古い家を古家付き土地として売却するメリットとは
2022.09.09築年数の古い家を売る場合、
1.古屋付きの土地として売る
2.中古住宅として売る
3.解体して更地を売る
という3つの選択肢があります。
ここで持ち上がってくるのが、古い家はどの選択肢で売った方がお得なのかという問題です。
今回は、古い家を古家付きの土地として売却するメリットやデメリットについて解説します。
古い家を解体せず古家付き土地として売るメリット
●解体費用やリフォーム費用を支払わなくて良い
古家付き土地は、「おまけ程度に家が建っている土地」です。
基本的には建物部分に資産価値がなく、住居として使えなくても構わないという層に向けて売り込む不動産なので、更地で売るために解体費用をかけたり、中古住宅として売るためのリフォームやリノベーションをしたりする必要がありません。
場合によっては、値引きありの現状渡しで、家の掃除や不用品の処分をせずに売却することもあります。
修理やリフォームをしないと住めない状態の家でも、コストをかけずに売却できるのが古家付き土地のメリットです。
●不動産が売れるまでの維持費が安い
日本には、土地に家が建っている間は土地の固定資産税が大幅に安くなるという制度があります。
当然ながら、古い家を解体し更地として売る場合、ただの土地になってしまうのでこの減税制度は利用できません。
古い家は一般的に不動産市場で人気がなく、買い主が決まるまで数年かかることもあるので、維持費の問題は意外と重要です。
たとえば、郊外や地方の物件でいつ売れるかわからないものに関しては、家をそのままにしておいた方が固定資産税・都市計画税といった不動産の維持費を節約できます。
●住宅ローンが使えるためより多くの相手に売り込める
古家付き土地の住宅部分には書類上の資産価値がほとんどないため、古家付き土地の主な売却ターゲットは、「土地が欲しい人」です。
住宅ローンは、「自分の家」を建てたり買ったりするときにだけ使えるローンなので、更地にしてしまうと購入者は住宅ローンを利用できません。
しかし、家があれば不動産を売買するときに住宅ローンを利用できます。
更地にすると狙えるターゲットは「土地が欲しい人」だけになりますが、古家付き土地なら「土地が欲しい人」と「安い家を買ってリフォームしたい人」の両方に物件を売り込めるのです。
売り込むターゲットを増やせば、その分不動産が売れる可能性も高まります。
不動産を解体するとターゲットは変えられないので、更地にするかどうかは慎重に考えましょう。
●マイホームを売ったときの特例を使える
不動産を売却すると、売却額から必要経費と控除を引いて余った、利益に対する譲渡所得税を納める必要があります。
ただ、マイホームの売却には税の減税制度があるため、不動産売却の利益から3,000万円控除可能です。マイホームを売ったときの特例を適用できるのは、
- 現在住んでいる家を売ったとき
- 引っ越してから3年以内に家を売ったとき
- 家を解体してから1年以内
なので、更地にすると特別控除の利用期間が少なくなってしまいます。
古家付き土地なら、家を離れてから3年以内に売れば良いので、控除を使いやすいです。
古家付きとして売るデメリット
中古住宅をリフォームして売ったり、更地にして売ったりする場合と比べて、古家付き土地は売却価格が安くなります。
なぜなら、建て替えにも解体にも余計な費用がかかってしまうからです。
購入後すぐに何らかの用途で使うのが難しい、つまり用途が限られる不動産は基本的に人気がないので、高く売りたいなら自由度の高い更地にしてから売った方が良いでしょう。
そもそもどんな家なら「古屋」になるの?
実は、築何年から中古住宅を古屋と呼んでも良いのかは明確に決まっているわけではありません。
耐用年数の関係上、木造住宅は築22年で書類上の資産価値が底値になるので、築20年以上の物件が古屋として売買されています。
しかし、古い家を中古住宅として売るのか、古屋付き土地にするかは売り主の自由なのです。
住宅の魅力をアピールするなら中古住宅として、土地をメインに売り込むなら古家付き土地として売るものだと考えておけば良いでしょう。
古屋の売却時に役立つ売却のポイント
古屋を売るときは、リフォームすれば住めるかどうかを考えることが重要です。
家として機能しない状態であれば解体工事が必要になるため、最初から解体工事分の値引きをしておいた方が早く売れます。
逆に、住宅としての寿命が残っているなら、買い主の求める情報、リフォームやリノベーションの参考価格を提示できるようにしておくのが効果的です。
まとめ
古い住宅を古家付き土地として売却すれば、解体費用を自分で負担せずに使わない住宅を手放せます。
また、家があると維持費である固定資産税が安くなるため、売却に時間がかかっても大きな負担になりません。
ただ、物件の状態によって古家付き土地として売るか、中古住宅として売るべきか、更地にした方が良いかは違います。
売却の方針を立てるためにも、古屋を売るときは不動産業者に査定をお願いし、物件の状態を正確に分析しましょう。