分譲マンションは賃貸と売却、どっちがお得なのか?
2017.02.02分譲マンションから引越しをするというタイミングになった時には、その分譲マンションを賃貸に出すか売却するか迷う方もいると思います。どちらが良いかは一概には言えませんが、それぞれのメリット・デメリットはハッキリしています。
そこで今回は、分譲マンションから引越しなければいけなく、売却と賃貸どちらが良いか迷っている方向けに、それぞれのメリット・デメリットを解説していきたいと思います。
賃貸に出すメリット
1. 安定した収益を得られやすい
2. 今後居住するという選択肢もある
3. 時期を見て売却という選択肢もある
賃貸に出す一番のメリットは、賃貸収入による安定した収益です。不動産投資は他の投資と違い、大きく損失するリスクは少ないです。例えば株であれば、1週間で資産が半分になることはありますが、不動産投資はそこまでのリスクはありません。
また、賃借人がいる以上は、簡単に退去させることは出来ませんが、賃借人が退出するタイミングであれば自分が居住するという選択肢も増えます。
他にも、一旦賃貸に出しておけば、売却時期も自分で決められるというメリットがあります。不動産市況によっては「今はまだ売りたくない」という時期もあります。その時には一旦賃貸に出しておいて、不動産市況が良く高く売れそうなタイミングで売却するという事も可能です。
今保有している分譲マンションに戻る可能性があったり、今のタイミングで売却したくないという思いがあったりした場合には、一度賃貸するという選択肢を検討することをお勧めします。まずは、どの程度の賃料になるのかを査定してみると良いです。
賃貸に出すデメリット
1. ランニングコストがかかる
2. 赤字になる可能性もある
3. 賃貸管理の手間がかかる
4. 税金の優遇が受けられなくなる
賃貸に出すという事は、その分譲マンションを保有する事でランニングコストが発生します。具体的に言うと「管理費・修繕費」、住宅ローンを組んでいれば「ローン返済」が「月々」かかるランニングコストです。
更に、「年間」かかるランニングコストに「固定資産税」があり、賃借人の入退出の際には「補修費」がかかる事もあります。そのため、空室が発生して月々の収益よりもランニングコストが高くなった時などには、賃貸に出したことにより赤字を計上する場合もあります。
また、賃貸に出すと管理の手間がかかります。入退出時の立会いや、賃借人の募集。それに、確定申告をして利益がある場合には納税しなければいけません。これらは賃貸管理会社や司法書士に依頼する事も出来ますが、仮に依頼した場合には費用がかかってしまいます。
他にも、賃貸に出すと税金の優遇措置が受けられなくなるというデメリットがあります。例えば、後々売却した時に譲渡所得(売却益)が発生した場合などです。居住用の不動産であれば、譲渡所得は3,000万円まで控除※されます。しかし、一度賃貸に出すと特別控除を受けられなくなる場合があるのです。
※出典:国税庁ホームページ「マイホームを売った時の特例」
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm
売却するメリット
1. 一括で手元に資金が入る
2. 賃貸に出すのように継続的な手間がかからない
3. 税金の優遇が受けられる
売却するメリットは、売却価格にもよりますが、売却に成功した場合は一括で手元資金が入ります。今後の生活費の足しにしても良いですし、新たな投資をするという選択肢を取ることもできます。
また、先ほど言った賃貸に出す時にかかる「手間」が売却の時はかかりません。売却する時には査定をしたり、見学者に家を案内したりする必要がありますが、売却を一度完了してしまえばそれ以上の手間はかかりません。
他には、先ほど言った賃貸に出した時とは違い、賃貸に出す前に売却すれば税金の優遇措置を受けられます。仮に、売却して大きな利益が出れば、100万円単位で税金がかかることもあるので、優遇措置は大きなメリットになります。
売却するデメリット
1. 時期によっては手持ち資金の捻出が必要になる
2. 継続的に収益を上げる事は出来ない
3. 一度手放すと同じマンションには中々住めない
分譲マンションの売却価格は、不動産市況や周辺環境などの「売る時期」によって上下します。そのため、市況が悪かったり競合環境が悪かったりする時期には、売却金額が安価になってしまう場合があります。
もし、売却金額が安価になってしまい、住宅ローンを完済できなかったり、売却時の諸費用を賄えなかったりする場合には、手持ち資金を捻出しなければいけません。
また、賃貸に出し運用が上手くいけば、毎月継続した収益を上げる事が出来ます。しかし、売却してしまえば決済は一度だけなので、それ以上収益を上げる事は出来なくなります。
更に、そのマンションを手放してしまうので、今後同じ部屋やマンションに住みたいと思っても、タイミング良く売り出し物件が無い限りは不可能です。
まとめ
このように、分譲マンションを賃貸に出す場合にも売却する場合にも、それぞれメリット・デメリットがあります。不動産市況であったり、分譲マンションの所有者の事情であったり、状況によって賃貸と売却のどちらが良いかは変わります。
一番の決め手になるのは「物件管理」になりますので、賃貸に出した後の管理の手間が惜しければ売却することをお勧めします。