column 471.

リバースモーゲージVSリースバック!それぞれの向き不向きとは

2021.05.13

リバースモーゲージVSリースバック!それぞれの向き不向きとは

「老後の資金に悩んでいるものの、売れるものは自宅くらいしかない」といったケースでも、自宅に住み続けながら持ち家の売却代金を受け取れるのが、リバースモーゲージやリースバックといったサービスです。

ただし、一見似ている言葉でも、リバースモーゲージとリースバックは利用条件や役立つ場面が大きく違います。

この記事では、リバースモーゲージとリースバックの簡単な解説とメリット・デメリットの比較しつつ、両手続きがどのような場面で役立つのかを見ていきましょう。

リバースモーゲージとは

●自宅を担保にお金を借りるシニア向けローン

リバースモーゲージは、自宅を担保にすることで、「自宅の資産価値」に応じた現金を金融機関から融資してもらえるシニア向けのローン商品です。融資の方法には、一括だけでなく年金のように定期的な振り込みを受けられるものもあり、年金感覚で生活資金を確保できる手段として人気があります。多くの場合、元金の返済は契約者の死亡時に自宅を売却した代金から行うため、金利の負担だけで融資を受けられるのが特徴です。

●リバースモーゲージのメリット

リバースモーゲージのメリットは、事業や投資目的でなければ、借りたお金の用途を制限されないこと。リバースモーゲージのお金は、日々の生活費にしても良いですし、ちょっとした旅行資金として使っても構いません。また、金利の支払いだけでお金を借りられるので、住宅ローンからリバースモーゲージへ借り換えれば、「元金+利息」の負担を利息だけに節約するといった使い方もできます。

●リバースモーゲージのデメリット

一方のデメリットは、利用条件の厳しさです。相続財産となる自宅を死後売却してローンの返済に当てる契約なので、相続人の同意が必要ですし、リースバックに比べると収入なども厳しくチェックされます。長生きして借入額が上限に達すると、途中で融資が打ち切られたりローンの一括返済を求められたりする点も、無視できないリスクといって良いでしょう。

リースバックとは

●家を売って賃貸として貸してもらう契約

リースバックは、自宅を一旦売却し、売却した家を賃貸物件として貸してもらう手続きのことです。家賃の支払いが必要になりますが、リバースモーゲージと同様、家を売ったお金を受け取りつつ慣れた住宅に住み続けられます。自宅が賃貸物件となるため、住んでいる限り家賃が発生するものの、契約時の条件次第では将来的に自宅の買い戻しも可能なので、一時的にまとまったお金が必要な場合に利用すると良いでしょう。

●リースバックのメリット

リースバックのメリットは、利用のしやすさです。「売却代金を受け取る」リースバックだと、金融機関の審査を受ける必要がありません。リバースモーゲージのように、利用期間が長く、土地の担保性が重要なのでマンションだと契約できないといった制限もゆるいです。

また、賃貸に移行した後は、自宅の固定資産税や修繕費を新オーナーに負担してもらえます。

●リースバックのデメリット

リースバックのデメリットは、家賃がかかることです。賃貸契約の期間が長くなると、いずれ自宅を売ったときに受け取ったお金よりも高い家賃を支払う羽目になってしまいます。そのため、損をしたくない場合、自宅の買い戻しや引っ越しなどが必要です。また、リースバック物件の家賃は、近隣地域の家賃相場よりも高くなるケースが少なくありません。

リバースモーゲージが向いているケース

リバースモーゲージが向いているのは、

  • 出費を抑えたい
  • リフォームを考えている
  • 年齢が55歳以上

といったケースです。返済を後回しにでき、利息分の支払いだけで融資を受けられるリバースモーゲージは、月々の出費を抑えつつ長く自宅で暮らしたい場合に役立ちます。物件自体は売却するまで自分のものなので、老朽化してきたらリフォームも可能です。

また、「担保物権の資産価値に応じた金額を借りられる」というルール上、長生きすると途中で借り入れ額が上限に達して返済が必要になってしまうので、最低でも55歳を越えてから利用を検討しましょう。

リースバックが向いているケース

リースバックの利用がおすすめなのは、以下のようなケースです。

  • 投資や事業を含め自由に使えるお金が必要
  • 年齢が55歳未満
  • 将来的に自宅を遺産として渡したい

長く住めば住むほど家賃の負担が大きくなっていくため、リースバックは基本的に買い戻しをするか、一定期間で引っ越すことを考えて利用した方が得をします。また、利用条件が優しいため、老後資金に限らず、急に現金が必要になったとき利用しても良いでしょう。

まとめ

リバースモーゲージやリースバックは、住み慣れた自宅を離れることなくまとまった資金を手に入れられる、非常に便利なサービスです。ただし、リバースモーゲージは老後資金の確保などの長期的な利用に向いており、リースバックは比較的短期間でまとまった現金が必要なときに向いているなど、それぞれ活躍できる場面が違います。どちらのサービスでも、自宅の資産価値によって利用できる金額が変わってくるので、まずは不動産業者に相談してみましょう。

 

一覧に戻る

売る

スタッフ紹介

サポート 相続 任意売却 住み替え