家を売っても引っ越し不要!リースバックの仕組みやメリットを解説
2022.06.23
病気や会社の倒産等で住宅ローンを返済できなくなった場合、取れる手段の一つがリースバックです。
リースバックを利用すれば、家を売ったお金をローン返済に充てつつ、売却した家に住み続けられます。
ただし、リースバックは不動産売却方法の中でも特殊なやり方です。
仕組みを理解せずに利用すると、後悔することにもなりかねません。
ここではリースバックの仕組みやメリットについて解説していきます。
リースバックって何?
リースバックとは、売却後に賃貸契約を交わすことを条件に、不動産をリースバック業者に買い取ってもらう手続きのことです。
家を売ったお金を受け取りつつ、家賃を払って元の家に住み続けられるという特殊な不動産売却方法となっており、基本的にはローンの返済が難しくなったり、老後資金などでまとまったお金が必要になったりしたときに利用されています。
リースバックをするメリット
●短期間で不動産を現金化できる
リースバックのメリットは、不動産を短期間で現金化できることです。
一般的な不動産売却では、業者に仲介してもらって不動産市場で買い主を見つけます。
仲介による不動産売却は、条件の合う買い主がいつ出てくるかわからない上に、条件の合う買い主が見つかったとしても「ローン審査に通らない」「別の不動産を買うことにした」といった理由で取引が流れてしまうこともあるため、手元にお金が入ってくるまで3ヵ月から半年程度かかるのが一般的です。
その点、リースバックは不動産の賃貸運用に対応している専門業者に物件を買い取ってもらうため、買い主を探す必要がありません。
業者による代金の支払いも現金一括なので、まとまったお金を受け取れます。
●引っ越さなくて良い
通常、持ち家を売ったら新しい住居への引っ越しが必要です。
しかし、リースバックでは不動産の買い主と賃貸契約を結ぶことを前提に不動産を売っているため、家を売った後もそれまでと同じように住み続けられます。
査定などのために、一時的に家を空ける必要もありません。
家の名義が変わり、家賃を払うようになるだけで住環境は全く変わらないため、引っ越し料金も不要ですし、ご近所の方々に家を売ったことを知られる心配もありません。
●将来的に家を買い戻せる
リースバックの契約を結ぶ際、不動産を買い戻す権利を設定していると、資金に余裕ができたとき売った家を買い戻せる場合があります。
仲介で不動産を売った場合、売った不動産がどう使われるのかは新しい持ち主次第です。
自宅を買い戻すお金を貯めている間に家が更地になっていたり、別の建物が建っていたりする場合もありますし、新しい持ち主が物件を気に入っていればそもそも不動産が市場に出てきません。
しかし、リースバックなら思い入れのある住まいを買い戻せます。
リースバックを選ぶデメリット
●売却価格が相場よりも安い
リースバックの買取価格は、仲介で不動産を売ったときよりも数割安くなるのが一般的です。
リースバックした不動産は、元の所有者に貸す必要があるため、更地にして転売したり建て替えて違う用途で使ったりできません。
不動産の用途が制限され、家賃を滞納されるリスク等も買い主が抱え込むことになるので、その分売却価格は安くなります。
また、リースバック物件の家賃は、家を売った金額の1割程度と言われています。
多くの場合、周辺にある同程度の賃貸住宅よりも家賃が高いです。
不動産の固定資産税はリースバック業者負担ですが、契約によっては建物や設備の修繕費が自己負担になる場合もあります。
●賃貸契約が打ち切られる可能性もある
リースバック物件は、ずっと住み続けられるとは限りません。
一般的な賃貸契約には期限がないので、家主と借主のどちらかが退去したいと言い出さない限り、自動的に賃貸契約が更新されます。
しかし、リースバック物件の賃貸契約は、最初に決めた期限が過ぎたら家から出ていく「定期借家契約」が一般的です。
期間満了時に定期借家契約を再契約すれば同じ家に住み続けられますが、リースバック業者の倒産や心変わりで再契約を拒否されると、住み慣れた家から退去する必要があります。
リースバックはどんな人におすすめなの?
リースバックは、
- まとまったお金が必要だが引っ越したくない
- 老後資金が足りるか不安だが特に資産を持っていない
といった方におすすめです。
リースバックなら、住環境を変えることなく生活を立て直したり、老後資金を確保したりできます。
ただし、家賃を支払う必要があるため、リースバックを利用するなら安定した収入が必要です。
まとめ
事情があって現金を必要としているものの、住み慣れた家から離れたくない、そんなときはリースバックが使えます。
ただし、リースバックは仲介での不動産売却よりも売却価格が安く、契約内容によっては賃貸契約の満了後に退去を迫られる場合もあるため、無条件におすすめできるわけではありません。
リースバックが一番良い対応なのかを考えるためにも、ローン返済に困ったり家を売ったりするときは不動産業者に相談することをおすすめします。