column 007. 失敗談

「ゆとりローン」で返済額が増えローン滞納に。競売になる前に売却しました。

2016.01.13

ローン

Sさんは、結婚を機に妻と将来増える家族の為に当時住宅ローン商品の中でも人気のあった、「ゆとりローン」を組み念願のマイホームを購入しました。販売先が現在の住宅金融支援機構(当時の住宅金融公庫)でしたので安心して契約しました。

このローンのメリットは最初の5年間の支払いが安いということです。そのため、現状でも支払いが可能な金額と判断して契約を結びました。

将来、段階的に支払額が上がるということは理解していましたが、その金額までは計算に入れていませんでした。支払いを開始して6年目からアップした支払い額にはどうにか対応できました。しかし、11年目からの支払いを出来ずにローンを滞納してしまいました。

家を手放したくないという思いから3ヶ月間何の対応もしませんでしたが、勇気を出して金融機関委相談すると、任意売却が上手くいけば債務が完済できるかもしれないという話を教えてもらいましたので、任意売却する事にしました。

任意売却までの流れ

Sさんのローンの支払いは1年目から5年目までが5万円、6年目から10年目までの支払いが9万円でしたが、返済11年目に入り支払いが15万円になってしまいました。

その結果支払いが出来ずに3ヶ月もローンを滞納してしまったので、債務超過額も大きくなり、金融機関も見放して競売手続きに入ると思っていたそうです。担当者の方に相談すると「当行としても少しでも高い売却をしてもらい、残債務がないようにしたいので急いで任意売却の手続きをしてくださるのであれば競売申し立てを待ちます」と対応を受けました。

そこで、Sさんは不動産仲介会社に急いで任意売却の依頼をしましたが、急ぎの売却ですので、残念ながら売値が少々低くなるとの事でした。

しかし、Sさんに選択の余地はなく残債務が50万円ほどは残ると予想される額で売りに出すことにしました。

不動産仲介会社としても、その価格なら買い主も早く見つかると判断し、仲介手数料が入るということで積極的な広告や営業活動が始まりました。

ゆとりローンの注意点

ゆとりローンは平成4年頃から始まりました。その特徴としては、契約から6年目と11年目に支払額が増えるというものです。しかし、最初の5年間は低い支払額という事で多くの人が契約しました。

そのため、給与が段階的に増えなかった場合や、子供の教育費について上手く計算をしていなかった場合などは6年目以降、11年目以降の支払の増額に対応できず、ローンを滞納して債務超過に陥る契約者が急増しました。

この点から、ゆとりローンはリスクの高いローン契約と言えるでしょう。平成12年にゆとりローンは廃止されました。これは、契約者にデメリットが大きい契約と判断されたのだと思います。

ゆとりローンを契約する場合に大切なのは、支払額が最大になった段階の金額とそれに対応出来る収入が見込めるのかというシュミレーションをすることです。Sさんは、目先の5年間の支払額のみを計算したのが失敗でした。

まとめ

Sさんは、予定通り残債務が50万円ほど残る計算で家を売却しました。銀行側とも話をつけ、残りは月額3万円の17回払いで完済する予定です。

また、任意売却でしたので30万円の引っ越し費用が出て家賃7万円のアパートに引っ越しました。おかげで銀行の返済を加えても10万円となり、ゆとりローンの支払いよりも月に5万円負担が減りました。また、固定資産税等の支払いもいりませんので家計が上手くいきそうとの事です。

確かに、マイホームを手放さずに支払いを継続することも大切ですが、ゆとりローンのように支払いが継続できないと思う要素があれば、なるべく早くに任意売却することも一家の主としての英断であると思います。また、Sさんは、11年目の支払いを迎える前に任意売却を始めれば手元にお金が残ったかもしれません。

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