不動産査定に必要な書類をチェックしましょう
2016.03.01不動産の売買に詳しくない人は、どうしても査定をすること自体を不安に感じたり、面倒に感じてしまいがちです。
ただ、査定してもらう側としては「書類を見てもらい」、「物件を確認してもらう」だけで価格がでてきます。このうち、実際に必要な作業は書類を揃えることだけ
では、どんな書類が必要なのでしょうか。このページでは、不動産査定時に必要な書類について、詳しく紹介していきます。
簡易査定と訪問査定。その違いは?
不動産業者に売却相談を持ちかけると、たいていの場合、まずは査定を勧められます。その方法としては簡易査定と訪問査定の2種類があります。
簡易査定とは、机上査定とも言われているもので、実際に物件を見ることなく、その情報だけで査定してもらう方法。30分~1時間程度で、物件の評価がわかります。
特に書類が無くても物件が特定できてさえいれば大まかなところは確認できるので「不動産売却は初めてなので不安」という方は、まずはこちらをお願いして見ると良いでしょう。
簡易査定でも、詳細な評価を知りたい場合などは登記事項証明書や公図を要求される場合もあります(詳細は後述)。
「いきなりそこまで情報を出したくない」という方もいると思いますので、その時の必要に応じて判断するようにしましょう。
不動産業者の営業所で済ませられる簡易査定に対して、訪問査定とはその名の示す通り、実際に物件を訪れ、手持ちの情報と併せて査定していく方法。
こちらはより現実的な評価を得られますが、その物件に関しての書類を揃えて渡す必要があります。
はじめに簡易査定をしていても、その不動産業者との契約することになれば、訪問査定が必要になります。
もちろん、初めから訪問査定してもらう手もあります。
しかし、業者との相性や好みもあるでしょうから、「いくつかの業者を比較してみたい」という場合は簡易→訪問という流れにしておくほうがベターでしょう。
訪問査定の調査内容を知っておきましょう
訪問査定では物件の何をチェックするのでしょうか。不動産業者によって方法は様々ですが、ここでは基本的なところを押さえていきましょう。
不動産会社が現地に入ると、まずは接道状況を見ていきます。
これは建築基準法上の接道義務を確認するため。土地の中には接道状況によって「いまは建物があるけれど、新しくは建てられない」というものもあり、査定に大きく影響する所だからです。
同様に査定を左右するポイントとして給排水、電気・ガスの状況、また、土地・建物の利用実態をチェックしていきます。現地で不動産業者が確認するのはこんなところです。
「えっ、それだけ?」と思うかもしれませんが、残りの部分は物件に関する書類を確認しながら進めていくのです。
具体的には、法務局と市役所、それぞれを確認していきます。
法務局では登記情報など権利関係を、市役所では都市計画法・建築基準法など法律関係の情報を得ることになります。
最後に他の売買事例を集め、それら全体をまとめて不動産業者としての査定結果を算出しています。
法務局で取り扱う書類については査定前に準備しておく必要があります。
訪問査定に必要な書類は?
さて、訪問査定の際には、必要な書類を紹介していきましょう。
まずは「登記事項証明書」です。その土地の用途や面積、権利者などが掲載されている書類で、これを見ることで不動産業者は物件の詳細な情報を掴んでいきます。
以前は「登記簿謄本」と呼ばれていたもので、デジタル化によって現在は登記事項証明書となっています。
ちなみに登記事項証明書には「全部事項証明書」と「現在事項証明書」があります
『全部事項証明書』は、抹消された事項を含めて現在までの全てが記載され、登記の履歴が記載してあります。
『現在事項証明書』は、現在有効な内容のみを記載してあります。特別に指定が無ければ全部事項証明書を取っておけばよいでしょう。
また「公図」も準備しておく必要があります。土地の位置や形状、地番などが表示されているもので、査定では住宅地図等で代用する場合も。
このあたりは不動産会社次第ですが、登録事項証明書と同様に法務局に行けば取れますので、一緒に取っておくと手間が省けますね。
最後に、建物を査定してもらう場合には、その詳細書類が必要となります。例えば、重要事項説明書や売買契約書、設計図書などです。
こういった書類は購入時に不動産会社から手渡されるもので、ファイルにまとめられていることがほとんどです。
登録事項証明書と公図は法務局に行けば取れるのに対して、建物の詳細書類は家の中で保管されているものです。
なので「どこにあるのか忘れてしまった」という方はあらかじめ探しておき、どうしても見つからない場合は購入した不動産会社に連絡してみましょう。
契約時に必要となる書類は?
査定時に必須ではないものの、不動産業者から求められる可能性のある書類も紹介しておきます。
まずは測量図。これにはいくつか種類があります。
土地には必ず隣地との境界がありますので、それらの所有者が立会いのうえで、公有地との境界については官民査定を実施する「確定測量図」。官民査定を省略した「現況測量図」。分筆登記用の「地積測量図」などです。
また、登記済権利証という、法務局から物件の所有者に交付されていた書類もあります。
これは登記申請の真実性を確認するもので非常に重要なもの。盗難や紛失があっても再発行はされない。司法書士等による本人確認制度を使って登記申請しなければならなくなる。
登記済み権利証は現在では廃止されており、平成18年以降は英数字と番号を組み合わせた「登記識別情報」に切り替わっています。
これらは査定時に直ちに必要となるものではないのですが、その後、話が進んで売却する(契約を結ぶ)場合に必要となります。査定のタイミングで確認しておくと後が楽になるでしょう。
不動産査定は積極的に活用しましょう
いくつか訪問査定時に必要となる書類を紹介してきました。土地に関して言えば「登記事項証明書」と「公図」があれば十分です。
これらは法務局に行けば簡単に取得できますし、最近ではオンラインでも発行可能。
査定価格は契約時の価格に反映される大切な情報です。
不動産だからと「難しい、面倒だ」と考えず、売却を考えた際は積極的に「簡易査定」や「訪問査定」を活用しましょう。