離婚におけるパターン別マンション売却｜永大ハウス工業

離婚時のマンション売却では、ローンの有無やマンションの資産価値（どれくらいで売れそうなのか）などによって、最適な対応が変わってきます。

場合によっては、マンション売却の手順を間違えた結果、離婚後の生活を支えてくれる財産分与が大幅に減って損をしてしまう可能性もあるのです。

そこで、マンション売却手続きの進め方や注意点をパターン別にまとめました。

基本的には、マンションを売り、手数料を差し引いたお金を夫婦で二等分するのが離婚時のマンション売却です。ご家庭によっては、相談先に弁護士や司法書士が加わったりローンを借りている金融機関が加わったりすることもありますが、話がややこしくなるのでここでは置いておきましょう。

一般的に、不動産売却でもっとも難しい点は、マンション売却の利益やその他貯金等を使ってでも、ローンを完済する必要があること。後でも触れますが、住宅ローンが残っているとマンションは売却できないのです。

その点、すでにマンションのローンを完済している場合は、ローンを完済するために売却額を底上げしなくても良いため売却手続きがスムーズに進みます。

ただ、離婚の話し合いは円満なものとは限りません。ご夫婦の事情によっては、名義の扱いで実際にマンションを売却するまでにかなりの時間がかかってしまう場合もあります。名義の違いによる注意点を見ていきましょう。

●マンションの名義が夫・妻どちらか一方の場合

マンションの名義が夫婦どちらか一方のものである場合、話は簡単です。ローンを完済していればローンを組んだ金融機関にお伺いを立てる必要もないので、権利者側が不動産会社に相談し、マンション売却をして売却益を二分割することになります。

注意点としては、マンション売却にかかる手数料（業者に支払う売買手数料など）を売却代金からきちんと差し引いて分割すること。離婚時の財産分与では、「すべての財産を半分ずつ」わけるのが基本です。手数料をどちらか一方が負担することになると、公平な財産分与にならず、話がこじれる原因となってしまいます。

また、不動産を売却して利益が出た場合、不動産の名義人に対して「譲渡所得税」という税金の通知がくる点にも注意が必要です。納税額を事前に計算しておき、税額分を引いた金額を二分割して余計なトラブルを防ぎましょう。

●共有名義の場合

ローンを完済していても、話がややこしいのが共有名義のケース。なぜなら、共有名義の不動産を売却する場合、名義人全員の同意が必要になるからです。

重要なのは同意の有無なので、仮に夫が9割、妻が1割の共有名義であっても、妻がマンションを売りたくないといえば売却手続きは進められません。

よくあるのは、

「現金が少ないため、公平な財産分与をするためにはマンションを売る必要がある。しかし、妻は子どもの生活環境を変えたくないのでマンションをそのまま欲しがっている」

といったケース。夫はマンションを売却しないと財産分与で損をすることになり、妻はマンションを売却すると引っ越す必要がある、とお互いの利益が対立しているので揉めやすいです。

どうしても同意を得られない場合は、弁護士や司法書士に頼んで名義変更手続きを行い、名義人を夫婦のどちらか一方のものにしてから売却を進めることになります。

住宅ローンが残っているマンション売却の課題は、金融機関の「抵当権」が残っていること。どのような理由があったとしても、マンション売却をする際は一旦ローンを完済し、抵当権を外してからでないと売却手続きは進められません。

ここでは、ローンが残っている場合にどうやってマンション売却を進めれば良いのかをお伝えします。

●住宅ローン残債＜マンション売却益の場合

マンションを売ったお金で、ローンを完済できる場合はとくに問題ありません。ローンを完済しており、名義が夫婦どちらかのものであるパターンと同じで、売却手続きはスムーズに進められます。

ローンを完済するまで離婚を先延ばしにする必要もありませんので、ご安心ください。

●住宅ローン残債＞マンション売却益の場合

問題はこのパターン。マンションを売ってもローンを完済できない場合は、夫婦で不足分を支払わないと、マンション売却を抵当権者である金融機関に認めてもらえないのです。

不足分を補填できるだけの現金があれば売却できますが、現金を使うと財産分与の額が減ってしまいます。現金がなく金融機関の承諾を得られれば、マンションを売却し、それでも完済できないローンの残りを離婚後に返済していく「任意売却」という方法も可能です。

離婚時のマンション売却では、名義とローンの完済が可能かどうかに注意しましょう。ローンを完済できない場合、損をする可能性が高いです。だからこそ、マンションを少しでも高く売るための工夫や戦略が重要になってきます。当社は、不動産売却のプロフェッショナルです。マンション売却をする際は、ぜひご相談ください。