ネットの不動産一括査定サイトを利用するメリット・デメリット
2016.03.01不動産を売却する際には誰しも「できるだけ高く売りたい」と考えているはずです。
そこで重要になるのが「できるだけ多くの業者に査定してもらう」ことなのですが、数ある不動産業者を一軒一軒回るというのは骨が折れる作業です。
このページではそんな手間を省くことができる「一括査定サイト」のメリット・デメリット、そして高額で売却するための有効な活用法について紹介していきます。
高く売るには複数社の査定が不可欠
「不動産を高く売却するにはどうすればいいのですか?」という質問を受けることがありますが、これに対する回答は「相場観を知ること」となります。
そもそも不動産と言うのは一物一価のもので、「他の土地に対して…」とか「隣の建物に対して…」という比較はできません(法律用語で「特定物」と呼ばれています)。
では「何に対して高い」のかを考えていくと、それは「他社の査定に対して高い」ということに他なりません。
つまり、それぞれの不動産業者の査定結果がなければ「高い、安い」という議論のスタートにすら立っていないことになります。
まず何よりも重要なことは「いくらくらいで売れるのか」という相場観を把握することであって、それには一社だけの査定額では不十分です。
しかし「目に付いた不動産業者すべてに査定してもらう」ことも現実的ではありません。不動産を取り扱う業者は日本国内に数えきれないほど存在しており、その全ての門を叩こうとする方はいないと思います。
不動産の売却を考えている方には「必要に迫られて売る」というケースが多く、売却完了までにスピード感が求められている方もいることでしょう。
そこで活用したいのがインターネット上でできる「オンライン一括査定サイト」です。
物件情報をフォームに入力すれば、数社の査定をまとめて受けられるサービスで、不動産情報サイトで確認することができます。
一括査定サイトのメリットは?
簡易査定の際に不動産会社に伝えるべき項目があります。電話をする前に準備しておくようにしましょう。
それでは一括査定の流れについて、紹介していきましょう。
査定希望者がサイトのフォームに、査定を依頼する不動産の面積や住所などの情報を入力すると、そのサイトが契約している不動産業者の名前が複数社(おおよそ3~10社程度)出てきます。
その中から査定を依頼したい業者を選択すると、後でその業者の担当者から査定結果が通知されます。通知方法はメールか電話を選択できるところが多いようですね。
こういったサイトを利用することのメリットですが、大きく分けて3つあると考えられます。①時間短縮、②手間削減、③経済コスト削減です。
①時間短縮
従来であれば複数社の査定を取る際は「一軒一軒不動産業者を回って、その都度業者の査定結果を待つ」ということしなければなりませんでした。
しかし、一括査定サイトを利用することで、同時に査定を進行することができるようになりました。
②手間削減
②の手間削減についても①と同様。不動産に関しての情報を逐一業者に伝えなくても、一度伝達すれば複数社に伝わることで、面倒を省いています。
また、インターネット上でのことですので、わざわざ業者の所在地まで行くこともありません。「顔を合わせた後では断りにくい」なんていう方にも利用しやすいですね。
③経済コスト削減
③は①と②の副次的なメリットですが、出かける必要もないということは交通費等の経済的なコストもかからないということです。
加えて言えば、この一括査定サイトの利用は基本的に無料。そういった面でも、不動産売却への第一歩としては利用しやすいサービスであると言えます。
一括査定サイトのデメリットは?
ここまで一括査定サイトのメリットをピックアップしてきましたが、残念ながらデメリットもありますので、紹介しましょう。
査定依頼後は電話が鳴りやまないといったケースがよくあります。
不動産業者が一括査定サイトから物件情報と依頼を受け取ると「他社より先に連絡をして優位に立ちたい」という心理が働くためです。人によってはこういった連絡を鬱陶しく感じてしまうことも。
しつこく営業を受けて嫌気がさしたなんていうケースもありますし、必要のないダイレクトメールが送られてくることもあります。
こういったトラブルを避けるためにも、査定を申し込む際には注意事項や約款等をよく読んでおくことが重要です。
また、一括査定サイトの「一括」は決してすべての不動産業者を指しているわけではないこともポイントです。
こういったサイトに登録しているのは大手や中堅の業者が多く、地元密着の業者まではフォローしきれていません。
そして、「査定はあくまでも査定」であることも頭に置いておきたいところ。
いくら査定額が高く提示されても、そのまま契約できるわけではありません。実際には訪問査定によってより詳細な金額を出してから契約に移行することになります。
査定額=契約額ではないことを覚えておいてください。
一度は地元密着の業者へ
一括査定の長所・短所を把握した上で、どのように活用すればよいのかを見ていきたいと思います。
最初に書いた通り、一括査定サイトを利用する最大の目的は「相場観を知る」ことにあります。
サイトを利用して複数社の査定額を知ることで、最低限の相場観は抑えられたはず。
ここまできたら、今度はサイトには登録していない、地元密着の不動産業者を訪ねてみましょう。
というのも、そういった業者は地域とのつながりで、大手不動産業者にはない情報や人脈を持っている可能性があるからです。
場合によっては、サイトで出た査定結果よりも高額な見積もりをもらえる可能性も十分にあります。
大手と違って、担当者が入れ替わりが激しくないところも、信頼感を高めてくれますね。
取っておいた査定額を比較対象に交渉もできますし、仮にそこで条件が合わなければ、一括査定した業者の中から一社を選ぶという手もあります。
いずれにしろ、一度は地元密着の業者へ足を運んでみるのが高額売却のコツです。
ひと昔前は、高値買取りを目指すのも複数社を歩いて回るいわゆる「脚で稼ぐ」方法が基本でした。
今は一括査定サイトを使ってその時間を節約できますので、余った時間は不動産業者の選定に回せば、納得のいく不動産売却ができそうですね。
一括査定サイトも運営会社によって特徴や契約社数など様々ですので、まずはホームページをチェックしてみましょう。