column 210.

住み替えをするのはどんな人? どんな状況?

2018.11.22

住み替え

住宅の住み替えを行う人は、どのような理由で住み替えを決心したのでしょうか。また、何歳くらいで住み替えたのでしょうか。

今回は「平成29年住宅市場動向調査(出展:e-Stat:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files)」のデータから、住み替えの平均年齢や実際の住み替え事情を解説していきます。

住み替えをしている人の平均年齢

今回データを引用する「住宅市場動向調査」は、住み替えや建て替えをした人の住宅・世帯・資金調達の方法等について、政府が毎年調べている資料です。全国規模でデータを取っているため、住み替えに関する情報を詳しく調べたい方は、ぜひ一度閲覧することをおすすめします。

ただ、データ量やページ数が多く、全体を見るのは大変なので、今回はポイントを絞って重要な部分のみご紹介します。

●住み替えをする人の半分以上が60歳以上

住宅市場動向調査によると、注文住宅へと住み替えを行った人のうち、「58.2」%は60歳以上でした。60歳以上に続くのは、50歳以上の「20.0%」なので、建て替えをする人の平均年齢はかなり高いことがわかります。

続いて、注文住宅以外の建て替え年齢も見てみましょう。60歳以上で住み替えをした人の割合は、

  • 分譲戸建て住宅:23.9%(第2位)
  • 分譲マンション:52.4%(第1位)
  • 中古戸建て住宅:41.3%(第1位)
  • 中古マンション:43.4%(第1位)

となっています。唯一、分譲の戸建て一戸建てに関しては40歳以上で建て替えを決意した人の割合が高いものの、それ以外はすべて60歳以上が1位です。

なお、注文住宅に関しては住み替えの平均年齢も60歳。すべての住宅の平均年齢を計算してみると、55.84歳となります。

住み替えをする背景

住み替えをする人は、60歳前後で住み替えをすることがわかりました。では、これらの人々はなぜ住み替えを選んだのでしょうか。住宅市場動向調査に加えて、国土交通省が行った「平成25年住生活総合調査(出展:w-Stat: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files)」を見ていきましょう。

●家族との同居で住み替えを選ぶ人が多い

住み替えを行った59万世帯中、もっとも多かった理由は「親、子などとの同居・隣居・近居」でした。なんと、全体の24.3%です。60歳を越えて住み替えをする人が多いことを考えると、「子世帯に孫が生まれたため、同居や近居をすることになった」「将来的な介護のことを考えて同居することになった」といった背景が見えてきます。

また、住み替え理由をランキング形式で1位から5位までならべると、

  • 第1位:親、子などとの同居・隣居・近居:24.3%
  • 第2位:高齢期の生活の安全・安心や住みやすさの向上:18.6%
  • 第3位:住宅を広くする、部屋を増やす:14.6%
  • 第4位:退職・離職後の生活の充実・平穏:10.6%
  • 第5位:子育て・教育の環境を整える:10.0%

でした。住み替えをする人たちの年齢を考えた場合、純粋に「いまの家よりも便利な生活をしたい」「セカンドライフを楽しみたい」という理由で住み替えをするというよりも、老後の安全や同居・子育てのスペースを確保するためといった理由が大きいようです。

●住宅の寿命をきっかけに住み替えを決意する人も多い

住み替えの平均年齢が、60歳前後となっている理由のひとつに、住宅の寿命があります。

平成29年の住宅市場動向調査によると、「初めて家を買った年齢」は30代がもっとも多く、その次に40代が続きます。また、前の家に住んでいた期間は全国平均で「34.3年」であり、住宅ローンの平均返済期間は「31.1年」です。

住宅の塗装や水回りといった設備は、おおよそ10年から15年ほどで劣化し、メンテナンスが必要になってきます。建ててから30年ほど経つと、ちょうど住宅ローンをほとんど返済し終わっていて、2回目の大規模メンテナンスが必要になってくるため、「それなら住み替えをしよう」と考える層が多いのでしょう。

任また、30年も経過すると建材や設備の機能性は驚くほど向上しています。省エネ性能や高気密・高断熱性、災害に対する強さなどを求めて新築を選ぶ人も多いです。

●住み替えする場合は前の家を売却するのが一般的

住み替えを決意した人のうち、「36.6%」は前の家を売却しています。家が古いと、賃貸に出すためにはリフォームが必要になってしまいますし、処分しなければ固定資産税がかかってしまうため、処分した方がお得なのです。

ただし、全国平均では一戸建ての売却で購入価格より平均「920万円」の損が出ています。とはいえ、売却額の平均は「2,055万円」です。約30年住んだ家を2,000万円で売却できると考えれば、十分新居への頭金やローンの完済費用を捻出できるでしょう。

まとめ

住み替えを考える人は、家族との同居をきっかけに、60歳以上で決意する人が多いです。ただ、十分な住み替え資金を用意するためには、前の家をできるだけ高く売る必要があります。古い家を適正価格で売却するなら、地域ごとの住宅事情に精通している不動産業者を頼るのが一番です。住み替えをする際は、ぜひ当社へご相談ください。

 

一覧に戻る

売る

スタッフ紹介

サポート 相続 任意売却 住み替え