持ち家を買うならどちらがお得?都心部と地方の違いを比較
2021.05.13持ち家が欲しいと考えたとき、多くの方を悩ませるのが「都心部と地方、どちらに家を建てた方が良いのか」という問題です。都心部と地方では、地価の関係で、同じ予算でも建てられる住宅の仕様や面積が変わってくるため、物件自体を単純には比べられません。そんなときに役立つのが、暮らしの要素を分解して、一つひとつ比較するという方法です。
今回は、都心部と地方それぞれの強みや弱みを、地価や利便性といった観点から比較していきます。
土地の価格と入手のしやすさ
●都心部の土地事情
都心部など、いわゆる栄えた地域の特徴は地価の高さです。特に、東京近郊は全国でもダントツに土地が高いため、都内に一戸建てを構えるのは決して簡単なことではありません。よほど予算に余裕を持てる世帯でもない限り、都心部では狭小住宅を建てるという選択になるでしょう。
また、地価の高いエリアだと、駐車場料金や土地の固定資産税も高額です。土地の維持費や毎月の固定費を節約したい場合は、地方に家を建てることをおすすめします。
●地方の土地事情
地方に家を建てる大きなメリットが、地価の低さです。都心部に比べて人口や土地の需要が限られている地方では、比較的広い土地を手頃な金額で入手できます。同じ予算であっても、地方で家を買った方がより広い家を建てられますし、土地の広さに余裕があるため複数台の駐車場も確保しやすいです。運転する機会が多い場合は、地方を選んで生活費を抑えた方が良いでしょう。
買い物を始めとする利便性
●都心部はまんべんなく利便性が高い
日常の買い物や趣味の活動など、生活全般における利便性は、間違いなく都心部の方が上です。首都圏には国内外の有名店が集まっていますし、流行の発信源でもあるため、トレンドに乗った生活をしたりテレビ・雑誌で紹介されたサービスや店舗を楽しんだりしたいと考えているなら、都心部に家を建てた方が楽しく暮らしていけるでしょう。
●地方はどのエリアを選ぶかによって利便性が変わってくる
地方の利便性に関しては、都心部以上に場所による差が大きいです。地方とよばれる地域の中でも、主要駅の徒歩圏内などであれば、スーパーや病院などが充実しているため生活に困ることはありません。
しかし、人里離れたエリアを選ぶと、日常的な買い物にも車が欠かせない、夜中にお腹が減っても近くにコンビニがないため買い物に行けないといった状況になってしまいます。
自然との近さ
●都心部は自然から遠いものの休日のレジャーは楽しめる
都心部の周辺は基本的に開発されているため、大きな公園などがない限りは自然と触れ合うことのない生活を送ることになるでしょう。しかし、都心部の強みである「公共交通機関の充実度」を考えれば、土日などの休日を使って自然豊かな場所へ出かけ、レジャーを楽しむといった生活は十分に実現可能です。予算に余裕があれば、本拠地とは別に環境の良い場所に別荘を持ち、二拠点生活をするという手もあります。
●地方の魅力は自然環境の充実度
都心部と比較した場合、自然環境は地方の方が充実しているケースが多いです。比較的コンパクトな都市であれば、主要駅に近いエリアにマイホームを建てても、山や海まで短時間でアクセスできます。また、地方には地方ならではの展示をしている公園や水族館などもあり、都会とは違った自然との触れ合いを楽しめるのもポイントです。
通勤・通学のしやすさ
通勤や通学のしやすさに関しては、都心に職場や学校があるなら都心部が、そうでない場合は地方の方が便利だと考えておけば良いでしょう。都心に家を持つと広い家は選びづらくなりますが、通勤時間が長くなればなるほど人生の幸福度が下がるという研究結果もあります。また、最近はテレワークも普及してきているので、かならずしも都心に住む必要のないケースもあります。
一方、公共交通機関が充実しているという点では都心部の方が有利です。妊娠や子育て、介護等の事情がある場合、交通機関の選択肢が多いに越したことはありません。学校や職場だけでなく、病院や役所へのアクセスも考慮に入れましょう。
老後の暮らしやすさ
老後の暮らしやすさという点では、「栄えている地方の主要都市」が一番おすすめです。変化が激しく生活費の高い都心部よりも生活費を抑えられ、ほどほどに栄えている地方の主要都市であれば、老後も落ち着いて過ごせるでしょう。駅前の便利なマンションであっても、地方なら都心部より安い価格で購入できるというメリットもあります。
まとめ
持ち家を購入するエリアに悩んだ場合は、生活において何を重視するかを考えた上で都心部か地方かを決めましょう。ただし、人それぞれ住宅や住環境に求める機能は違います。流行病の関係で在宅ワークが増えていることを考えると、地方に広い家を建てた方が快適な暮らしを送れる場合もあるので、自分の暮らし方に必要な住居の条件を考えることが重要です。