不動産は築何年で売りづらくなるの?古い住宅を売るコツとは
2021.11.12
不動産は、築年数によって売りやすさや売却価格が大きく変わります。
そこで気になるのが、築何年で不動産が売りづらくなってしまうのか。
ある程度、築年数の経過した不動産を売る場合、売却や宣伝の方法を考える必要も出てくるでしょう。
今回は、中古住宅が売れづらくなるとされている築年数の目安や、古い住宅を手放すコツをお伝えしていきます。
中古物件は築25年を超えると売却しづらくなる
中古物件の売却難易度が高くなる築年数は、25年です。
では、どうして築25年以降の物件が売りづらくなるのかというと、日本における不動産の耐用年数が木造22年、鉄筋コンクリート造47年だから。
耐用年数を超えた住宅は、たとえ住まいとして健全な状態であっても書類上の価値がほぼゼロに近い扱いになってしまいます。
そのため、築22年以上の木造住宅は、建物がきれいでも高く売るのが難しいのです。
また、耐用年数が47年ある鉄筋コンクリート造のマンションも、築25年を越えると住宅ローン控除を利用しづらくなるため人気がありません。
実際に、築25年で不動産が売れづらくなるのか調べたデータを見てみましょう。
2020年の1年間で新しく売り出された物件と、成約した物件の割合を調べた調査によると、中古不動産の成約率は築20年を越えるとマンション・戸建てともに下がっていくことがわかります。※1
また、成約したマンション・戸建ての平均築年数はそれぞれ21.99年と21.62年。年々不動産の築年数が上昇しているものの、築20年前後であれば問題なく売却できているわけです。
特に、マンションに関しては築25年を超えると急激に成約率が下がってしまうため、売却するなら工夫が必要になってきます。
※1 公益財団法人東日本不動産流通機構:首都圏不動産流通市場の動向(2020年)
http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_202102.pdf
古い不動産を少しでも早く売るコツ
●古い不動産の売却に強い業者を探す
古い不動産を売却する際、最も重要なのは不動産業者の吟味です。
一口に不動産業者といっても、会社によってそれぞれ得意分野は違います。築浅マンションの取り扱いが多い業者と、築年数の古い戸建てを扱っている業者では、売却期間や売却価格に大きな差が出てしまうことも少なくありません。
重要なのは、「同様の物件を売ってきた実績」がどれくらいあるかです。
新しい物件と古い物件ではターゲットとなる買い主の属性も変わってくるため、複数社から相見積もりを取り、対応や実績に納得できる業者と契約しましょう。
●荷物を出してクリーニングしてから売る
古い物件を早く売るコツとして、おすすめしたいのが空き家状態での売却です。
住んでいる状態での売却だと、生活感があって内覧相手に新生活をイメージさせられなかったり、荷物や家具の影響で部屋が狭く見えたりしてしまいます。
また、内覧の準備や対応も大変です。事前に引っ越した上でハウスクリーニングを行えば、物件写真の仕上がりも良くなります。古い住宅はできれば空き家で売りましょう。
●不動産の買取業者を利用する
仲介による売却ではなく、不動産業者の買取サービスを利用するという手もあります。
仲介による売却に比べると、買取価格は2割から3割ほど落ちてしまいますが、買い主が現れるまで待つ必要がありません。
最短の期間で不動産を現金化できるため、売却を急いでいたり売却する自信がなかったりするなら買取業者の利用も検討すると良いでしょう。
●専属専任媒介契約を交わす
不動産を売却する際に、専属専任媒介契約を結ぶのも一つのポイントです。
媒介契約とは、売り主と不動産業者の間で交わす売却手続き契約のことで、専属専任媒介契約はお互いの縛りが最も強い内容となっています。
売るのが困難な物件に関しては、一般媒介契約や専任媒介契約だと十分な売却活動を行ってもらえない可能性もあるため、できれば専属専任媒介契約を交わして売り出しましょう。
●瑕疵担保責任保険に加入する
瑕疵担保責任保険とは、不動産の売却後に何らかの不具合が発覚した場合、その修理費用を保険金でまかなってくれるという住宅保険のことです。
通常、新築住宅の建築時に加入しているものですが、保険の保証期間は10年程度なので、古い住宅だとすでに保険が外れてしまっています。
中古住宅に瑕疵担保保険をつければ、加入後数年の不具合を保険でカバーできるので、買い主に負担がかかりません。
中古住宅の購入を阻む要因には、「買った後に不具合が見つかると面倒・お金がかかる」というものもあるため、買い主側の不安を軽減するという意味で瑕疵担保責任保険に加入するのは効果的です。
まとめ
不動産は、マンション・一戸建てを問わず築25年を越えると急激に売りづらくなってしまいます。
そのため、家を売るならできるだけ早く動き始めるのがおすすめです。
売りたいと思った住宅がすでに古い場合は、中古不動産取引に強い業者を探したり、不動産の買取サービスを利用したり、物件広告の質を高めたりして少しでも早く売れるように工夫しましょう。