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不動産査定前に路線価で金額を算出しましょう

2016.02.29

金額を算出

路線価は相続税や贈与税などで課税される不動産の価値を算出するものです。

路線価はあくまでも課税のためのものなので、実際に取引される価格とは少し違うのですが、路線価を使った計算方法を覚えれば、ある程度の査定を自分で行うことができるようになります。

今回は路線価の内容と、路線価図から相場を算出する方法、そのメリットについてお伝えします。

路線価をご存知ですか?

不動産の売買価格は、売り手と買い手の希望が合致してはじめて決まるものですが、ある程度の相場は存在します。

実際の取引価格はさまざまな事情が関わるため、実際に売買に携わっている不動産業者に聞くのが一番ですが、ある程度の相場は自宅でインターネットを使って調べることができます。
その方法が路線価を使って相場を算出する方法です。

路線価は、相続税や贈与税などで課税される不動産の価値を算出するものです。

路線価は、税務署が道路に値段をつけたもので、その道路に面した土地の面積と路線価を掛け合わせたものが、その土地の価値の指標となります。

路線価を使った金額の算出方法

路線価が記載された路線価図は、税務署で閲覧することができますが、現在はインターネットでも閲覧することができます。
インターネットにある路線価図で、売却したい不動産がある付近を調べてみると、上記のような図が表示されます。

路線価図では、道路に470Cといった数字とアルファベットが書かれています。この内、数字が1平方メートルあたりの価格で、単位は千円です。

売却したい不動産が470Cと書かれた道路に面している場合、その土地の面積が200平方メートルであった場合は、200平方メートル×470千円で、9,400千円の価値があると考えることができます。(実際には、土地の道路への付き方や土地に奥行があるかどうか等で補正をします。)

なお、土地の相場はよく坪単価で表されますが、坪数は平方メートル×0.3025という計算式で算出することができます。この場合、470×0.3025=約142千円が坪単価だと考えることができます。

●借地権割合を示すアルファベット

路線価図で数字の後ろについているアルファベットは、借地権割合を示しています。

記号 借地権割合
A 90%
B 80%
C 70%
D 60%
E 50%
F 40%
G 30%

Cの場合、借地権割合が70%なので、同じく200平方メートルの土地の場合、200平方メートル×470千円×70%=6,580千円が同土地の借地権の価格となります。

残り30%の2,820千円が土地の所有者が持つ価値となります。
もちろん、通常の不動産売買で所有権しか持たない場合には借地権割合を計算する必要はありません。

●路線価と市場価格の関係

先にお伝えしたように、路線価は市場価格とは違います。
しかし一般的に土地の市場価格の7割~8割が路線価の価格となると言われています。

仮に市場価格の7割が路線価だとした場合、路線価を調べるだけでその土地の市場価格(=取引価格の相場)を知ることができます。

同じ土地を例にとると、200平方メートル×470千円=9,400千円が路線価による価格なので、この価格を70%で割ると、9,400千円÷70%=約13,400千円が、この土地の市場価格の相場だと考えることができるのです。
なお、同じ要領で坪単価を調べる場合、470×0.3025=約142千円が路線価の坪単価ですが、これを70%で割ることで市場価格の坪単価を調べることが可能です。

計算すると、142千円÷70%=約202千円と、市場価格の坪単価を算出することができます。
この価格は、路線価から求めた推定価格ですが、実際の取引価格の相場とそう変わらないことも多いです。

実際の取引価格を調べるには不動産に関する知識や経験、膨大な資料が必要ですが、路線価を使うことである程度の制度で相場を調べることができます。

路線価で金額を算出するメリットとは?

不動産の売買前に路線価で金額を算出するのは、いくつかのメリットがあります。

●自宅のインターネットで気軽に相場を知ることができる

不動産の売買を検討しているものの、不動産会社に物件を持ち込むと、しつこく営業されそうで、しり込みしている方もいるのではないでしょうか。

路線価による不動産価格の算出は、自宅でインターネットを利用して簡単に行うことができます。
特にローンを組んで購入した物件を売却する場合など、ローンの完済のために手持ちの資金がいくら必要かといったことを事前に調べておくと検討違いの計画を立てないで済みます。

●不動産会社の価格査定の根拠を探ることができる

不動産の売却の際には最初に不動産会社に価格査定を依頼することになりますが、複数の不動産会社に査定を依頼した場合には、各社違う査定結果を出してくる場合もあるでしょう。

この時、ついつい高い査定価格を出した不動産会社を選んでしまいがちなのですが、必要以上に高い査定結果を出してきた不動産会社は、実際に売却を始めた後に、うまく売却につながらずどんどん値下げを要求してくる会社かもしれません。

価格査定の際には、どうしてその金額なのかの根拠を聞くことが大切ですが、その根拠を聞くにあたって自分である程度の価格の相場を知っておくと納得感を持って聞くことができるでしょう。

●価格交渉の際に自信を持ってノーと言えることができる

価格査定が済んで売却を依頼する不動産会社を選んだ後、実際に売却活動をするのは不動産会社ですが、不動産会社はうまく売却活動が進まないと最初の査定価格から値下げを要求してくることがあります。

ここで、路線価を使ってある程度の相場を知っておくと自分で考えた上でイエスかノーかを決めることができます。
また、実際にその不動産を買いたいお客様が現れた場合、最後に価格交渉が行われることがよくあります。

この時、例えば100万円下げないと購入しない、と言われたら、その人を諦めて次にいくのか、100万円値下げしてでもその人に売却するのかという決断を迫られることになります。

こうした場合にも路線価を使ってある程度の相場を知っておくと判断基準を持つことができるでしょう。

まとめ

路線価は、自宅にいながらインターネットで土地の相場を調べることのできる便利なものです。

実際の取引価格にはさまざまな要素が加わるため、不動産会社と同じ精度の査定価格を出すことはできません。

しかし、特に初めての売却の場合には自分の中でモノサシを持っておく意味でも、一度は路線価を利用して相場を算出してみると良いでしょう

 

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