一般的な不動産売却とリースバックの違いは何?どちらがお得?
2021.08.05
「家を売りたいが、できれば引っ越したくない」というときに頼れるのがリースバックです。
ただし、リースバックも万人におすすめできる不動産売却手法ではありません。
リースバックを使いこなすために、一般的な不動産売却とリースバックの違いを知っておきましょう。今回は、リースバックのメリットやデメリット等をご紹介します。
リースバックとは
リースバックとは、家を売却した後にその家を賃貸として借りられる不動産売却手続きのことです。住み慣れた家から出ることなく不動産の売却代金を受け取れるため、お金は必要だが生活を変えたくないといったケースで役立ちます。
また、価格は割増になってしまいますが、将来的には一度手放した住宅の買い戻しも可能です。現在の暮らしを継続したいなら、利用を考えてみると良いでしょう。
リースバックならではのメリット
●すぐにまとまったお金が手に入る
不動産を業者に買い取ってもらうため、短期間での現金化が可能です。業者の査定を受け、査定結果に満足すればそのまま不動産売買契約と賃貸借契約を結べます。すぐにまとまったお金が手に入るので、急な出費が必要になって困っているときに利用すると良いでしょう。
また、リースバックで受け取るお金は、あくまでも家や土地を売った代金です。住宅ローンなど、家を担保にした融資とは違って好きな用途で使えます。
●住み慣れた家と環境で暮らしていける
一般的な不動産売却では、物件の引き渡し前に引っ越しが必須です。
しかし、リースバックなら住み慣れた自宅にい続けながら不動産を手放せます。家具や家電等を買い直したり、引っ越しに向けて荷造りや掃除をしたりする手間も不要です。
また、家族への影響が少ないのもポイント。普段通りの生活を継続できるので、転居に伴うストレスや転職・転校、通勤経路の変更等を心配しなくて良いというメリットもあります。
●売却したことを知られずに済む
「持ち家を売るほど困っている」と思われたくないと考える人は多いです。また、家を売ることを知られた結果、あれこれ質問されるのがわずらわしいと感じる場合もあるでしょう。
一般的な不動産売却だと、業者の査定や内覧対応、引っ越し準備等を通じて売却することを知られてしまいますが、リースバックだと周囲に黙ったまま不動産を手放せます。
●住宅の維持費や設備の修繕費を新オーナーに負担してもらえる
不動産の維持・管理に必要なコストは、原則として所有者であるオーナー負担です。そのため、自宅をリースバックするとこれまで自分たちで支払っていた固定資産税や都市計画税、故障した設備の修理費用等をオーナーに負担してもらえるようになります。
特に、税金に関しては不動産を持っている限り毎年必ず納税が必要になる出費です。リースバックを活用すれば、住宅の維持コストを抑えられるようになるでしょう。
リースバックならではのデメリット
●一般的な売却に比べて売却額が安い
リースバックには、「賃貸利用する」以外の選択肢を取れないといった制限が多いため、買取価格は一般的な不動産売却代金の6割程度となってしまいます。一棟マンションと違って、戸建てやマンション一戸の賃貸で利益を得るには長い時間がかかることから、高額査定は期待できません。高額売却を期待している場合、リースバック以外の不動産売却方法を検討した方が良いでしょう。
●地域の賃貸よりもリース料金の方が高い
多くの場合、リースバックした物件の家賃は地域の賃貸家賃相場よりも高くなります。理由はいくつかありますが、最も大きいのは将来的に買い戻しを希望された場合、業者側が拒否できないからです。すべてのリースバック利用者が不動産を買い戻すわけではありませんが、買い戻しが行われた場合、業者は賃貸収入を失ってしまいます。リスクに見合った利益を出せるように、リースバックの家賃には10%程度の利回りが上乗せされているのです。
一般的な売却とリースバックそれぞれの向き不向き
一般的な不動産売却とリースバックそれぞれの向き不向きは、以下のようになります。
- 手間や時間をかけても良いのでできるだけ高く売りたい=一般的な売却
- 引っ越したくないがまとまったお金がほしい=リースバック
ポイントは、現在の住まいから引っ越しできるかどうか。仕事や家庭の環境を変えたくないならリースバックの方が便利といえますが、残念ながらリースバックだと一般的な売却ほど高くは売れません。>/p>
両者にそれぞれメリットとデメリットがあるため、自分たちにはどちらの売却方法が向いているのかを良く考えることが重要です。
まとめ
一般的な不動産売却とリースバックの違いは、「リースバックなら売った家に住み続けられる」という点に集約します。一方、通常の売却よりも買取価格が下がってしまうため、リースバック自体に向き不向きがあるのも事実です。人それぞれ住宅売却を検討する事情は違うので、各種不動産売却手続きの違いを知って、自分たちに合った売却手段を取りましょう。