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修繕積立金は戻ってこない!マンション売却の注意点

2021.09.22

修繕積立金は戻ってこない!マンション売却の注意点

分譲マンションのマンションのオーナーは、住宅ローンの支払いとは別に毎月修繕積立金や管理費を支払う必要があります。マンション売却時の注意点として覚えておいて欲しいのが、これらの修繕積立金や管理費はマンションを売っても戻ってこないということです。

マンション売却は専門的な用語や手続きも多く難解ですが、手続き上の誤解を減らすためにもマンション売却の注意点を知っておきましょう。

修繕積立金はマンションを売っても戻ってこない

●支払った修繕積立金は戻ってこない

マンションを手放すまでにいくら修繕積立金を払っていたとしても、売却時に修繕積立金は1円も戻ってきません。「積立金なのにどうして?」と感じるかもしれませんが、これは修繕積立金があくまでも「マンションの長期修繕計画に備えてオーナー全員から集めてプールしているお金」だからです。

マンションは非常に頑丈な建物ですが、10年から15年も経つと塗装や防水工事の効果が下がってくるため、定期的にメンテナンスをする必要があります。建物の高さがあって足場を組む作業が必要になる関係上、これらのメンテナンスには数百万円かかってしまうので、毎月オーナーから集めた修繕積立金で修繕費用を支払っているのです。

マンションのオーナーが変わる度に支払った修繕積立金を全額返還していると、修繕費用が貯まらず支払いができなくなってしまいます。そのため、マンションを売却しても修繕積立金は戻ってきません。

●管理費も戻ってこない

なお、修繕積立金と同様の費用である「管理費」も返ってこないことを覚えておきましょう。マンションの管理組合に支払う管理費は、清掃や共用部分に使われている備品の修理・交換・メンテナンス費用等に使われるお金です。簡単にいうと、毎月一定額の管理費を支払う代わりにマンション内の環境を維持してもらっている形なので、管理費の返還を求めても、管理組合は応じてくれません。

前納分を買い主と折半する場合もある

マンションの修繕積立金は多くの場合月払いです。そのため、売却日までの修繕積立金を売り主負担に、売却日以降の修繕積立金を買い主負担にできるよう、前納分の精算をするケースもあります。

ただし、マンションの修繕積立金を精算するかどうかはそのときの契約次第です。マンションの取引額に比べると微々たる額なので、精算なしで売買契約をまとめることも少なくありません。修繕積立金の精算を求める場合は、事前に不動産業者の担当者に相談しておきましょう。

修繕積立金を滞納しているとどうなる?

●売却はできるがトラブルになりやすい

修繕積立金を滞納していたとしても、マンションの売却自体は可能です。しかし、修繕積立金は「マンションの持ち主」に請求されます。マンションを売却しても請求権自体は残っているため、滞納した状態でマンションを売却すると新しい買い主へ滞納分の請求が届いてしまうのです。

買い主からすれば、修繕積立金の滞納分を請求されるのは納得できないものでしょう。修繕積立金の滞納を黙って売るのはトラブルの元なので、滞納している場合は事前に仲介業者を通じて告知しましょう。

なお、修繕積立金の滞納をはじめとした契約上の重要なポイントは、宅地建物取引業法で事前に買い主へ伝えるよう義務化されています。滞納分の請求を押し付けても、最終的に買い主から売り主へ滞納額を請求されてしまうため、滞納の有無を隠して売るメリットはありません。

マンションをスムーズに売却するなら、あらかじめ修繕積立金の滞納を精算しておくのが一番です。

修繕積立金に関する注意点

●売却を先延ばしすると月々の修繕積立金が高くなる

マンションの修繕工事は、建物が古くなればなるほど手直しすべき箇所が増えていくため、一定のタイミングで高くなっていきます。具体的にいつ高くなるかはマンションによって異なりますが、大規模修繕工事の前後で増額されるケースが多いです。基本的に、マンションは築年数が浅ければ浅いほど売りやすいので、売却するかどうかを悩んでいるなら早めに動き出しましょう。

●増額前に売り出した方が売却しやすい

売買マンションの場合、広告に修繕積立金や管理費の金額も記載されるため、修繕積立金が高くなると条件の良い買い主を探しづらくなってしまいます。逆にいえば、修繕積立金が高くなる前に売却活動を始めた方が有利だということです。

大抵のマンションでは、管理規約や長期修繕計画に修繕積立金の増額タイミングを記載しているため、売却を検討している場合は事前にいつ増額される可能性が高いのかを調べておきましょう。

まとめ

マンションを売却する際、それまでに支払った修繕積立金や管理費は戻ってきません。

ただし、取引相手によっては前納分を精算できますし、修繕積立金の増額タイミングを押さえておけば売却の難易度が上がる前に売却を決断できます。
価格や築年数だけでなく、修繕積立金に着目することで売却のしやすさが変わってくるため、マンションを売るときは管理規約や修繕計画にも目を通しましょう。

 

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