電話での簡易査定時に伝えるべきポイントとは
2016.03.01不動産会社が行う査定には簡易査定と訪問査定の2種類があります。
通常、不動産の査定を受ける場合には簡易査定をしてから訪問査定を受けることになります。まだ売却するかどうかを決めていない場合等、簡単な査定で良ければ簡易査定だけを受けることもできます。
簡易査定と訪問査定
通常不動産会社の査定は簡易査定から訪問査定に進みますが、まだ売却するか決まっておらず、訪問してもらうほどではない、という方もいらっしゃるでしょう。
簡易査定のみを希望する場合は最初に電話でそのように伝えるようにしましょう。
● 簡易査定とは
簡易査定とは、机上査定ともいい、実際に売却する対象の不動産を確認することなく、価格の査定を行う方法です。
簡易査定では周辺の売却物件や過去の売買事例、地域の市場動向等により査定を行います。
不動産会社に足を運ばなくとも、電話やメール、ファックスで必要な情報を伝えれば査定を受けることができ、依頼から1時間程で査定額を聞くことができます。
● 訪問査定とは
訪問査定とは、実際に売却する対象の不動産を見に行き、道路状況や建物の状況、住宅設備機器の状況等を見て価格の査定を行う方法です。
訪問査定では現地調査をする必要があり、また権利関係を確認するために法務局に行ったり、法律上の制限を確認するために役所に出向いたりする必要があるため、時間がかかります。
簡易査定のメリットとしては電話やメールのみで完結させることができ、個人情報を相手に伝える必要がない点や、査定に時間がかからない点が挙げられます。
しかし、あくまでも簡易的な査定のため精度の低い査定となってしまう点には注意が必要です。道路状況や住宅設備機器の劣化など、マイナスとなりそうな情報があれば言葉で伝えるなり、写真を送るなりして対応すると良いでしょう。
簡易査定の際に伝える項目
簡易査定の際に不動産会社に伝えるべき項目があります。電話をする前に準備しておくようにしましょう。
● 物件の種別
売却する不動産が一戸建てなのか、マンションなのか、土地なのかを最初に伝えましょう。
それぞれで査定方法が異なります。また現在賃貸中など投資用の不動産の場合にも査定方法が異なります。
● 所在地
物件の所在地を伝えます。併せて道路状況や交通状況等周辺の状況も伝えることができれば効果的です。
登記簿謄本に記載されている所在地は地番といって住所とは異なるものです。地番と住所、両方分かるのであれば両方伝えるようにすると良いでしょう。
● 売却予定日
だいたいいつ頃までに売却したいのかを伝えます。
早く売りたい場合は相場よりも安い価格で売り出したり、ゆっくりでも良くて市場価値のある物件であれば相場よりも少し高い価格で売り出したりします。
マンションの簡易査定の際に伝える項目
● マンション名
マンションの場合、所在地を伝えなくても、マンション名が分かればそれで大丈夫です。
世帯数の多いマンションであれば過去の売買事例、最近の販売状況などのデータがあるはずなのですぐに査定価格が出ることもあります。
● 間取りと建物の広さ
階数と間取、建物の広さを伝えます。陽が当たる方角や住設機器等の利用状況も伝えると良いです。
● 角部屋かどうか
マンションの場合、角部屋かどうかで価格が変わります。角部屋の場合はその旨を伝えましょう。
一戸建て/土地の簡易査定の際に伝える項目
● 建物構造と築年月
売却する物件が一戸建ての場合には建物構造(木造や鉄骨造、RC造等)と築年月を伝えます。
一戸建てはマンションよりも価格が落ちやすく、古い建物の場合更地にしてからの売却も検討すると良いでしょう。最近リフォームをした等の情報があれば伝えると良いでしょう。
● 間取りと土地、建物の広さ
一戸建ての場合は部屋数と建物の広さを伝えましょう。建物の広さは購入時の契約書類や建築確認申請等の資料で確認することができます。
建物の方角や陽当り、それぞれの部屋の広さ等も伝えると良いでしょう。土地の広さは広すぎても狭すぎても買い手がつかない場合があります。広すぎる場合2筆に分割して売却するという方法もあります。
● 間口の長さや地形、接道状況
土地、一戸建て共に土地の間口の長さや地形、接道状況、前面道路の幅員を伝えます。
地形が悪かったり、間口が狭かったりと査定価格にマイナスとなりそうな要因であっても先に伝えることが大切です。道路は公道か私道かも伝えましょう。
マンションと違い、一戸建てや土地の場合、同じものが2つとなく、価格が個別の事情に左右されがちです。できるだけ多くの情報を伝えることが査定価格の精度を高めることにつながります。
電話で簡易査定を依頼する際に気をつけたいポイント
● 最初に簡易査定のみ依頼できるか確認すること
電話で簡易査定を依頼する時は、最初に簡易査定のみで対応してくれるかどうかを確認するようにしましょう。
不動産会社の中には電話のみの簡易査定に積極的でない場合もあります。電話の簡易査定を積極的に引き受けている会社の方が精度の高い査定結果を出してくれる可能性が高いでしょう。
● 気軽な依頼でも、気軽な雰囲気を出さないこと
簡易査定の利用方法としては、「いつかは売却したいけど今じゃない」といった理由でも構わないと思います。
しかし、不動産会社によっては今すぐに顧客にならないことが分かると何かと理由をつけて査定を断ってくる場合もあるでしょう。
それはそれで、そのような不誠実な対応をする不動産会社と縁を切る良い機会と見ることもできますが、折角電話をしたのであれば、実際はその気がなくとも、「良い対応をしてくれたら仕事を任せたい」という態度で話をすると良いでしょう。
まとめ
不動産の査定では色々な情報を確認して査定価格を算出しますが、マンションの場合や売買事例の多い地域の場合には電話のみの簡易査定でも精度の高い査定結果を得られることも少なくありません。
「将来の参考のために」といった気軽な理由な場合でも積極的に活用していくと良いでしょう。