一般・専任・専属専任の違い!不動産業者と結ぶ媒介契約とは
2021.10.12不動産売却を行う際に業者と交わす契約のことを、専門用語で「媒介契約」とよびます。
ただ、媒介契約には3つの種類があり、どのタイプの媒介契約を結ぶかによって売却活動の自由度が変わってくるため、注意が必要です。
ここでは、
・一般媒介契約
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約
それぞれの違いや媒介契約の選び方について解説していきます。
媒介契約とは
媒介契約とは、売り主の不動産売却を業者に手伝ってもらうために結ぶ契約のことです。
- どのような方法で業者に不動産の売却を仲介してもらえるか
- 買い主が見つかった場合の仲介手数料はいくら支払うのか
- 契約期間について
といった仲介業務の中身を文章化したものとなっています。
不動産売却という金額の大きな資産の扱いを任せる以上、口約束ではトラブルになった際の対応が難しいため、法的に問題のない契約書を作って媒介契約を交わすわけです。
媒介契約書があることで、売り主は業者に対して適切な販売活動の支援を求められますし、業者側も売り主とのトラブルを避けられるようになっています。
媒介契約には3つの種類がある
●一般媒介契約
一般媒介契約は、媒介契約の中で最も条件の緩い契約内容です。
専任媒介契約や専属専任媒介契約に関しては、法律で契約期間を最大3ヵ月までと制限されていますが、一般媒介契約に関しては長期間の契約でも結べるようになっています。
また、一般媒介契約の大きな特徴が、「他社とも同時に一般媒介契約を結べる」こと。
不動産売却の手数料として業者に支払う仲介手数料は、買い主が決まった後に支払います。
一般媒介契約なら、A社・B社・C社に仲介を頼み、買い主を見つけてきてくれたC社に仲介手数料を支払うだけで不動産売却を終えられるのです。
一方、一般媒介契約は業者側のメリットが少ないため、依頼主への定期報告義務がなかったり、レインズという業者向け不動産情報サイトへの物件情報登録義務がなかったりします。
自由に振る舞える分、手厚いサポートを受けづらいのが一般媒介契約です。
●専任媒介契約
専任媒介契約は、特定の一社とのみ交わせる媒介契約となっています。
専任媒介契約は、特定の一社とのみ交わせる媒介契約となっています。
- 契約期間は最大3ヵ月
- 2週間に一度は売却活動についての報告がある
- 契約から7日以内に不動産情報をレインズに登録してもらえる
といったサポートを受けられるのが特徴です。
また、媒介契約を結べるのは一社だけですが、専任媒介契約であれば売り主が自分で買い主を見つけてきても構いません。
●専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は、売り主・業者双方の制限が一番厳しい媒介契約です。
自分で買い主を探してきても良い専任媒介契約と違って、専属専任媒介契約では仮に取引相手を見つけてきても手続きを仲介してもらえません。
その代わり、
- 1週間に一度は売却活動の報告をもらえる
- 契約から5日以内にレインズへ不動産情報を登録してもらえる
といった強みがあります。
売り主側に対する制限が強い分、不動産業者は積極的に買い主探しを進めてくれます。
媒介契約はどうやって使い分ければ良いの?
●人気の物件なら一般媒介契約や専任媒介契約がおすすめ
媒介契約の使い分けに困ったときは、売りたい不動産が一般的に需要の高い土地や建物なのかを考えると良いでしょう。
好立地・築浅・駅近など条件の良い不動産なら、複数の不動産業者に仲介を頼めたり自分で取引相手を探したりできる、一般媒介契約または専属専任媒介契約を結ぶのがおすすめです。
買い主探しの幅を広げることで、短期売却や高額売却も見込みやすくなります。
●人気のない不動産は専属専任媒介契約がおすすめ
専属専任媒介契約は、売却の難しい郊外の土地などを売る際に利用するのがおすすめです。
一般的に人気のない不動産は、積極的に売り込まないと中々買い主に気づいてもらえないため、専属専任媒介契約で最大限のサポートを受けた方が良いでしょう。
ただし、専属専任媒介契約だから必ず売れるというわけではありません。
信頼できる業者を選ぶことも重要です。
媒介契約を交わすときの注意点
媒介契約の細かい内容、例えば仲介手数料の金額は不動産業者によって違います。
そのため、契約を交わすときは、契約書の内容を隅々までチェックしましょう。
その上で、わからないことがあれば積極的に質問するのがおすすめです。
不動産売却では営業マンや不動産業者との相性も重要になってきます。
実績があっても相性が悪いと売却がスムーズに進まないことも多いため、契約の前に質問や相談を通じて営業マンとの相性も探りましょう。
まとめ
不動産業者と交わす媒介契約には、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介契約の3種類があります。
不動産によっては売却の自由度が高い一般媒介契約を選んだ方が好条件で売却しやすかったり、専属専任媒介契約で業者のサポートを引き出した方が買い主を見つけやすくなったりするため、売りたい不動産に合った媒介契約を選べるようになりましょう。