値下げの要求には応じるべき?不動産売却の心構えとは
2021.08.05不動産を売却する上で避けては通れない問題の一つが、「買い主からの値下げ要求」です。値下げを承諾すれば当然売却価格が下がるため、売り主としては値下げ要求をできるだけ断りたいもの。
しかし、絶対値下げに応じないという態度を取ったり値下げするかどうか長期間悩んだりすると、買い主候補を逃してしまいます。不動産売却は一期一会の取引です。できるだけ条件の良い買い主を掴むために、ここでは値下げに対する心構えに必要な知識を押さえていきましょう。
不動産売却では値引き交渉を持ちかけられることが多い
不動産売却をする際に売り主にぜひ覚えておいて欲しいのが、不動産売買における値引き交渉は比較的、一般的な行為であるということです。不動産は家電や一般車と比べても非常に高価な商品なので、買い主の多くはダメで元々という考えで値引き交渉を持ちかけてきます。不動産売却の知識や経験がないと、交渉を持ちかけられた際に「断った結果買い主が見つからなかったらどうしよう」「いくら値引けば良いのか」とあれこれ考え込んでしまうものですが、値引き交渉を断ったとしても買い主が不動産購入に前向きなら取引はまとまるもの。値引き交渉そのものを深刻に捉える必要はありません。
そもそも、買主が「値引きがないと購入できない物件」に手を出すケースは少ないので、無理な値引き要求をされたときは安心して断りましょう。
値引き交渉には応じるべき?
●メリットを感じたら応じるのもあり
値引き交渉に応じるかどうかは、基本的に売り主の考え次第です。ただし、「交渉が通じない売り主だ」というイメージがついてしまうと、買い主候補を探しづらくなりますし、不動産業者の営業マンから面倒な顧客だと受け止められてしまう可能性があります。多くの買い主が値引き交渉を持ちかけてくる以上、多少は柔軟なところを見せた方が交渉をうまく進められるため、できれば「多少の値引き前提の売り出し価格」を設定するようにしましょう。お互いに譲歩しつつ損をしないように立ち回るのが、不動産売却における値引き交渉のポイントです。
●値引き額は売り出し価格の5%前後が目安
もし値引きを受ける場合、目安としては物件価格の5%前後安くすると良いでしょう。スーパー等の値引きに比べるとパーセンテージが小さいと感じるかもしれませんが、不動産は高額です。仮に2,200万円で不動産を売り出している場合、5%でも110万円の値引きとなります。100万円台という高額の値引きは、買い主側の満足度も高いため交渉をまとめやすいです。100万円から200万円程度値引きしても、赤字にならないように売り出し価格を調整しましょう。
●値引きの可否は即決せずに後日回答しよう
値引き交渉を持ちかけられた場合、即決する必要はありません。値引き交渉に飛びつくと、買い主側に足元を見られてしまう可能性があるからです。「これだけ売りたがっているならもう少し値引きしてくれるだろう」と買い主に思わせないように、値引きの可否は一旦持ち帰り、後日不動産業者の担当者を通じてやり取りすることをおすすめします。
時間を置けば、持ちかけられた値引き額が妥当なものか冷静に判断できますし、値引きを受けるべきかどうかを担当者にも相談可能です。ただし、時間をかけすぎたりやり取りが長引いたりすると、売却に結びつきません。あらかじめ、値引きできる限界のラインを決めておきましょう。
値引きをした方が良いシチュエーションを紹介
●半年以上売れ残っている
もし、売り出した物件や土地が半年以上売れ残っているなら、値引きを受けるのがおすすめです。なぜなら、不動産の価値は基本的に古くなればなるほど下がってしまうため。
また、売れるまでの期間が長引くと、「売れ残っているということは、何らかの問題があるはず」といった良くないイメージが付いてしまう場合があります。不人気物件という印象を持たれるとさらに売りづらくなってしまうので、不動産は3ヵ月から半年以内の売却を目指しましょう。
●できるだけ早く売却したい
多少損をしても構わない、少しでも早く売却したいと考えている場合、値引きは有効な手段です。「最初から安くすればもっと早く売れるのでは」という意見もありますが、不動産には相場があります。よほどの事情がない限り、相場を下回る価格で不動産が市場に出ることはないので、売り出し価格を下げすぎると訳あり物件扱いされてしまうのです。しかし、相場か相場より少し安い額で売り出し、さらに値引きをすれば、単にお得な物件として売却できます。
まとめ
不動産売却において、値引き交渉は日常的に行われる行為なので、受けるかどうかを毎回深刻に考える必要はありません。ただし、交渉術としてある程度譲歩できた方が売却では有利なので、値引きをしても損をしない売り出し価格と、損をしない値引き額を決めておきましょう。また、希望する売却条件に合わせて、値引きの可否と金額を調整するのもおすすめです。