6.残代金・物件の引き渡し

残代金の支払い・物件の引き渡し

売買契約を交わし、住宅ローンを組んだ場合はその承認が下りると、残代金(手付金と内金を差し引いた売買代金の全て)などの支払い(決済)をすることになります。決済時に必要なものは、「実印」、「印鑑証明書(抵当権設定時のみ)」「住民票(同居する方全員分)」、「運転免許証等(本人確認のため)」などです。多くの場合、決済と引き渡しは同日に行われます。買い手側は住宅ローンを利用していることが多いので決済は金融機関で行われることが多く、借り入れたその場で支払うことになります。 決済時に支払うものとして、物件価格の残代金や諸経費・税金などがあります。固定資産税などは金額を日割り計算して清算します。費用によって支払い先が異なり、売り手側へは「残代金」「固定資産税日割り分」、司法書士へは「登記費用」などとなります。また、保険会社へ「火災保険料」の支払いもあります。「住宅ローン諸経費」については取扱金融機関によって異なるので金融機関指定の支払い方法となります。不動産会社へは「仲介手数料」などの諸経費の支払いがあります。その他、契約内容によって異なる部分もあるので、事前によくご確認下さい。

不動産登記について

所有権移転登記などの申請は、通常、司法書士が代行します。代行する司法書士に必要書類を渡し、登記申請を依頼します。住宅ローンを利用する場合は、併せて抵当権の設定も行います。決済と同日中に法務局に不動産登記の申請を行うため、平日の午前中に行うのが一般的です。後日、登記済関係書類を司法書士から受け取ります。

物件の引き渡しについて

決済時、売り手側からの鍵の受け渡しも行われます。マンションなどの場合、引っ越しの有無に関わらず、この日から管理費等が発生します。契約時と物件の状態が変わっていないか、修繕を依頼した場合はきちんと修繕されているか、最後の確認をしましょう。またこの時、一戸建ての場合は設計図、マンションの場合は管理規約書や分譲時のパンフレットなど、売り主が所有している場合は譲り受けられるようにしておきましょう。キッチンや給湯器などの設備の保証書や取り扱い説明書なども出来るだけ欲しいものです。これらの手続きが終わると、売買取引は全て完了となります。

引き渡し前の注意点

契約から決済日までの間に日数があるかと思いますが、少なくとも1度は購入する建物を見に行っておくことをおすすめします。買い手側としては契約後に建物を見に行くとはなかなか言い出しにくいものかもしれません。ですが、大きな買い物ですし、事前に物件をチェックすることは非常に大切なことです。売り手側に了解を得てからとなりますが、当然何度でも見に行って大丈夫なことです。中古住宅は現状のまま、ということも多いのですが、契約時に補修の依頼をされていた場合は、きちんと補修出来ているかどうかの確認を行うことも大切です。引き渡し後でも速やかに対応していただければ良いのですが、なんだかんだ対応が遅くなり、最悪の場合対応していただけないということもありえます。補修事項がまだ残っている場合は日程を延長するか、延ばせない場合は売り手側に一筆書いていただいた方がトラブルになりにくいでしょう。また、建物の状態チェックだけでなく、入居後のレイアウトを考えるため、この時採寸を行っておくのも良いでしょう。 補修等、何らかの問題があった場合に備えて、引っ越しの日程も少し余裕を持って計画しておくと良いかもしれません。大きな買い物ですので、後々後悔しないように最善を尽くしておきたいものですね。