不動産査定の違いを解説!土地・建物を売るならどの査定を受けるべき?
2022.02.07不動産売却手続きとして最初に利用するのが、不動産業者による査定サービスです。
ただし、一口に査定といっても、その内容に応じていくつかの種類があります。
不動産売却では、知識のなさから来る誤解が売却結果への不満や失敗につながってしまう場合も少なくありません。
ここでは、査定の違いや使い分ける際のポイントをお伝えします。
机上査定
机上査定とは、不動産業者のホームページなどで申し込める簡易的な査定方法のことです。
名前の通り、基本的に机上査定では現地の確認を行いません。
不動産業者の店舗で調べられる内容、たとえば過去近隣で同様の不動産がいくらで売れたのかといったデータや平均的な土地価格、周辺地域の不動産相場などを利用しておおよその売却価格を予想するという仕組みになっています。
机上査定の段階でも、築年数や間取りなどは確認するためある程度の目安にはなりますが、現地を確認していない分、査定の正確さに欠けるのが難点です。
訪問査定
訪問査定は、机上査定と違って不動産業者の担当者が土地や建物を訪問し、現地の状態をチェックした上で参考価格を出す方法です。
現地で不動産の現状を調査する分、机上査定よりも精度が高いのが特徴です。
一回の訪問査定にかかる時間は1時間から2時間程度ですが、査定結果が届くまで1週間ほどかかるため、売却を急いでいるなら早めに訪問査定をお願いしましょう。
基本的には、訪問査定の価格に納得したら不動産業者と正式に仲介契約を結ぶことになります。
一括査定
一括査定は、売りたい不動産の築年数や住所等を入力することで、複数の提携業者へ一括で机上査定をお願いできる手続きです。
査定の内容や結果は机上査定と同様ですが、通常の机上査定と違って異なる業者の査定結果をまとめて出してもらえます。
同条件同一フォーマットで査定の申し込みをしているため、業者ごとの査定結果を見比べやすいのがポイントです。
各査定はどうやって使い分ければ良いの?
●まずは机上査定や一括査定を利用する
机上査定・訪問査定・一括査定を比較した場合、まずは机上査定や一括査定の利用をおすすめします。
不動産には定価がありません。適切な売り出し価格を決めるためには、土地や建物の価値を知っておく必要があります。
その点、机上査定や一括査定は、土地や建物の実地見学を伴わない分結果が早くわかるため、不動産がいくらで売れるのかを判断する目安として優秀です。
判断基準がないと、相場より高すぎて売れ残ったり逆に安すぎて買い叩かれてしまったりする可能性もあります。
不動産の売却価格を安定させるためにも、机上査定や一括査定を利用して大まかな相場を把握するのがおすすめです。
●気になる業者に訪問査定をお願いしよう
不動産の訪問査定は、机上査定や一括査定で出会った気になる業者にお願いしましょう。
いきなり訪問査定を行うという手もありますが、そもそも事前に相場やある程度の査定額を知っていないと、訪問査定の結果が適切なのかを判断できません。
また、訪問査定は短くても1時間ほどかかります。
結果が返ってくるまでの時間も必要なので、短期間で複数社に査定を頼むのは大変です。
むやみやたらに訪問査定をお願いすると、売り主自身のスケジュール調整で手が回らなくなってしまうため、机上査定や一括査定で厳選した業者に依頼することをおすすめします。
机上査定・一括査定・訪問査定の査定結果を比較し、契約先を決めるようにすれば、査定から不動産業者との契約までの流れをスムーズに進められるでしょう。
査定と鑑定に違いはある?
●査定は「おそらくこの価格で売れるだろう」という業者の考え
不動産売却における査定とは、査定を行う業者が考える売却予想額です。
いってしまえばただの予想なので、不動産業者によって査定結果は違います。
ただ、不動産は相場を中心とした値付けを行われているため、基本的には相場に近い金額に落ち着くケースが多いです。
それでも契約を取るために査定結果を高くするといった手段を取る可能性があるので、不動産売却では査定で相場をつかむことが重要になってきます。
●鑑定は専門家による不動産の客観的な評価
一方の鑑定は、不動産鑑定士とよばれる専門家による土地・建物の客観的な値付けのことです。
不動産鑑定士による評価では、周辺環境や相場等も考慮されています。
鑑定結果は不動産の客観的かつ妥当な金額を証明する手段にもなるため、たとえば相続などで「もっと高く売れたはずだ」といった抗議への対策として効果的です。
鑑定は有料なので、一般的な不動産売却ではあまり使われません。
まとめ
机上査定は現地訪問なしの査定方法、訪問査定は現地訪問ありの査定、そして一括査定は一度に複数社へ机上査定を頼めるサービスのことです。
不動産売却では、それぞれの査定方法を適切に使い分けることで、手続きの期間を短縮したり、売れ残りの原因となる「相場から外れた値付け」を回避したりできます。
不動産売却において非常に重要な手続きなので、机上査定や一括査定で相場を掴み、訪問査定を通じて契約する業者を選びましょう。