空き家を解体せずに活用する方法とは
2018.07.06宮城へ移住する際、手持ちの空き家を解体したくない人は、賃貸に出して活用しましょう。ただ、賃貸業はれっきとしたビジネスです。適当にチャレンジすると、夢の不労所得を得るどころか損をします。不動産の活用には、適切な知識と準備が不可欠です。
今回は、空き家を活用する方法として、「民泊」「シェアハウス・ゲストハウス」「改装可の賃貸」という3つをご紹介します。
民泊
日本政府観光局の「訪日外客数(参考:JNTO統計データ:https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_tourists.pdf)」によると、外国人観光客の来日数は2017年に2,800万人を越え、2018年も5月末の時点で1,300万人を突破しています。
急激な観光客の増加による宿泊所の不足と、「きれいなホテルや旅館より、一般的な日本人の生活を体験してみたい」というニーズに対応するため、注目されているのが空き家を使った民泊ビジネスです。
訪日外国人客の増加は、2020年の東京オリンピックまで続くのではという推測もされています。民泊に参入するなら、いまがチャンスです。
●空き家を民泊にするメリット
民泊では、「ごく一般的な日本の住宅」が求められています。整理整頓されていて、家具や家電が揃っていれば、空き家をリフォームする必要はありません。初期投資を抑えて、家中を掃除するだけでもビジネスを始められます。
民泊の営業可能日数は、年間で最大180日まで。一泊分の料金を2,000円、稼働率を8割とすれば、年間で約28万円の賃料収入が手に入る計算になります。少なくとも、何もせずただ固定資産税を納めて家を劣化させるより、副収入を得られる分お得です。
●空き家を民泊するデメリット
空き家で民泊をするためには、都道府県知事等に届け出をする必要があります。また、異なる利用者が入れ代わり立ち代わり泊まることになるため、清掃などの管理や安全性の確保はもちろん、周辺住民の理解も必須です。規約で民泊や転貸が禁じられている分譲マンションなどであれば、そもそも民泊ができません。
また、宮城への移住を機に民泊を始める場合、管理を第三者に委託するか、人を雇って任せる必要があります。民泊は法律で年間の営業日数が制限されているので、空き家ひとつで大きな儲けを手にするのは難しいでしょう。
シェアハウス・ゲストハウス
一戸建てで、ある程度広い空き家をお持ちの場合は、空き家をシェアハウスやゲストハウスに改修するのもおすすめです。
●空き家をシェアハウス・ゲストハウスにするメリット
最大のメリットは、賃料収入が安定しやすいこと。1ヵ月10万円で3LDKの一戸建てを丸ごと借りてくれる人を探すより、4万円で3部屋をそれぞれ貸し出す方が借り主は見つけやすいです。一人が退去してもほかの2人が残っているので、月々の家賃収入がゼロになる心配もありません。
しかも、一戸丸ごと賃貸するより、部屋ごとに貸した方が賃料も高くしやすいのです。管理人を置けば、遠方から無理なく管理できるのもポイントです。
また、シェアハウスを高齢者や障害者向けの「住宅セーフティネット制度」に登録すると、家賃補助やバリアフリー工事の補助金制度も利用できます。地域振興になることもあって、実は政府も空き家のシェアハウス転用を推進しているのです。
●空き家をシェアハウス・ゲストハウスにするデメリット
シェアハウスやゲストハウスは宿泊施設なので、建築基準法や消防法等をクリアし、宿泊所として使えるようにリフォームする必要があります。個人用住居の空き家を宿泊所として登録するために、用途変更の手続きも必須です。
今回ご紹介する活用方法の中では、もっともお金がかかります。
改装可の賃貸
入居後は内装を好きにして良いし、退去する際は原状回復をしなくて良いという条件で空き家を賃貸するのが、改装可の賃貸です。
●空き家を改装可の賃貸にするメリット
賃貸物件として運用するために家をリフォームしなくて良いので、初期費用を抑えて賃貸業を開始できます。シェアハウスやゲストハウスにするほどの広さはないし、宮城へ移住するから資金も節約したい、かといって民泊は面倒だという人におすすめの活用方法です。
改装可の物件は少ないので、近隣の賃貸物件や新築と差別化しやすく、入居者選びに困りません。
●空き家を改装可の賃貸にするデメリット
賃貸物件のインフラ(水道・ガス・電気の設備など)が壊れた場合、業者を呼んで費用を負担するのは大家(所有者)の責任です。また、借り主がいない間は賃料収入もありません。どのような改装が行われるかは入居者次第なので、家の内装をなるべくそのまま維持したい人には不向きです。
まとめ
希望や条件、予算に合わせて空き家を賃貸に出せば、今住んでいる家を残したまま宮城県へ移住できます。ただし、民泊もシェアハウス・ゲストハウスに改装可の賃貸も、所有者の責任が問われるビジネスです。
中途半端な準備や知識で手を出すと、さまざまなトラブルを招いてしまいます。宮城へ移住するにあたり、空き家を解体せずに活用したい場合は、ぜひ当社のような地元密着型の不動産のプロにご相談ください。