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リバースモーゲージって何?終活に向けた家じまい

2021.05.13

リバースモーゲージって何?終活に向けた家じまい

人生の終わりをただ漫然と待つのではなく、終わり方を自分の思い通りにデザインしたいと考えているなら、終活の一環として家じまいの準備も進めましょう。売却に時間のかかる不動産は、下手に財産として残すと家族の負担になりかねないからです。ただし、いつ終わりがくるか分からない以上、早々に持ち家を手放すわけにもいきません。

今回は、リバースモーゲージという制度を使った、家じまいについてお伝えしていきます。

リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは、持ち家を担保にして老後の生活資金を借りられる制度のことです。融資を受けられる金額は、担保にする不動産の資産価値や金融機関によっても変わりますが、最大で1億円もの金額に対応しています。

そんなリバースモーゲージの特徴は、「家を売らずに住宅の売却価格に近い現金を得られる」ことです。通常、老後資金に余裕がなかったり、老後資金を温存したいと考えたりする場合、持ち家を始めとした資産を売却したり、生活費を抑えたりする必要があります。しかし、リバースモーゲージなら、自宅に住み続けたまま現金を確保できるのです。

また、リバースモーゲージは、契約者が亡くなった後に担保物件を売却し、ローンの残債を整理するという契約になっています。多くの場合、何十年も暮らした住宅は短期間・好条件で売却するのが難しいので、相続させても遺族が持て余してしまうというケースも少なくありません。不動産を相続財産から外せるのも、リバースモーゲージの強みといって良いでしょう。

リバースモーゲージのメリット

●利息分の支払いだけでお金を借りられる

リバースモーゲージのメリットひとつ目は、返済負担の小ささです。一般的なローンだと、融資の翌月から元金と利息の両方を支払うことになりますが、リバースモーゲージでは利息を支払うだけで融資を受け続けられます。

通常のローンと違って、「契約者の死亡時に物件を売った代金で完済する(または自己資金で返済する)」という内容になっているため、場合によっては住宅ローンの返済を続けるよりもリバースモーゲージでローンを整理した方がお得なのです。

●住み慣れた我が家で最期まで過ごせる

リバースモーゲージで借りたお金は、事業や投資以外の用途であれば、自由に利用できます。年齢に関係なく、多くの人間にとって住環境の変化は大きなストレスです。老後資金を確保するために家を売り、引っ越したり住み替えたりすると、かえって体調が悪くなってしまう可能性もあります。その点、リバースモーゲージなら、家を手放すことなく現金を借りられるのです。融資の方法は、一括だけでなく定期的に振り込んでもらえるものもあるため、年金感覚で利用できます。

●老後資金を節約できる

リバースモーゲージの資金があれば、それまでの人生で貯めた預貯金を温存しつつ生活可能です。預貯金に余裕ができると精神的にも安定しますし、突発的な事故や病気などのリスクにも備えられます。また、相続を考えた場合、売却しづらいマイホームを残して遺産の分配比率等でもめる要因を残すより、現金や生命保険等を残しておいた方が遺族の負担も軽減できるでしょう。

リバースモーゲージのデメリットと注意点

●相続人の同意が必須

リバースモーゲージを利用すると、「自宅」という財産をローンの返済目的で売却することになります。当然、売却する持ち家や土地は相続財産として残せないため、リバースモーゲージを利用するためには、故人の財産を受け継ぐ資格を持った相続人全員の同意が必要不可欠です。財産の相続に関しては、安易に考えると隠れていた不満が噴出し、根深いトラブルに発展するケースが少なくありません。残された家族がいがみ合うことのないように、リバースモーゲージの利用を考えている場合は家族で良く話し合いましょう。

●長生きすると融資を受けられなくなる

リバースモーゲージの融資上限額は、あくまでも担保である自宅や土地を売ったお金でローンを返済できる金額です。そのため、長生きして融資の上限額までお金を借りると、途中で契約がストップされてしまいます。一月当たり5万円の融資を受ける契約で1,500万円の物件を担保にした場合、25年以降はお金を借りられなくなるのです。それどころか、上限額に達した場合、それまでに借りたお金の一括返済を求められます。ローンの利用中に金利が変動し、融資の上限額が下がった場合も同様の事態に陥ってしまうため、万が一に備えた蓄えや節約は日頃から意識しておいた方が良いでしょう。

まとめ

自宅を担保にすることで、一括または定期的に少しずつお金を借りて老後資金を確保できるのが、シニア向けのローン商品であるリバースモーゲージです。住み慣れた自宅を売ることなく安定した収入を得られる、利息分の支払いだけで維持できるため月々の負担が少ないといったメリットを持つ一方、利用には相続人の同意が必要になるといった注意点もあるため、利用する場合は慎重に手続きを進めましょう。

 

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