築年数の古い一戸建てを解体して売るメリット・デメリットと解体費用の相場とは
2016.01.26自分の実家を相続した場合、更地にして売るためには自分一人では話を進める事ができません。不動産仲介会社、解体会社などの協力が必要になります。
その時に注意しなければならないのは、「それぞれに利害関係が生じている点を考慮して話を聞く」ことです。
例えば、解体会社からすると解体しなければ報酬をもらえませんので更地にする事をすすめます。また、不動産仲介会社からすると自分たちが報酬をもらえる可能性が高いのは「更地」か「そのまま売却」という点を考えて話をします。
もちろん、これらの会社は利益を追求しているので悪意があるわけではありません。
しかし、その選択があなたにとって利益があるかは別問題ということを考るべきです。
自分なりの答えを出すためには更地にするメリット、デメリットや費用面を知る必要があります。
更地にして売却するメリットとは?
更地にするメリットは3つあります。
●メリット1 早期売却の可能性が高まる
あなたが不動産を買う側になって考えればわかると思いますが、土地を探している場合に現地を見学したとすれば、古い家が建っているよりも更地になっている方が自分の新しい家をイメージしやすいと思います。
また、解体を自分が依頼しなけれなりませんので、費用面や解体会社の選定など面倒が増えると考えるでしょう。そうなると、購買意欲も薄れてくるのではないでしょうか?
しかし、更地でしたら実際に土地の中を歩きまわり、感覚的ですが土地の広さもわかりますので、建物の広さや駐車場についても具体的な考えることが可能です。
このように、買い主が自分の家をイメージできる更地であれば早期に売却が決まる可能性が高まると言えます。
●メリット2 行政機関から「特定空き家」という判断されない
最近、空き家問題が新聞やニュースで特集される事が増えました。
理由は、以前は空き家を放置していても放置者にとって大きなデメリットとなる要素がなかった為です。
若い頃から地方を離れて生活をしており、相続で実家を所有することになった人がそのまま家を放置していても何の問題もありませんでした。
しかし、2014年頃から以前のように古い空き家を放置する事が難しくなりました。今後も放置することは今よりも難しくなる傾向と考えてください。
では、なぜ放置が難しくなるかというと行政機関が空き家の所有者に罰金や撤去命令を出すことが可能となったからです。
その判断基準は各地方自治体で細かい違いはありますが、基本的には、
- 倒壊の可能性がある
- 衛生上の問題がある
- 近隣世帯に損害や迷惑をかける可能性がある
という根拠により判断されます。
今後は空き家を放置していれば、遅かれ早かれ行政より連絡が来ると考えなければなりません。
しかし、更地にすれば「特定空き家」と判断される事はありませんので安心して土地を所有できるので時間をかけて売却ができるでしょう。
●メリット3 近所から「売ってください」と言われやすい
自分の住んでいる近所に、子供を住ませたいと考えている親は多いです。
ただし、そのような考えがあっても緊急性がある話ではないので、そうなればいいな程度の気持ちだと思います。
しかし、近所に更地あれば一気に話が進む事も増えます。理由は更地の場合は目に付きやすく、解体のことを考えずに家を建てることができるからです。
また、この時に連絡先と電話番号を記載した看板を立ててもらうことを忘れないようにして下さい。
更地にして売却するデメリットとは?
更地にするデメリットは2つあります。
●デメリット1 想像以上の費用がかかる場合が多い
更地にするためには建物の解体が必要であり、その費用がかかります。
費用の目安については後述しますが、数十万程度では足りません。
そうなると、手持ちのお金を使わなければならないというデメリットがあります。
●デメリット2 固定資産税が増えてしまう
固定資産税の金額については、住宅が建っている場合には固定資産税の軽減措置を利用できます。
しかし、更地にしてしまうとこの軽減措置が利用できません。
では、どのくらい税金が増えるかの目安ですが「3倍~4倍」と考えて下さい。
一部の情報には、更地にすると「固定資産税が6倍に増える」という内容を見るかと思います。
しかし、実際には6倍になるケースはほとんどありません。更地にすると3倍~4倍という認識を持って下さい。
例をあげると、家が建っている場合に固定資産が年間15万なら、更地にすると50万円位になってしまいます。
家が建っていると毎月約1.2万円の支払いですが、更地の場合は毎月約4万円の税金を支払うことになり、大きなデメリットと言えます。
一戸建てを解体する費用の相場
では、実際に解体する場合の費用ですが仙台の場合では、1坪約1.8万円~3万円で依頼を受ける業者が多いです。
もちろん、料金は安いに越したことがありませんが道幅が狭い場合、解体に支障をきたす要因のある家では追加料金が発生しますので注意しなければなりません。
また、激安を売りにしている解体会社などは基本料金に含まれる内容を最低限にしており、実際には基本料金だけでは足りないというケースもあります。
そのような見積もりを出してきた解体会社は信用できませんので、最終的な見積もりが少し安くとも依頼すべきではないでしょう。
まとめ
早期の売却を考えている場合は、更地にする方がメリットは大きいと思われます。
しかし、5年~10年後に売却を考えているのであれば更地にする事による固定資産税を考慮しなければなりません。
近いうちに売却する意思がなく、家の状態が良いのであれば空き家の管理をしてくれる業者に依頼する方がコスト的には安くつくケースが多いと思います。
更地にする場合は、売却時期、費用面を考えた上でどうするか判断を決めることをおすすめします。