空き家を賃貸に出す際はリフォームする? メリットとデメリットを比較
2018.06.05もしも、空き家の賃貸を考えているなら、地域のニーズに合わせてリフォームするのがおすすめです。空き家に生活感が残っていると、借り手はなかなか見つからないからです。
上手にリフォームすれば、賃貸物件としての人気を高めて賃料を値上げしつつ、空き家の維持と管理ができるようになります。空き家をリフォームすべきかどうか判断できるように、そのまま貸す場合とリフォームをしてから貸す場合、双方のメリット・デメリットをご紹介します。
空き家をそのまま貸すメリットとデメリット
●メリット1.大切な家を売却せずに済む
家を長持ちさせるもっとも良い方法は、人が住むことです。無人の状態が続くと、湿気や虫、汚れ等を防げないため、家はすぐに傷んでしまいます。空き家を人に貸して住んでもらえば、家の劣化は進みません。
●メリット2.遠方にある家でも管理しなくて良くなる
2015年に「空き家対策特別措置法」ができ、管理されておらず、倒壊等の危険性がある空き家は「特定空き家」に認定されるようになりました。特定空き家に認定されると、固定資産税の優遇措置がなくなり、最悪の場合、行政代執行で家を解体されてしまいます。
特定空き家の認定を避けるためには定期的な家の掃除や管理が必要ですが、遠方に住んでいる場合は管理も簡単ではありません。しかし、賃貸に出しておけば住人が掃除などをしてくれるので、特定空き家に該当する心配がなくなるのです。
●メリット3.賃貸収入が手に入る
空き家をそのまま貸し出せば、賃貸収入が手に入ります。戸建ての場合、長期間家を借りる人が多いので、良い借り手と巡り合えば夢の不労所得が現実に。
管理や修繕にかかる費用を差し引いて、残った利益は将来空き家に自分が住むときのリフォーム費用にもできます。
●デメリット1.空き家の借り手とトラブルになるリスクがある
賃貸物件では、どんな人が借り手になるかわかりません。貸した家の設備を壊したり、汚したりして退去していく場合もあります。また、騒音問題やご近所トラブルなど、借り手が起こしたトラブルの対処に駆り出される可能性も考えられます。
●デメリット2.そのままの状態だと借り手が見つかる可能性は低い
基本的に、古い家や生活感が残る家は賃貸市場で不人気です。借り手が見つからなければ、賃貸収入も手に入りません。
●デメリット3.物件の管理と修繕にお金がかかる
3つ目のデメリットは、貸主責任を負うことです。代表的なものとして、給湯器や水道といったインフラ関係の設備が壊れたときの修繕費は、持ち主の負担となります。マンションなら、住人が退去するたびに室内のクリーニングや鍵の交換も必要です。
空き家をリフォームして貸すメリットとデメリット
●メリット1.リフォームによる費用対効果が高い
戸建ての賃貸は数が少なく、最初から新築同然のきれいな物件を探している人が少ないので、クロスの張り替えやハウスクリーニングといった必要最低限のリフォームをするだけでも借り手の印象はかなり良くなります。最低限のリフォームであれば、リフォーム費用もそれほどかかりません。
また、地域ごとのニーズを捉えたリフォームで人気物件になれば、賃料を上げても借り手が見つかりやすくなります。
●メリット2.家が長持ちする
リフォームによって、家が長持ちすることもメリットのひとつです。リフォームせずにそのまま家を貸し、大きな問題が出てから対処するのでは、かえって修繕にお金がかかってしまうものです。
●デメリット1.マンションの場合は管理組合の規約上リフォームできない場合も
管理組合の規約でリフォームが認められていない場合は、そもそもリフォームができません。マンションごとに規約の内容は異なるので、工事を始める前に必ず管理組合に問い合わせましょう。
リフォームする場合もどこまでやるか相談しよう
リフォームをする場合は、どこまでやるのか、どこをリフォームするのか、信頼できる業者と相談して決めるべきです。地域のニーズに合わないリフォームをしたり、リフォームにお金をかけ過ぎたりすると、賃貸に出してもかかった費用を賃料で回収できず、損をしてしまいます。工事を依頼したリフォーム会社の腕が悪く、他人に貸してから問題が出てしまうといったトラブルも避けたいところです。
リフォームの要不要や地域のニーズに合わせたリフォームプランの提案、信頼できる施工業者の紹介などを考えると、地元で長年営業している地域密着型の不動産会社に相談しましょう。
まとめ
空き家を賃貸に出すなら、最低限のリフォームをしてから貸すことをおすすめします。無計画にリフォームを始めると、お金をつぎ込み過ぎて損をしてしまうので、どこまでリフォームするのかを相談できるアドバイザーを見つけることが大切になります。リフォームするときは、賃貸の管理や地域のニーズ、施工業者の良し悪しを知っている地元の不動産会社を頼りましょう。