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ローンが返済できなくなったらどっちがお得?競売と任意売却の違い

2018.01.01

売却

住宅ローンの返済ができなくなってしまった場合、最終的に家を売ったお金で返済をしなければなりません。ローンが残っている家の売却方法は、「競売」と「任意売却」の2種類です。

今回は、なぜ住宅ローンの返済ができないと家を売ることになるのか、競売と任意売却の違いは何なのかについてまとめました。

住宅ローンを滞納すると最終的に家を売ることになる

住宅ローンを3ヶ月滞納すると、金融機関はローンの回収に動きます。大手銀行でローンを組んでいる場合、契約時にローンができないときの肩代わりをしてくれる保証会社と契約しているので、一度、保証会社に請求が行き、保証会社から契約者へと請求が来るわけです。

フラット35やインターネットバンキングなど、保証会社と契約をしていない金融機関で住宅ローンを組んでいる場合は、直接契約者のもとへローンの完済を迫ってきます。条件つきで分割払いを認めてくれる場合もありますが、基本的に滞納後の住宅ローン返済は「一括」です。

住宅ローンの担保は家そのものなので、お金を用意できなければ家を売ってお金をつくることになります。

家を売る手段は「競売」と「任意売却」の2種類

ローンが残っている家を売る方法は、「競売」と「任意売却」の2つです。「家を売ってその代金をローンの支払いに当てる」という点ではどちらも同じですが、競売と任意売却では住宅の売却額と精神的な負担が大きく違います。

まずは、競売と任意売却についての基本を押さえて、それから両者の違いを見ていきましょう。

●競売とは

競売は、債権者が裁判所を通して家を差し押さえ、売る方法です。住宅ローンが残っている家には抵当権がついています。抵当権とは、住宅ローンの返済が滞ったら家を担保として差し押さえ、競売にかけて売却し、その代金をローンの補てんに当てて良いという権利です。

抵当権の行使に、契約者の意思は関係ありません。債権者が裁判所に申し立てを行えば、裁判所が家の売却額等を調査したうえで競売をすると告知し、家が欲しい人を集めて売却します。

●任意売却とは

通常、ローンが残っている不動産は売却できません。ただ、お金を貸している金融機関がOKを出せばローンが残ったままでも家を売却できます。これが任意売却です。

基本的に、不動産会社を利用して家を売ることになります。

競売と任意売却の違い

競売と任意売却の違いはいくつかありますが、大きな違いは、

・家の売却額
・精神面の負担

の2点です。

●競売と任意売却では家の売却額が大きく違う

競売物件は、相場よりもずっと安い金額でしか売れません。大雑把な目安でいうと、売却額は市場価格の5~7割程度になります。どうして競売だと安いのかというと、通常の不動産と違って不利な条件をいくつも抱えているからです。

  • 借金のかたとして差し押さえられているので住人が非協力的(内覧などが難しい)
  • 競売だと確実に手に入るかどうかわからないので住宅ローンが組みづらい
  • 場合によっては購入者が前の住人を追い出すための費用もかかる
  • 売り主が不動産会社ではないため瑕疵担保責任がつかない

以上のような事情から、競売だと家は買い叩かれてしまいます。
家が安く買い叩かれるということは、家を売ってもローンがたくさん残るということです。

競売は、住宅ローンを滞納する人から強制的にローンを回収する方法なので、残ったローンの返済は一括で取り立てられることになります。家からは追い出され、家がないのに住宅ローンを返済しなければならないのです。

また、競売に必要な手数料や引越し費用もすべて自分で負担しなければなりません。一方、任意売却ならうまくやれば市場価格通り、もしくは市場価格以上の金額で家を売ることも可能です。

家が高く売れればローンの完済もできますし、引越し費用も用意できるでしょう。

●競売と任意売却における精神的な負担の違い

競売は裁判所が行う公的なものなので、「いつどこでどの家を競売にかけるか」という情報が公開されます。住宅について周辺住民に聞き取りが行われたり、競売情報を見た不動産業者が値踏みにやってきたりするため、精神的な負担も大きいです。

また、競売には自由意志がないため、「追い出される」「家を取られる」という気持ちが強くなることも負担になるでしょう。

任意売却だと、自分の家を自分で売るだけです。ほかの人には事情もわかりませんし、家を手放すといってもローンを完済するために前向きに動くことになるので競売に比べると精神面の負担はそれほどありません。

まとめ

競売は家を差し押さえられて売る方法、任意売却はローンをきれいにするために自分から家を売る方法です。精神的な負担が違うだけでなく、家の売却額も任意売却の方が高くなるので、住宅ローンの返済に行き詰まったときは任意売却を考えましょう。

任意売却をする場合、債権者がしびれを切らして競売を始める前に買い主を見つけなければなりません。短期間で家を売るなら、地元密着型の営業をしている不動産会社の協力は不可欠です。地元の企業に相談しましょう。

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