住み替え基礎知識!一戸建ての住み替えにかかる費用の相場はいくら?
2018.03.22一戸建てからの住み替えでは、新居を買う予算の10%から20%ほどの諸経費が必要です。住み替え費用のことを忘れて住み替えを進めると、資金繰りがどこかで行き詰まってしまいます。
そこで、今回は一戸建てから住み替える場合、どういう費用がいくら必要なのかを調べてまとめてみました。ぜひ参考にしてください。
一戸建てを売るために必要な費用
一戸建てを売るために必要な費用のまとめです。順番に見ていきましょう。
●印紙税
不動産の売買契約書をつくる場合、取引額に応じた印紙税を納める必要があります。下は1万円から上は50億円を越えるものまで印紙税の基準額はさまざまですが、多くの一戸建ては「1,000万円以上5,000万円以下」の範囲に当てはまるので、そこだけ知っておけば問題はありません。
一戸建ての売却額が1,000万円以上5,000万円の場合、印紙税額は1万円です。本来なら2万円なのですが、平成30年の3月31日までは税が軽減されるため、半額の1万円ですみます。
●仲介手数料
仲介手数料は、一戸建ての売買を仲介する不動産会社に支払う費用です。取引額が400万円を越える場合、
・売却額×3%+6万円
を上限として仲介手数料を取ってよいと法律で認められています。
●住宅ローンの完済に必要な繰り上げ返済手数料
フラット35のように繰り上げ返済の手数料が無料という住宅ローンもありますが、多くの金融機関では繰り上げ返済時に手数料が必要です。一戸建ての住宅ローンが残っている場合、物件の売却額でローンの残債を完済するだけでは足りません。とはいえ、せいぜい2万円前後といったところなので、あまり心配しなくてもよいでしょう。
●抵当権抹消登記費用
住宅ローンは、土地建物に抵当権を設定して担保にすることで融資をしてくれるというシステムです。抵当権は登記に設定されているため、ローンを完済して一戸建てをつぎの持ち主に売るためには、抵当権を消す手続きをしなければなりません。
抵当権の抹消手続きを自分でする場合、必要な費用は土地・建物それぞれにつき1,000円と書類の郵送費だけです。ただ、必要書類をそろえるのが大変なので、2万円前後で司法書士に任せてしまいましょう。
●譲渡所得税
自宅を売ったお金であれなんであれ、収入を得た場合その収入に対して税金がかかります。なにかを売って得た利益に対する税金が、譲渡所得税です。ただ、自宅の売却益には3,000万円の特別控除が利用できます。確定申告は必要ですが、一戸建ての売却額が3,000万円を越えない限り譲渡所得税を納める必要はありません。
新居の購入関連費用
一戸建ての売却に関する費用につづいて、新居の購入関連費用もご紹介します。
●印紙税
新居を購入するときの売買契約書に必要です。多くの場合、1万円ですむでしょう。
●仲介手数料
不動産のオーナーから直接物件を買うといった場合でなければ、新居の購入時にも仲介手数料が必要です。
●管理費・修繕積立金
一戸建てからマンションに住み替える場合、マンションの共有設備(エントランス、廊下、エレベーター等)の管理費がかかります。また、マンションでは建物のメンテナンス費用として修繕積立金も必要です。どちらも1ヶ月ぶんのまとめ払いなので、日割りで計算すると両方を合わせて1万円前後です。
●固定資産税や都市計画税
固定資産税や都市計画税は、その年の1月1日に不動産をもっている人に納税通知が届きます。管理費等と同じように、新居を購入するときは日割りで精算しましょう。
●登記の費用
一戸建てを売るときに抵当権の抹消手続きが必要だったように、新しく家を買って所有権を登記するときにも費用がかかります。新居を住宅ローンで買う場合、登記の登録だけでなく抵当権の設定費用も自己負担です。
両方合わせて不動産の価額(固定資産税評価額であることが多い)の0.4%となります。
●火災保険料
火災保険料は、年間で1万円から2万円程度。キリのよい数字になっていることが多いです。
●住宅ローン関連費用
新居を買うとき、住宅ローンを組むためには融資手数料や保証料が必要になってきます。金額は金融機関によってまちまちです。手数料が数万円、保証料は借入額の2%というところもあれば、手数料は割高だが保証料はなしというところもあります。
●不動産取得税
不動産取得税は、不動産を購入したときにかかる税金です。
・固定資産税評価額×3%
が税率となります。
住み替え費用
最後は、住み替え時に必要な費用です。
●引っ越しと家具等の費用
一般的なケースでいうと、夫婦2人で15km以内の引っ越しであれば7万円前後の引越し料金がかかります。また、一戸建てからマンションに住み替える場合、収納スペースが減るため荷物の整理が必須です。家具の買い替え費用や粗大ごみ等不用品の処分費用も予算に含めておきましょう
まとめ
「一戸建てが1,500万円で売却できて、2,000万円のマンションを買う」ケースを相場に当てはめると、経費は新居の予算2,000万円の14%、約280万円かかる計算です。10%から20%の範囲に収まりました。
住み替えをする場合は、今回ご紹介した諸費用を予算に入れておくことが大切です。「費用のぶん新居の予算が減るのは嫌だ」という人は、現在住んでいる一戸建てをなるべく高く売りましょう。ただ、不動産の最適な販売戦略は時期や地域によって変わります。地元密着型の不動産業者に相談するのがおすすめです。