不動産売却にはどんな書類が必要なの?手続きに使う書類を紹介
2021.03.11
不動産を売却するためには、売り主としてさまざまな書類を準備する必要があります。
ただ、書類によっては取得に時間のかかるものもあるので、売却手続きをスムーズに進めたいなら「どのような書類が必要になるのか」を把握しておきましょう。
今回は、不動産売却手続きに必要な書類を順番にご紹介していきます。
不動産売却で必要になる書類のまとめ
●売却する不動産の登記済権利証
登記済権利証とは、売却物件の法的な所有者であることを証明するための書類です。
基本的に、「不動産を手に入れたとき」に法務局から送られてくるので、住宅購入時にもらったものを探し出しておきましょう。
なお、登記済権利証は、どんな理由があっても再発行してもらえません。
万が一、紛失してしまった場合は、法務局に頼んで「事前通知」という手続きを受けるか、弁護士や司法書士などの資格職に依頼して本人確認をすませる必要があります。
どちらの手続きも、数時間でできるようなものではないので、登記済権利証が見つからない場合は早めに準備を始めましょう。
●物件の間取り図・測量図
間取り図や測量図は、建物の構造や広さを伝えるための書類です。
そもそも、間取りや構造が不明な物件は、売りに出しても買い主に興味を持ってもらえません。
登記済権利証と同じく、基本的には自身が物件を買うときにもらえる書類なので、自宅にあるなら用意しておきましょう。
ただ、もし書類を紛失していても、間取り図や測量図自体は法務局に登録されています。
法務局に申請すれば、いつでも再発行可能です。
●固定資産税の納税通知書
不動産の固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産を所有している人に課税されます。
不動産の売却後も、売り主に固定資産税の課税がくるのは不公平なので、不動産売却では、決済のタイミングで支払い済み固定資産税を調整するのが一般的です。
ただ、固定資産税を公平に分担するためには、正確な固定資産税の納税額を両者が知っておく必要があります。
そこで求められるのが、毎年4月に最寄りの役所から送られてくる固定資産税の納税通知書です。
年1回送付されるので、最新年度のものを不動産業者に提出しましょう。
紛失した場合は、役所で発行できる「固定資産税評価証明書」という書類で代用可能です。
●土地の売却で必要になる地積測量図・境界確認書
不動産は、土地の広さが1平方メートル変わるだけで売却価格が変わってきます。
また、土地の境界線があいまいだと、隣地の所有者とトラブルになる可能性があるため、「土地の場所・広さ・境界線」を記載した地積測量図や境界確認書が必要です。
土地そのものの売却時、または一戸建てを売却する場合、必須の書類だと考えておきましょう。
ただし、マンションに関しては土地の権利を所有者全員で分割している形になるため、地積測量図や境界確認書がなくても売却できます。
書類をなくしていると、土地家屋調査士等のプロに頼んで書類を作ってもらう必要があるので、できれば不動産購入時にもらった書類は一箇所にまとめておきましょう。
●契約書類に使う実印とその印鑑証明書
不動産売買契約のように大きな金額を動かす取引では、契約書に「実印」を押したうえで印鑑証明書を添付するのが一般的です。
また、不動産の所有者と名乗る人が本当に登記上の所有者と同じなのかを確認するため、写真付きの本人確認書類も必要になってきます。
なお、印鑑証明書は、取得から3ヵ月以内のものに限られるので、売買契約の少し前に申請しましょう。
●建築確認済証と検査済証
建築確認済証・検査済証とは、建物が法律の建築基準を守っていることを証明するための書類です。
土地やマンション売却の場合は必要ありませんが、一戸建ての売却だと、これらの書類がないと不動産の信頼性が大きく下がります。
買い主に不安要素を与えると、有利な条件で売却できなくなるので、一戸建てを売るなら事前に用意しておきましょう。
●マンションの管理規約
マンションのルールは、物件ごとに違います。
そのため、マンションを手放すときは売却マンションの管理規約も必要です。
ペットの飼育やリフォームの限度など、管理規約で定められている項目は多いので、いつでも買い主へ提示できるように準備しておくことをおすすめします。
なお、余裕があれば、独自のルールや所有者としての負担(管理組合への参加等)を別途まとめておきましょう。
内容を整理した資料があると、買い主に興味を持ってもらいやすいです。
まとめ
不動産売却手続きを進めるためには、様々な種類の書類を用意しておく必要があります。
ただし、なかには再発行できない書類や、早目に準備しておいた方が良い書類もあるので、不動産を売るなら事前にどのような書類が必要なのかを知っておきましょう。
不動産売却は、知識の有無が売却の成功率や売却価格を大きく左右する手続きです。
少しでも条件の良い買い主を見つけられるように、売り主として万全の準備を整えましょう。