選べば、金額を適当に決める不誠実な業者との契約を避けられるでしょう。
●強引な営業を仕掛けてこない
不動産業者で働いている営業マンの中には、売り主が不動産に詳しくないことにつけこんで、家や土地を買い叩くものもいます。
そういった業者を見分けるポイントのひとつが、強引な営業トークの有無です。
「この物件を買い取れるのは当社だけ」「本日中なら査定価格を上乗せする」など、契約を急かしてくる場合は、当日中に決断せず一度家に持ち帰りましょう。
その上で相見積もりを取れば、不当な査定にだまされる心配はありません。
まとめ
不動産の買取は、売却よりも価格が安くなる代わりに、短期間で楽に不動産を処分できる手続きです。
ただし、買取業者の数は限られますし、契約相手によって買取価格が変わります。
少しでも良い条件で不動産を買い取ってもらえるように、「実績が豊富」「買取のデメリット・査定の根拠を説明してくれる」「強引な営業をしてこない」買取業者を選びましょう。