借地権付き建物は売れる？売却手順と注意点を解説

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借地権付き建物は売れる？売却手順と注意点を解説

2021.02.01

借地権付き建物は、建物も土地も自分のものである一般的な戸建てと違って、土地の所有者が別にいるため、不動産の売却手順が少し複雑です。
一般的な不動産と同じように扱うと、地主とトラブルになったり物件が売れ残ったりしてしまう恐れがあります。事前に売却の手順を押さえておきましょう。

この記事では、借地権付き建物の売却が難しい理由や売却の手順、不動産売却時の注意点等を解説していきます。

売却するのが難しい？借地権付き建物とは

●他人の土地に建てた住まいのこと

借地権付き建物とは、「他人から借りた土地に自分名義で建てた家」のことです。
通常、持ち家といえば家も土地も両方自分のものとして所有しているイメージを持たれがちですが、「土地を買うお金がなかったので土地だけレンタルした」「立地の良い場所はすでに地主のものだったので、買い取るのではなく貸してもらった」といった事情から借地権付き建物を持っている人は少なくありません。

なお、借地権とは、お金を支払う代わりに、土地を利用させてもらう権利のことです。
用語としてわかりづらいですが、借地権付き建物を売る場合は、借地権に関する理解が必須なので覚えておきましょう。

●土地が自分のものにならないので売却するのが難しい

借地権付き建物は、通常の不動産よりも売却の難易度が高いです。
借地権付きの不動産は、たとえ買い主を見つけて決済をしても、土地自体は地主のものなので、土地の用途が制限されてしまいます。
具体的には、不動産売却後のリフォームや建て替えをする際に地主の許可が必要なのです。
決して安くないお金を出して家を購入したにも関わらず、土地や建物の利用方法が制限されてしまうことから、借地権付き建物は不動産市場で人気がありません。
欲しがる人の少ない物件は、売り出してもなかなか買い主が出てこないので、売却活動に工夫が求められます。

借地権付き建物を売却する手順

●土地の持ち主（地主）から売却の許可を取る

借地権付き建物を売却する際の手順は、

地主の許可を取る
不動産業者を見つける
市場で不動産を売る

の3ステップです。
賃借権付き建物は、「家を建てた人」と「地主」の間で土地の賃貸契約を結んでいる状態なので、家を売ると契約の対象を「家を建てた人」から「家を買った人」へ変える必要があります。
契約相手が変われば、当然契約内容の見直しや新たな借地契約書の作成なども必要になってくるため、賃借権付き建物の売却には地主の同意が必要不可欠なのです。

●不動産業者を見つけて契約する

地主に売却の許可を取れた後で必要になるのが、不動産業者探しと不動産の売却活動です。
幸い、借地権付き建物の売却で最も難易度が高いのは、地主から売却の同意を取ることなので、同意さえ取れていればスムーズに手続きを進められるでしょう。
ただし、借地権付きの不動産は契約関連の扱いが特殊です。
契約・売却トラブルを避けるためには、借地権に詳しく交渉力の高い業者を見つける必要があります。

借地権付き建物を売るときの注意点

●売却活動を始める前に地主へ挨拶する

借地権付き建物を売るときは、不動産を売り出す前に地主へ挨拶しておきましょう。
合理的に考えれば、不動産を売却しても借地権を継続できるなら挨拶など不要ですが、借地の所有者は一般人であることも少なくありません。

たとえば、親から相続した土地を運用しているだけで、不動産に詳しくないという人が地主だった場合、挨拶しなかったという理由で売却を断られてしまうこともあるのです。
借地権付き建物の売却には地主の同意が必須なので、地主側の感情に配慮した行動を取りましょう。

●借地権付き建物ならではのデメリットを明示する

借地権付き建物には、

売却・増改築・建て替え等に地主の許可が必要
手放したくなっても売却しづらい
地主と借地契約をする必要がある
住んでいる限り借地料の支払いが必要

といったデメリットが存在します。
上記の内容を買い主に伏せたまま売ると、売却後トラブルになる可能性があるため、物件に興味を持ってくれた買い主に対して適切に情報を共有しましょう。

●地主との交渉はプロに任せる

たとえ地主と知り合いでも、売却の同意を得る話し合いを自分でするのはおすすめできません。
なぜなら、借地権付き建物を売るときは、一般的に地主へ謝礼を支払う必要があるからです。
お金や権利関係が絡む話を当事者同士で行うと、話がこじれたとき売却に支障をきたすので、可能な限り借地権の交渉は不動産業者に任せましょう。