空き家を売却する際は解体する? メリットとデメリットを比較
2018.05.31
「空き家を解体せず、そのまま古家付きで売却する」
「空き家を解体して、更地にしてから売る」
果たして、空き家売却ではどちらの方がより高く売れるのでしょうか。立地や間取り、空き家のきれいさや設備の充実度、周辺地域の開発計画等によって最適な答えは変わります。ただ、せっかくならどちらの方が高く売れるのか、ある程度は自分で判断したいですよね。
そこで、今回は古家付きのまま空き家を売却するメリットとデメリット、解体してから売るメリットとデメリットをそれぞれご紹介していきます。
古家付きのまま売却するメリットとデメリット
空き家の売却において、一番手間がかからないのは解体等をせず、そのまま古家付きとして土地建物を売却してしまうことです。これまで自分や家族が住んでいた家を解体してしまうのは忍びない、解体費用等をかけるだけの余裕がないなど、さまざまな事情があって家は売りに出されます。まずは、古家付きのまま売却するメリットとデメリットを押さえていきましょう。
●メリット
空き家をそのまま売る場合のメリットは、
- お金がかからない
- すぐに空き家を売りに出せる
以上の2点です。空き家をリフォームしない場合、解体費用は一切かかりません。手持ちのお金をあまり使わずに空き家を処分できるので、予算の関係で出費が厳しい場合は古家付きのまま売却した方が良いでしょう。
また、解体工事そのものが行われないため、空き家から必要な荷物を持ち出してしまえばすぐにでも家を売りに出せます。空き家を相続し、相続税を納めるために一刻も早く売却したい場合や、分割できない不動産の権利を巡って相続トラブルになっている場合など、早急に現金が必要な場面では、空き家をそのまま売るのがおすすめです。
トラブルを避けるために共有名義で空き家を相続するのは、のちのちお互いの仲がこじれたり、子どもへ相続で財産が渡ったりした場合にまたトラブルになってしまうこともあるので、あまりおすすめできません。
●デメリット
デメリットは、古屋の状態によって買い手がなかなか見つからないことです。原則として中古の不動産売却では、内装や外壁などどこかに問題がある物件は高額売却を狙えません。家を買ってから自分たちでリフォームする、解体して建て替えるという人が多い地域ならともかく、そうでないなら空き家を現金化するまでにそれなりの時間がかかるでしょう。
また、不動産のような大きな買い物は、個人を相手にするより資金力のある企業を相手にした方がスムーズに話が進みます。しかし、事業拡大や開発計画等で土地を欲しがっている企業も、そこに民家が建っていると解体という一手間が必要になるため、なかなか購入に踏み切ってくれないのです。
解体して売却するメリットとデメリット
続いて、空き家を一旦解体し、更地にしてから売却する場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。
●メリット
空き家を解体してから売却する最大のメリットは、売却額が高くなることです。基本的に、築浅の一戸建てはあまり市場に出回りません。ほとんどの場合、売りに出される戸建ての多くは、相続等で親や兄弟姉妹から手に入れたもの。つまり、築年数が数十年程度経っていることが多いので、新築当時よりも建物としての価値がかなり下がってしまっています。
古くなった家が高く売れないのは当然です。しかし、土地は何十年経っていようと何百年経っていようと劣化しませんし、更地である限り新しく建物を建てるなどして再開発できます。
いまある家を解体する→新しく店舗や賃貸物件・住宅を建てる
よりも、
更地に建物を建てる
方が費用も時間もかかりません。更地は購入後の自由度が高いため、基本的には古家付きの土地に比べて高く、しかも短期間で売れるのです。
●デメリット
ただ、建物の解体工事には当然お金がかかります。解体工事をする場合、建物だけでなく庭木や敷地を区切っている塀、地面に埋まっている基礎なども除去することになるので、時間も必要です。
また、古家付き土地より更地の方が高く、短期間で売れやすいのは確かですが、土地によっては買い手がつかないケースも少なくありません。極端な話、山奥にある古民家を解体しても、山奥の更地を欲しがる人が少ないので売却額は高くならないでしょう。空き家を解体する場合は、賃貸物件を建てたい人がいる、店舗を出店したい企業がある、その土地に家を建てたい人がいるといったニーズを見極めてから動く必要があるのです。
空き家を解体してしまうと、固定資産税が安くなる税の優遇措置が利用できなくなるので、売れない更地を抱えている期間が長引けば長引くほど出費がかさんでしまうというデメリットもあります。
まとめ
古家付きのまま売るにしろ、解体してから売るにしろ、大切なのはその土地や希望に合った販売戦略を考えることです。両方に良い面と悪い面があり、どちらを選んだ方がより高く売れるのかは土地によって違います。地域の事情やニーズまで考えた販売戦略を立てるためにも、地元の事情に精通している不動産会社を選びましょう。