フルリフォームはNG!不動産売却におけるリフォームのポイント
2022.02.18
不動産を手放す場合、リフォームにかける費用は必要最小限に抑えましょう。
なぜなら、多くの場合リフォームにお金をかけて売却価格を高めても、リフォームにかけたお金を回収できないからです。
200万円かけてリフォームを行い、売却価格が100万円アップしても意味はありません。
ここでは、不動産売却を有利に進めるために知っておきたいリフォームのポイントをご紹介します。
不動産売却におけるリフォームの扱い方
●不動産はリフォームせずに売るのが理想
不動産売却においては、できるだけリフォームせずに売ることを考えましょう。
理由は単純で、リフォームにはお金がかかってしまうからです。
特に気をつけて欲しいのが、思い切ったフルリフォームやリノベーション。
数百万円単位でリフォームにお金を注ぎ込み、新築同然の内装やデザインを取り入れても、リフォーム後の状態を買い主候補に気に入ってもらえる保証はありません。
むしろ、リフォームをすることによって不動産の売り出し価格を値上げする必要が出てくるため、物件を売りづらくなってしまいます。
自身の利益を確保するためにも、売り出し価格を抑えてより多くの買い主に購入を検討してもらうためにも、リフォームは最低限に抑えた方がお得です。
●幅広い買い主のニーズに合うリフォームを取り入れよう
もちろん、物件によってはリフォームをした方が良いケースもあります。
そういったときに重要なのが、できるだけ幅広いニーズに対応することです。
たとえば、売り主の身長が180センチあるからといって、キッチンの高さを自身に合わせると多くの人にとっては使いづらいキッチンになってしまいます。
壊れた設備の交換や修理などをやむを得ずリフォームをする際は、自身の身体的特徴や好みではなく、「最も平均的・一般的な設備・デザイン」を選びましょう。
業者のカタログに掲載されているような一般的なグレード・デザインのものを選んでおけば、買い主に「リフォームした部分が気に入らない」と思われるリスクを下げられます。
フルリフォームより部分リフォームをおすすめする理由
●リフォームに必要な費用を抑えられる
家を売るときにリフォームするなら、フルリフォームではなく部分リフォームがおすすめです。
最大の理由は、リフォーム費用を大幅に抑えられるため。
フルリフォームだと予算が数百万円単位で必要になりますが、部分リフォームなら100万円以下で抑えられる場合もあります。
リフォームをするときは、不動産業者やリフォーム業者と相談し、どこに手を入れれば売却結果を底上げできるのか見極めた上で工事をお願いしましょう。
●工期が短いため売却の準備期間が短い
フルリフォームに比べて、部分リフォームは工期が短いです。
リフォーム工事が早く終わるため、内覧希望者を待たせることもありませんし、売却手続きが遅れて引っ越しのタイミングがずれてしまうこともありません。
不動産売却は、条件の合う買い主と出会えるかどうかで取引の成否が決まるため、少しでも良い買い主と出会う確率を高めるという意味でも部分リフォームをおすすめします。
部分リフォームを依頼する際のポイント
●壊れた設備・建材の補修と修理にお金をかける
不動産売却を目的とした部分リフォームでは、基本的に故障している設備や壊れた建材の補修だけをするのがポイントです。
不動産の売却価格は、多くの場合立地と建物の築年数で決まります。住まいとしてまだ使える設備や建材をあえて新しくしても、築年数は蘇りません。
しかし、お湯の出ない給湯器や腐りかけの床材、雨漏りなどは物件の資産価値を下げる要因になります。
「資産価値が下がる部分だけ手直しする」という考え方でリフォームのプランを考えると良いでしょう。
●水回りのリフォームを優先する
不動産によっては、ある程度、リフォームに力を入れた方が高く売れる場合もあります。
ただし、リフォームに注力するといっても、莫大な予算を求められるフルリフォームをするわけにはいきません。
そこでおすすめしたいのが、水回り中心のリフォームです。
水回りは、中古住宅の内覧時にも厳しくチェックされる場所なので、キッチン・トイレ・浴室をきれいにしておくだけで内覧時の印象が良くなります。
一方、壁紙などの内装材は比較的安く変えられますし、好みもあるため買い主に任せてしまうのが無難です。
また、水回りのリフォームであれば、メーカーのカタログから製品を選び、モノトーンや木目調などの落ち着いた配色にすればデザインもまとまります。
デザインにかける費用も節約できるでしょう。
まとめ
不動産売却後、手元に残るお金をできるだけ多くしたいなら、リフォームせずに売るのがおすすめです。
ただし、不動産によっては多少の手直しが必要になったり、リフォームすることで高額売却しやすくなったり場合もあります。
不動産業者の意見を聞いた上で、壊れた箇所や水回りを中心とした必要最低限のリフォームを施し、不動産売却のコストを抑えましょう。