不動産に売りどきはあるの?時期による売却結果の違いを解説
2022.02.07中古品の買い取り価格は、「欲しい人が多いとき」や「注目が集まっているとき」に高くなります。
しかし、不動産に関しては明確にいつが売りどきになるのか、そもそも売りどきがあるのか一般人にはわかりません。
それどころか、売却手続きが終わるまでに数ヵ月かかることを考えると、あるかどうかもわからない売りどきを狙ってピンポイントで売却するのは困難です。
この記事では、不動産には売りどきというものが存在するのか、また物件や土地を売る時期によって売却結果がどう変わるのかを解説します。
不動産はいつ売るかよりも早く売ることが大切
●築年数が若い間に売り出した方が高く売れる
結論からいうと、不動産には明確な売りどきがありません。
理由はシンプルで、不動産価格が市場の動向によって変わる以上、「一番高いとき」を狙って売るのは現実的ではないからです。
ただ、ほぼすべての不動産において共通するのが、できるだけ早く不動産売却を始めた方が高く売れること。
土地は別として、建物に関しては新築に近ければ近いほど売却価格が高くなります。
いつ来るのかわからない売りどきを待っている間に築年数が経過すると、売却価格が下がってしまうため、不動産はいつ売るかよりもいかに早く売るかを考えることが大切です。
●売却のタイミングが遅れると余計な維持費がかかってしまう
不動産の売却タイミングを待つと、維持費がかかってしまいます。
不動産の維持費は、大きく分ければ税金と修繕費の2種類です。
不動産を持っている限り、毎年固定資産税や都市計画税が発生するため、簡単にいえば売却が1年遅れる度に余計な出費がかさんでしまいます。
また、一戸建てやマンションといった建物に関しては、ボロボロにならないよう外観や内装のメンテナンスが必要です。
不動産の売却価格は主に立地と築年数で決まりますが、外観が古ぼけていたり内部の設備が劣化していたりすると印象が悪いので、なかなか売れません。
建物は古くなればなるほど故障したり傷んだりする箇所が増えていくため、修繕費の負担を考えると早目に売った方がお得です。
一戸建てとマンションは価値が下がる前に売ろう
●木造の一戸建ては築22年で建物の資産価値がほぼゼロになってしまう
木造の一戸建ては、築22年で耐用年数を迎えて帳簿上の資産価値がほぼゼロになってしまいます。
状態が良い、リフォームされているなど一部のケースを除いて、古い木造住宅はほぼ土地の価値で売却価格が決まってしまうのが一般的です。
ある程度、街中で人気のあるエリアならともかく、郊外で需要の少ないエリアだと売却の難易度が上がってしまうため、木造住宅は価値が下がり切る前に売却手続きを進めましょう。
●マンションの資産価値がなくなるのは築47年前後
鉄筋コンクリート造のマンションに関しては、築47年で耐用年数を迎えます。
マンションは一戸建てに比べて一部屋あたりの土地面積が少ないため、経年劣化による価格減少の影響が大きいです。
また、分譲マンションは住民から毎月徴収する修繕積立金や管理費といったお金で建物全体のメンテナンスをしています。
築年数の古いマンションは住民の高齢化や空き室率の上昇によって資金不足に陥っていることが多く、十分に管理されていないケースも少なくないため、より売却の難易度が高いです。
マンションもできれば早目に売却した方が良いでしょう。
不動産のお得な売却タイミング
不動産は、売りどきを待つよりも早く売るのがおすすめです。
ただし、不動産の所有期間が5年を越えてから売ると、不動産の売却益に対してかかる税金が安くなります。
税額が安くなれば、売り値が多少下がっても手元に残るお金が増えるためお得です。
とはいえ、そもそも税金がかからない場合はあえて5年待つ必要はありません。
取引によって使える節税方法や売却額が違うので、手放す物件に合わせて待つかどうかを考えることが重要です。
また、相続した不動産については、取得後3年以内に売ることで税の特例を利用して課税額を大幅に抑えられます。
早期の売却を狙うなら3月の成約を目指そう
基本的に不動産には明確な売りどきがありません。
ただし、一般的に不動産が一番売れるのは引っ越し・進学・就職の準備期間である3月頃です。
物件の広告や内覧対応等を考えると、3月中に物件を引き渡すためには、年末から年始にかけて売り出しを始めておく必要があります。
早期の売却を狙うのであれば、12月中に不動産業者探しを始めて、3月中の成約を目指すと良いでしょう。
まとめ
不動産は、新しければ新しいほど売りやすく高額売却もしやすいため、いつ来るかわからない売りどきを待つメリットが少ないです。
特に、耐用年数を越えた物件は売却価格が急激に落ちてしまうため、長期間使わない住まいを放置するのはおすすめできません。
ただし、物件や取引の条件によっては売却を調整したほうが良い場合もあります。
不動産によって適切な販売戦略は違うため、売ろうと思っている物件に合わせていつ売るかを考えましょう。