仙台市で「相続した空き家の譲渡所得 3,000 万円の特別控除」を申請する方法
2018.05.31仙台市で相続した空き家を売るなら、売却額3,000万円までなら譲渡所得税がゼロになる「特別控除」を利用しましょう。本来、空き家の売却時に必要になる税金を大幅にカットできれば、空き家を持て余している人も気軽に空き家を売却できます。
そこで、今回は仙台市にお住まいの方が利用できる、特別控除の利用条件や申請書類についてまとめました。
控除を適用してもらうために必要な条件とは
相続した空き家を売った場合、物件の入手にかかった経緯を差し引いた利益に対して「譲渡所得税」を納めなければなりません。ただ、納税は基本的に現金一括払いですし、空き家は立地などによって売却額が変わってきます。手数料などを考えるとほとんど手元にお金が残らないので、なかなか売却に踏み切れないという人も多いのが現状です。
一方、空き家の放置は安全上の問題や衛生面の問題などを引き起こしてしまいますし、なにより空き家として土地が放置されていると再開発ができません。国や自治体は、できるだけ空き家を減らしたいと考えています。
そこで用意されたのが、3,000万円分の特別控除。もともと、日本には「マイホームの売却時は黒字が出ても3,000万円まで控除できる税の優遇措置」がありました。しかし、家を相続しても自分たちで住まない人は利用できなかったので、空き家を相続した人でも気軽に空き家を処分できるよう、自治体ごとに税の特別控除制度が用意されたのです。
●特別控除の利用条件7つ
3,000万円の特別控除を利用する条件は、全部で7つあります。
1.空き家の売却を、
- 相続日から3年以内(3年後の12月31日まで可)
- 特例の適用期間である2016年4月1日~2019年12月31日まで
に終わらせること。
2.相続した空き家が1981年の5月31日以前に建てられたものであること。ただし区分所有建築物は除外。
3.被相続人(以前の持ち主)が亡くなる直前まで住んでいたこと。
4.被相続人が亡くなる直前まで、住んでいたのは被相続人だけであること。
5.相続した空き家を売却するまで、賃貸や住居として利用していないこと。
6.空き家の売却額が1億円以内であること。
7.譲渡する空き家が現代の耐震基準をクリアしていること。
もし、持っている空き家が7つの条件をクリアしているかわからない場合は、最寄りの税務署に問い合わせるか、もしくは頼りになる地元の不動産会社に見てもらいましょう。
申請に必要な書類まとめ
空き家などの不動産を売却して利益が出た場合、翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告を行う必要があります。「相続した空き家の譲渡所得3,000 万円の特別控除」を利用するためには、確定申告書類と一緒に最寄りの税務署へ「被相続人居住用家屋等確認書」を提出する必要があります。
●非相続人居住用家屋等確認申請書
「非相続人居住用家屋等確認書」を仙台市に発行してもらうための申請書です。空き家売却用の「様式1-1」と、空き家の解体をしてから更地を売却する場合に使う「様式1-2」の2種類があります。
書類は仙台市のサイトからダウンロード可能で、提出方法はアーバンネット勾当台ビル9階にある市民局市民生活課への郵送、ないし持参のどちらかです。
●被相続人の除票住民票の写し
区役所の戸籍住民課や、総合支所税務住民課等で発行してもらいましょう。
●空き家を相続した人の住民票の写し
除票住民票と同じ窓口で申請できます。相続から2回以上引っ越しをしている場合は、戸籍の附票の写しも必要です。
●売買契約書の写し
空き家の売却時に交わした、売買契約書の写しも必要になります。売買契約書に譲渡日の記載がない場合は、何月何日に空き家を売却したのかがわかる書類も揃えて提出します。空き家を売り出す際に頼る、不動産会社に頼んでコピーをもらいましょう。
●以下の書類のいずれか(一部でも複数でも可)
- 電気・ガスの閉栓証明書
- 水道の使用廃止届出書
- 広告書面の写し
その他、特別控除の利用条件を証明できる書類があれば申請書とともに提出します。電気や水道等の書類は各契約相手へ、広告書面の写しは、売買取引を任せた不動産会社にコピーしてもらいましょう。
●空き家を解体してから売却した場合に必要な書類
空き家を解体してから売却した場合は、別途以下の書類も必要です。
- 解体工事の請負契約書の写し
- 解体後の写真
- 固定資産税課税台帳の写し・固定資産税課税明細書の写し
契約書と写真は、解体工事の業者に頼みましょう。固定資産税に関する書類は、固定資産税の通知書のコピーを用意するか、区役所の税務会計科に足を運べば入手可能です。
まとめ
3,000万円の特別控除を利用すれば、空き家を売って得たお金を手元に残せます。ただ、申請をするためには、実際に空き家をできるだけ高値で売却しなければなりません。空き家によって、更地にしてから売った方が良いのか、そのまま売った方が良いのか、売り出し価格や広告の出し方はどう工夫すれば良いのかは異なります。地元のニーズを知っているのは地元の不動産会社なので、控除についての相談も含め、空き家の売却時は地域密着型の不動産会社を頼ると良いでしょう。