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不動産査定書の金額で依頼先を決めないほうが良い3つの理由

2016.03.01

不動産査定書の金額で依頼先を決めないほうが良い3つの理由

複数の不動産会社に査定を依頼した結果、同じプロでも査定価格にばらつきがあるのは良くあることです。

査定結果にばらつきがある場合、よくあることが、ついつい高い査定価格を出した不動産会社と媒介契約を結んでしまうこと。

売主の気持ちを考えれば当然のことなのですが、依頼先を決める時はよく考えないと落とし穴に落ちてしまう可能性があります。

不動産査定書の金額が高ければ、売れるのか

不動産の価格は、できるだけ高く売りたいという売主とできるだけ安く買いたいという買主の、お互いの譲歩したところで価格が決まるものです。

ここのところを理解したら、高い査定価格を出す不動産会社に依頼を出したくなる売主の気持ちも分かりますが、ただ高いだけの査定価格では買主の希望に沿わないということが良く分かるのではないでしょうか。

査定額の根拠を聞くようにしましょう

もちろん、必ずしも高い査定価格の不動産査定書を出す会社が悪いかというとそうではありません。

不動産会社に価格査定を依頼した時は、不動産査定書を貰う時に最近の市場動向等と共に、その価格の根拠を必ず聞くようにしましょう。具体的には、その不動産会社がどのような集客ツールや顧客を持っていて、どのような層に売り込んでいくのか。
過去にどのような実績があり、今回売却する不動産と似たような案件が似たような価格で売れているのかどうか、などを確認すると良いでしょう。

その査定価格の根拠がしっかりしたものであれば、査定価格が高くとも売却の依頼を検討しても良いでしょう。

●不動産査定書の金額で依頼書を決めない方が良い3つの理由

理由その1 媒介契約を獲得するために高い査定価格を出す不動産会社が存在する

査定価格の根拠を聞かず、ただ査定価格が高いだけの不動産会社に売却を依頼した場合どのようなことが起こるでしょうか?

まず、不動産の仲介をメインに行っている不動産会社は売却仲介の依頼を受けることができなければ飯のタネを逃すことになります。
そこで、売主の、高い査定価格になびいてしまう気持ちを利用して、相場よりも高い価格の不動産査定書を出すということをする会社も存在します。

理由その2 ただ相場よりも高い査定価格では、値下げされるだけ

仮にそうした理由で出された査定価格を元に売却を始めたらどうなるでしょうか。売れないまま月日だけが流れ、売れないと売却価格を下げざるを得ません。

一度媒介契約を獲得した不動産会社は不動産を売却することができなければ売上につながらないので、相場よりも高い不動産価格の値下げを要求してくるでしょう。

理由その3 不動産に売れ残り感が出てしまうと、さらに売れにくくなる

こうして、もともとの査定価格と同じかそれよりも低くなったころには無為に数カ月が過ぎていることでしょう。不動産は長く広告等に掲載されていると売れ残り感が出てしまい敬遠されてしまう傾向にあります。

ここで気づいて不動産会社を変えることができても、無駄に過ぎた数カ月は取り戻すことができません。

もちろん、このような不動産会社ばかりではありませんが、ただ高い価格が高いだけで依頼先を決めてしまうとこのような事態が起こらないとも限りません。

地元密着型の不動産会社が強い理由とは

実際に不動産会社に査定を依頼する場合、どのような点に注目して会社を決めると良いのでしょうか?

不動産会社には大きくわけると広域型の大手不動産会社と、地元密着型の不動産会社があります。

地元密着型の不動産会社の中にも、地元で大手の不動産会社や駅近の会社、町の小さな不動産会社などありますが、現在強いのはこれらの地元密着型の不動産会社です。これには不動産会社特有の理由があります。

●不動産会社の営業力は担当者レベルで決まる

一般的に大手の会社は一定の質が確保されているなど安心感があるので、大手不動産会社に最初に足を運ぶ方もいるようですが、こと不動産会社においては大手だからといって安心とは言えません。

確かに大手不動産会社は地元密着型の不動産会社と比べると売却のツールが揃っているなどメリットもありますが、最終的に不動産の売買の成否を決めるのは、担当営業スタッフを信頼できるかどうか、といった気持ちの問題であることが多いものです。

地元密着型の不動産会社に在籍している営業スタッフの多くはその地域出身で、地元の情報に詳しいという特徴があります。一方で大手不動産会社の営業スタッフは転勤が多く、またその地域出身でないことがほとんどです。

大手不動産会社のように、いつかは転勤してしまう営業スタッフよりも、永くその地域にいて、信頼のできる営業スタッフから購入したいと思っている方も少なくないでしょう。

●インターネットの登場で埋まった情報力の差

大手不動産会社の強みは豊富な資金力を元に広告宣伝等に大きな費用を使い、それにより豊富な情報を持っていることが挙げられます。

ところが、インターネットの登場により簡単に情報を取得することができるようになった今では、広告宣伝費をかけて得られる類の情報より、昔から賃貸管理などを通してつながりのある地主の情報など、表には出ない情報を持っていることに価値があります。

地域密着型の不動産会社で、小さいながらも生き残っている会社はこうした情報をうまく活用しています。

実際に複数の不動産会社に査定を依頼してみましょう

上記で説明した内容を頭に入れたら、実際に3社程の不動産会社に価格査定を依頼してみると良いでしょう。

ここでは大手不動産会社も候補に入れても良いかと思いますが、大手の知名度やブランド力を元に依頼先を決めることは避けます。

査定後、不動産査定書の説明を受ける際にはその価格の根拠を聞くとともに、販売方法についてなど質問をして、一番信頼のおける回答をした不動産会社を決めると良いでしょう。一般媒介契約であれば複数の会社に同時に売却を依頼することもできます。

まとめ

不動産の売買は多くのお金が動くので、買主も真剣です。

相場よりも不当に価格が高い場合、その価格がわずかでも運よく売れるということは稀です。

売却する側も、不動産会社に査定を依頼する時には担当営業スタッフの話を聞くだけではなく根拠を聞いたり、質問したりして勉強しながら取り組むと良いでしょう。

 

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