不動産売却の結果は交渉次第!交渉力をアップするポイントとは
2022.07.14
不動産売却は、売り主と買い主のお互いが支払う金額や引き渡しの条件に納得できたら成立する取引です。
不動産自体の価格が高いだけあり、多くの買い主がダメ元で「もう少し安くならないか」と話し合いを持ちかけてくるため、交渉力が低いとする必要のない値引きをする羽目になってしまいます。
より良い売却結果を勝ち取るために、今回は不動産売却における交渉力アップの秘訣を押さえていきましょう。
交渉力がないと不動産売却で損しやすくなる
不動産売却では、交渉力が低いと損をしやすくなります。
なぜなら、元の価格が高い不動産取引では、価格交渉の幅も数百万円単位になってくるからです。
「数百万円も損をするような判断をするわけがない」と思う方もいるかもしれませんが、例えば数ヵ月不動産が売れずに悩んでいるタイミングだと、なかなか強気に出られません。
何度も値下げの交渉を行った結果、「そんなに欲しいといってくれるなら譲ってしまおう」「この機会を逃すともう売れないかもしれない」と判断する可能性があるため、不動産を売るときはどこまで価格や取引条件を譲歩しても良いのかを考えて交渉に臨む必要があるのです。
交渉力を高めるための事前準備
●交渉力のある不動産業者と契約する
交渉力を高めたいなら、交渉力のある不動産業者を見つけましょう。
一口に不動産業者といっても、その実力は千差万別です。
なかには、調整が面倒だからと簡単に値引きに応じたり、弱腰の対応をしたりする担当者もいるため、業者選びには時間をかける必要があります。
ただ、交渉力の高い業者かどうかを判断するのは簡単ではありません。
そこで役立つのが、相見積もりと面談を繰り返すこと。
理由もなく査定額が高かったり安かったりせず、査定の根拠が明確で説明もわかりやすい業者は、簡単にいうと「仕事ができる」ので、不動産の取引件数が多く交渉にも慣れている可能性が高いです。
また、不動産の売り出し価格は、査定結果で決まります。査定の内容が適切なら、売り出し価格も適正額に落ち着くため、「高値で売り出した結果売れないから、値引きを受けることになった」という事態も避けられるでしょう。
●多少値引きをしても損しない金額を見極めよう
不動産の価格交渉をするにあたって、どこまで値引きしても損しないのかを見極めておくことも重要です。
たとえば、住宅ローンの残っている住まいを売る場合、最低でも住宅ローン残債以上の金額で不動産を売らないと売り主は損をしてしまいます。
損をしないラインがわかっていれば、値引きを「少し安くするから買って欲しい」という交渉手段にできるので、値引き額の見極めは必須です。
不動産売却をする際に役立つ交渉の心得
●「あなただけ」「ここだけ」を使う
「値引きをするのはあなただけ」「今回だけ値引きに応じます」など、相手の心理に訴えかける手法は値引き交渉において大きな効果があります。
事情があって早く不動産を売ってしまいたいときは、値引きを餌にして売却期間を短縮しましょう。
ただ、誰に対しても「あなただけ」と伝えていると、何かのきっかけで値引きを持ちかけられたという情報が表に出たときに信用を失うため、ここぞというときに使うのがポイントです。
また、値引きに応じる回数は1度に留めましょう。
強く限定をすることで、相手に「この機会を逃したらもう不動産が手に入らないかもしれない」という危機感を持たせられれば、交渉を有利に進めやすくなります。
●「値引きを断る」ことも交渉のテクニック
不動産売却時の交渉では、値引きを断ることも立派な交渉テクニックです。
買い主から価格交渉を持ちかけられたとき、二つ返事で応えていると、「強く押せばもっと値下げするのでは」と思われてしまいます。
回数を重ねる度に買い主側の要求は大きくなってしまうので、手付金の準備があるなど、あくまでも買い主側が本気で購入を検討しているときにのみ値引き交渉を進めましょう。
●値引きの対価として譲歩案を提示する
買い主から値引きを求められた場合、安くする代わりに何らかの譲歩をしてもらうのもおすすめです。
たとえば、不用品を残したままの現状渡しで納得してもらう、退去前の掃除を諦めてもらう、手付金の額を増やしてもらうなど、売り主側の手間や費用を節約できれば値引きに応じても大きな損にはなりません。
人間には返報性の原理というものがあり、「値引きに応じる」というお願いを受け入れると相手にもこちらの要求を通しやすくなります。
お互いができるだけ損をしないように、譲歩できる道を示すのも交渉を成功させるポイントです。
まとめ
取引額の大きな不動産売却では、多くの買い主から値引きの交渉を持ちかけられます。
売り主側に交渉力がないと、ただ値引きを受けて自分の取り分を減らしてしまうことになるので、不動産を売るなら交渉力も必要です。
交渉力の高い不動産業者と契約したり、値引きをしても損をしないラインを見極めたり、人間の心理をついた駆け引きのテクニックを覚えたりして、売り主・買い主の双方が損をしない取引を目指しましょう。