column 853. 暮らす

マンションの管理組合・理事会ってなに?理事長や役員の役割を解説

2023.05.16

マンションの管理組合・理事会ってなに?理事長や役員の役割を解説

マンションは、自分の部屋以外の場所、共用部分の管理を住民全員で行う不動産です。
そのため、マンションを購入すると管理組合に加入し、場合によっては理事会の役員も務める必要があります。

一方で、仕事や家事で忙しく、できれば役員にはなりたくないと考える方もいるでしょう。
そこで今回は、マンションの管理組合や理事会が持つ役割や、マンション管理に参加する重要性、管理組合を運営する上で知っておきたいトラブル事例などをご紹介します。

マンションの管理組合と理事会とは

●管理組合はマンションの所有者全員が加入する集まりのこと

マンションの管理組合とは、マンションの所有者全員が加入する団体のことです。
マンションには、個人がお金を出して買った専有部分と、住民全員が共有して使う共用部分があります。
専有部分は各部屋の持ち主が自分で面倒を見るのですが、共用部分に関しては全住民でお金と労力を出し合って管理する必要があるため、共用部分の管理を行うための組織として管理組合が存在します。
マンションの管理がおろそかになると、十分なメンテナンスができずに物件の資産価値が下がり、廊下やゴミ捨て場などの共用部分が汚れたり劣化したりしてしまいます。
共用部分の管理はマンション住民全員の義務なので、マンションを買う以上「面倒だから・忙しいから管理組合に入らない」という理由での選択肢はありません。

●マンション管理組合の代表者で構成されるのが理事会

理事会は、マンションの管理組合の中から選ばれた理事の集まりです。
マンションの管理は、管理組合、つまり全所有者の仕事ですが、現実的に考えて全ての管理業務を全住民が毎回審議して行うわけにはいきません。
そこで、管理組合の中から複数の理事や委員会を選出し、代表者達でマンションの管理や維持に必要な業務、管理組合を運営するためのお金の管理などをすることになっています。

●管理組合の予算は住民から集めた管理費と修繕積立金

なお、理事会や管理組合は、住民から集めた管理費と修繕積立金を使って運営されています。
住民が少なかったり、管理費や修繕積立金の未払いがあったりすると、マンション全体の運営に必要な費用を捻出できずに建物が劣化していくため、マンションを選ぶときは、「空室が少ない」「共用部分がきれいに管理されている」物件を選ぶと良いでしょう。
また、近年理事になりたくないという方への配慮として、予算の一部を理事の報酬にしている管理組合も出てきています。
管理組合のルールは物件によって違うため、マンションの購入時はできる限り管理規約もチェックしましょう。

マンション理事会役員の選ばれ方

●マンション理事会役員はどうやって選ばれるの?

マンション管理組合の役員、つまり理事会は、管理組合の過半数が集まる年1回の総会で決めるのが一般的です。
理事の選出は、立候補か推薦、または管理組合員が順番に理事をやっていく輪番制になっています。
立候補や推薦の場合、1戸1票の投票で結果が決まり、輪番制の場合はいずれ自分にも理事が回ってくるという仕組みです。
また、理事会役員は原則年1回の総会で任命されますが、前任者が急にマンションを売って引っ越した場合など、理事が足りなくなったときは臨時総会を開いて補充します。

●役員選出時の投票権について

マンションの理事会役員を選ぶ上で、重要なのが各戸につき1票の投票権です。
マンション管理組合の理事会が開く総会は、マンション全体の管理方針やお金の使い方などを決める場所です。
一部所有者の意見でマンション全体の方針が決まると、管理組合を私有化されてしまうリスクがあるため、総会の開催には「投票券を持つ所有者の半数以上の出席」が必要です。
必要数に満たない場合は、総会を延期することになり、理事が決まらなかったり翌年度の予算分配が決められなかったりするため、マンションを買ったらできるだけ総会に出席しましょう。

なお、総会を欠席する場合は、事前に配られる「議決権行使書」に署名して理事会に提出するか、代理人への委任が必要です。

●マンション理事会役員の任期

マンション理事会の役員は、多くの場合1年で変わります。
ただし、マンションによっては任期が2年、3年と長めに設定されているケースもありますし、推薦や立候補の結果、同じ住民が連続で役員をするケースも少なくありません。
輪番制を採用しているマンションの場合、マンションに住んでいる間に一度は理事をすることになるため、理事会の仕組みや仕事についても理解しておきましょう。

マンション理事会役員の役職と仕事を解説

●マンション理事会の主な役職一覧

マンション理事会の主な役職は、以下の通りです。

  • 理事長:総会の進行や管理会社とのやり取りなどを行う代表者
  • 副理事長:理事長のサポートや、理事長がいない間の代理を行う役職
  • 理事:会計担当や防災担当など、理事会の運営に必要な個別の業務を任される役職

また、理事会のメンバーとは別に、管理組合や理事会の業務が正しく行われているかをチェックし、問題があったら臨時総会を招集する「監事」という役職もあります。

●理事会・総会・臨時総会の開催

理事会の仕事は、マンションの管理について話し合ったり、予算の使い方を決めたり、住民から寄せられた苦情等について話し合ったりするための集まり、理事会・総会・臨時総会の開催と進行です。
おおよそ月に一度の理事会で、管理費・修繕積立金の支払い状況や管理会社からの報告などを共有し、年に一度の総会で、翌年の修繕計画や管理費の値上げ、理事の選出などを行います。
そのほか、緊急で何か決めなければならないことが起きた場合、臨時総会を開くというかたちです。

理事会のメンバーや理事会が決めた管理会社であっても、マンションの管理について好き勝手に決められるわけではありません。
理事会はあくまでも管理組合の代表なので、修繕計画を立てたり、設備のメンテンス業者を決めたりするときは、総会での議決が必要です。

管理組合を運営する上で良くあるトラブル

管理組合を運営する上で、良くあるのが住民間でのクレームやトラブルの対処。
基本的に、マンション内で起きたトラブルは、管理会社や理事会に相談が寄せられます。

  • 足音が気になる
  • ゴミ出しのマナーが悪い
  • 自分の駐車場に他人が車を停めている
  • 上階から水が漏れてきて部屋が水浸しになった
  • 管理費の未払い

といったトラブルは、理事会や総会の議題に上げて対応を決めるのが一般的です。
問題を放置すると、優良な住民が退去することになったり、修繕積立金が不足して建物のメンテナンスができなくなり、管理費や修繕積立金の値上げが必要になったりします。
マンションの資産価値と住みやすさを保つためには、トラブルが起きないルール作りや修繕計画の見直しが必要なので、マンションを買ったら管理組合や理事会の活動に参加した方が良いでしょう。

まとめ

マンションは管理が楽というイメージを持つ方もいますが、マンションを買ったら管理組合の加入が必須ですし、輪番制を採用している物件ならいずれ理事になる必要もあります。
マンションは、他の住民と協力して共用部分を管理していく不動産です。
自分の物件に無関心だと、管理組合の管理が不適切で物件の資産価値が下がったり、自分では重要だと思っているトラブルに十分な対応をしてもらえなかったりするリスクがあります。
マンションの適切な管理は自分の利益にもなるため、マンションを購入したら管理組合や理事会に協力しましょう。

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