住まない不動産は売却・賃貸どちらを選ぶべき?両者のメリットとは
2021.12.29
人が住まなくなり、掃除や換気の頻度が減ると家は急速にいたみます。
定期的に掃除を頼める人がいない場合、海外出張などで数年家を放置すると、帰ってくる頃には大掛かりな補修が必要な状態になってしまうでしょう。
そこで今回は、長期的に家から離れることになったとき、不動産の売却と賃貸どちらか自らに合っているか判断する手助けとして、不動産売却と賃貸それぞれのメリットや、売却に適した物件、賃貸に適した物件の特徴をご紹介します。
不動産売却で得られるメリット
●まとまった額の現金
住む予定のなくなった不動産を売却する最も大きなメリットは、まとまった額の現金を受け取れることです。
もちろん、不動産の立地や状態などによっていくらで売れるのかは変わってきますが、不動産市場で取引されている中古住宅の金額は1,000万円を越えています。
売却に当たって名義の変更をしたり不動産業者に仲介手数料を支払ったりすることを考えても、住宅の売却資金が手元に入ってくるのは大きなメリットです。
まとまった額のお金があれば、家計も楽になるでしょう。
将来に備えて預貯金しておくという手もありますし、現金なので自由な使い方が可能です。生活の幅を広げられるでしょう。
●修繕費などの支払いがなくなる
不動産を所有している限り、家や土地のオーナーは維持費などの負担が必要不可欠です。
毎年1月1日時点で不動産を持っていると発生する固定資産税や都市計画税に加えて、庭木の処理や雨漏りの修繕など、不動産の維持にはさまざまなお金がかかります。
短期間で入居する予定があるならともかく、住む予定のない住宅を維持し続けるのは時間と手間の無駄にもなりかねません。
掃除などを面倒だと長期間家を放置すると、倒壊などのリスクが出たときに「特定空き家」へ認定され、自治体から勧告などを受けたり土地に対する税制優遇がなくなったりします。
納税・掃除・修繕といった管理の手間を考えると、住まない家は売却した方が手続き面でも楽なのです。
●資産価値が下がる前に売却できる
不動産は、原則として資産価値が新しければ新しいほど高く売れます。
住む予定がなくなった時点で売却手続きを進めれば、それ以上築年数が古くなる前、つまり資産価値が下がる前に売却可能です。
売るかどうかを迷って数年待ってから売るよりは良い条件で売却できる可能性が高いので、住まない不動産を売るときは早めに決断することをおすすめします。
また、売却手続きを早目に始めることで売却戦略を考える猶予を取れるのもポイントです。
時間に余裕を持って売り出しを開始すれば、強引な値下げに付き合う必要もありません。
不動産売却において時間の余裕は売却条件を向上させる大きな要素なので、有効に使いましょう。
不動産を賃貸に出した場合のメリット
●家賃収入や不動産投資の経験を得られる
不動産を賃貸物件として利用した場合に得られるのは、家賃収入と不動産投資の経験です。
賃貸物件経営は、入居者の確保や入居者トラブルの対応等が大変な面もある一方で、優良な入居者を確保できれば長期間安定した不労収入を確保できるというメリットがあります。
また、賃貸物件経営を自ら行うことで、将来的に別の物件に投資する際の知識を蓄えられるのもポイントです。
●赤字が出た場合損益通算で本業の税金を節税できる
所有している不動産を賃貸運用する場合、賃貸物件経営に必要な費用を経費として処理できます。
また、経費の計上や各種税制優遇等の利用によって賃貸経営で赤字が出た場合、赤字分を本業の所得から差し引き可能です。
副業として行う賃貸物件経営が赤字になれば、所得税や住民税が安くなるため、手取りに余裕を持てるようになるでしょう。
売却した方が良い不動産の特徴
基本的に、一般的な戸建てやマンションであれば売却をおすすめします。
なぜなら、賃貸住宅と持ち家ではそれぞれ求められる要素が違うからです。
賃貸物件の場合、多くの方は立地を重視するため、広くてきれいな住まいでも郊外にあるだけで賃貸物件としての需要が落ちてしまいます。
賃貸運用の成功には入居者の確保が必須なので、需要の低い物件は売却した方がお得です。
賃貸活用しやすい不動産の特徴
- 大きな駅の近く
- 築20年程度で新しい
- 最近リフォーム・リノベーションされた
など、駅に近くて見た目のきれいなマンションは賃貸物件として人気があります。
この場合は、賃貸利用を検討しても良いでしょう。
ただし、地域によって賃貸の家賃には相場があります。周辺の賃貸物件情報を調べて、設定した家賃で利益を出せる場合に賃貸を選ぶのがおすすめです。
まとめ
住まなくなる不動産は、ただ持っていても劣化して価値が下がっていくだけなので、思い切って売却か賃貸を選びましょう。
ただし、賃貸に出して利益を見込める不動産はごく一部です。
大半の不動産、特に一戸建ては売却を選んだ方がお得になるケースが多いので、持っている不動産の立地や築年数、状態に応じて売るか貸すかを決めましょう。