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離婚時に家を売却するメリット・デメリット

2021.12.29

離婚時に家を売却するメリット・デメリット

夫婦が離婚することになった場合、結婚してから離婚するまでの期間に得た財産をお互いの働きの応じて分け合う必要があります。

そこで問題になるのが、資産価値として非常に高額で、現金のように分割するのが難しいマイホームの扱いです。
家を維持してどちらかが住み続けるケースと、家を売って現金で財産分与するケース、どちらがお得なのでしょうか。

今回は、離婚時に家を売るメリットとデメリットをご紹介します。

離婚時にマイホームを手放すメリット

●住宅ローンを整理できるため返済トラブルが起きない

離婚時にマイホームを手放すメリットは、住宅ローンを整理できることです。
不動産の売却代金でローン残債を完済してしまえば、「家をどちらの名義にするのか」「ローンの返済はどちらが担当するのか」といった不動産の扱いでトラブルになるリスクを減らせます。
多くの場合、不動産は夫婦が持つ財産の中で最も高額な資産です。

たとえば、子育て中で十分な収入を得ることの難しい母親が親権と持ち家を引き取り、父親が家を出ていくというかたちになると、金額的に父親側が大きく損をすることになるためローンの滞納なども起こりかねません。
離婚後に元夫婦間でのやり取りが途絶えてしまう可能性を考えると、「住宅ローンの返済者と名義人が違う」という状態にするのは避けた方が無難なのです。
かといって、家とローンを一方が引き継ぐ場合、もう一方に適正額の財産を分与する必要が出てきます。

不動産という分割しづらい財産を現金化してローンを整理し、お互いの寄与や話し合いによって分与する方がトラブルになりづらいため、離婚協議を短期間でまとめたいならマイホームを手放すと良いでしょう。

●物件の維持管理費が不要になる

住むにしろ賃貸物件として運用するにしろ、不動産を持っている限り維持費や修繕費の負担が必要不可欠です。
毎年発生する固定資産税に定期的な積み立てが必要になる修繕費、長く住んでいれば設備の故障で急な修理費用が必要になる場合もあります。
DINKS向けの間取りならともかく、ファミリー世帯向けの広い住まいだと掃除や維持も大変なので、結婚中に買った住宅を持ち続ける負担は大きいものです。
しかし、不動産を売却してしまえばこれらの負担について考える必要はありません。

離婚時にマイホームを手放すデメリット

●住居が失われてしまう

離婚時にマイホームを手放すデメリットは、持ち家がなくなってしまうことです。
子どもが幼く親権を受け取った側が生活基盤を立て直す目処が立っていないといった状況だと、持ち家があるかどうかで家計の負担が大きく変わってきます。

ただし、持ち家で暮らしつつローンの負担を別れた相手に求める場合、滞納リスクを考える必要があるため注意が必要です。
円満離婚など、滞納リスクが低い場合に限ってマイホームを維持すると良いでしょう。

●引っ越しが必要になる

マイホームを売却すると、当然ながら引っ越しが必要です。
引っ越し料金や新居の敷金・礼金等で数十万円かかってしまうため、離婚する場合はこの費用をどうやって負担するかも考えておきましょう。

お子さんが通学している場合、引っ越しによって校区が変わったり通学距離が長くなったりと生活環境も大きく変化してしまいます。
ただ、居住地域を選ぶことである程度、生活環境の変化は抑えられるので、それぞれの収入や財産分与額に応じて離婚後の生活スタイルを決めるのがおすすめです。

●オーバーローンになってしまうリスクがある

家を売ったお金でローンを完済できない状況のことをオーバーローンとよびます。
通常、オーバーローン物件はそのままだと売却できないので、任意売却という債務整理手続きが必要です。

ただし、任意売却を行った場合、家を手放した後もローン残債の返済をしていくことになります。
ローン残債や売却額によっては、離婚時に家を売らない方が良いケースも出てくるでしょう。

売却ではなく買取・賃貸という選択肢も

離婚をする場合、基本的には不動産の売却をおすすめします。

ただし、売却または住み続けるという方法だけが離婚時に取れる選択ではありません。
たとえば、早く離婚したいのでできるだけ早く不動産を売りたいという場合は、不動産業者に直接物件を買い取ってもらう「買取」という手続きを利用可能です。

また、お互い持ち家から離れるものの家は残しておきたい、売却費用などの関係で今すぐには売却できないといった場合は賃貸に出すという手もあります。

まとめ

離婚時に家を売却するメリットは、名義やローン残債等の縛りがなくなり、財産分与しやすくなること、そしてそれ以後相手方と関わる必要がないことです。

ただし、家を手放すことで一方が離婚後生活できなくなってしまう場合もあります。
ご家庭によって、また不動産によってすぐに売るべきなのか、それとも売却以外の手段を探るべきなのかが変わってくるため、不動産の扱いについて冷静に話し合うためにもまずは不動産業者を頼ると良いでしょう。

 

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