不動産売却のアピールにつながる!ホームインスペクションとは
2021.11.12不動産を売却するためには、あの手この手で買い主が感じている「中古住宅ならではの不安」を解消する必要があります。
そこで役に立つのが、目視で住宅の問題点等を洗い出すホームインスペクションという手続きです。
ここでは、不動産売却時にアピールポイントの一つとして使える、ホームインスペクションのメリットやデメリットについて解説していきます。
ホームインスペクションとは
ホームインスペクションとは、目で見てわかる範囲で住まいの状態をチェックする建物調査のことです。
壁の亀裂や屋根の雨漏り、住宅全体の傾きなどを専門業者に確認してもらいます。
また、現状を確認するだけでなく、「修理をする場合どれくらいの費用がかかるのか」「プロの目から見たリフォームプランのおすすめ」など提示してもらえるのもポイントです。
なお、ホームインスペクションは新築でも中古住宅でも依頼できますが、中古の場合は取引する際、仲介業者が「ホームインスペクションという手続きがある」「必要があれば斡旋できる」ことを買い主に告知するよう法律で義務化されています。
中古住宅購入時の大きな障壁である「購入してから不具合が見つかったらどうしよう」という不安を軽減できる手続きなので、積極的に活用しましょう。
不動産売却時にホームインスペクションを行うメリット
●問題箇所を直すことで物件を売りやすくなる
ホームインスペクションを行うメリットの一つ目は、不動産の売りやすさを高められることです。
不動産住宅市場において、設備や住宅の一部が壊れている住宅は、購入後に補修や問題点の調査が必要になるため魅力的に見えません。
しかし、ホームインスペクションで事前に問題点を洗い出しておき、さらに必要最低限の修理を施しておけば、売買の時点で問題点のない住宅を提供できます。
「買った後すぐに入居できる」住宅は、短期間で入居したいという層からの注目を集めやすいです。
●広告や営業におけるアピールポイントが増える
ホームインスペクションを行うと、物件広告や不動産業者による営業活動の際に「ホームインスペクション実施済み」であることをアピールできます。
説明や斡旋などの告知が義務化されているとはいえ、ホームインスペクションは実施に数万円かかる手続きなので、実際に利用している売り主はそれほど多くありません。
「ライバル物件にはないアピールポイント」を増やすのは、不動産売却における大きな強みです。
●売却後トラブルになるリスクを減らせる
ホームインスペクション実施済みの住宅は、住宅のトラブル・問題点をリストアップしているため、基本的には不動産売買後に「雨漏りがあった」「床がきしむ」といった問題が基本的には出てきません。
また、告知済みの問題点に関して、「そんな問題があるとは聞いてない」とクレームを付けられるリスクがないのもポイントです。
法律の改正によって、「取引時書類に記載していない問題は売り主の責任となる」ようになっているため、売買トラブルを回避するためにもホームインスペクションを活用しましょう。
ホームインスペクションを実施するデメリット
●対応の難しい問題点が見つかることも
ホームインスペクションのデメリットは、住宅によっては対応の困難な問題が見つかってしまうことです。
多額の修理費用が必要になったり、大掛かりな補修工事が必要になったりすると、ある程度、売り主負担で補修を行うことになります。
また、瑕疵の程度によっては値下げを回避できません。
不動産売却に手間をかけたくない方にとっては、ホームインスペクションがマイナスに働く場合もあるでしょう。
●検査をしても全ての瑕疵がわかるわけではない
ホームインスペクションは、目視による検査なので、壁の中など目で見えない部分の問題は分かりません。
そのため、住宅の安全性や健全性について完全な保証ができないことを知っておく必要があります。
「一切問題がない」等の表現で物件を推薦すると問題になる可能性もあるため、ホームインスペクション実施済み物件の内覧対応をするときは、不用意な営業トークをしないように気をつけましょう。
ホームインスペクション利用時の注意点
ホームインスペクションを利用する際の注意点は、売り出し前に検査の手配をすることです。
売却活動の途中で検査を行うと売却手続きが中断してしまいますし、売却活動の初期でホームインスペクションをアピールできないことも損失となってしまいます。
また、インスペクションを行う場合は現場に立ち会いましょう。
問題箇所を把握しておけば、修理するかどうかの判断を適切にできますし、どういった問題があったのか等を内覧で質問された際にも答えられるからです。
まとめ
目視によって住宅の状態をチェックし、補修の必要な箇所を割り出してもらうホームインスペクションは、中古住宅に対する「どういった問題が隠れているのかわからない」という不安感を軽減できる手段の一つです。br> 問題点を事前告知することで、売却後のトラブルも防げます。br> 売却中のアピールポイントを増やして、手持ちの不動産を好条件で売却しましょう。