column 212.

離婚における財産分与と不動産売却

2018.11.22

離婚における財産分与

夫婦が離婚する際、もっとも面倒なのが不動産の財産分与。不動産売却をして代金を二等分するのが財産分与の基本ですが、財産分与や不動産売について知らないと、どう対処するのが最適なのかわかりません。トラブルを防ぐために必要なのは、正しい知識と事前準備にほかなりません。

財産分与で話がこじれないように、離婚における財産分与の基礎知識と、不動産売却の必要性を確認しておきましょう。

財産分与の基本

夫婦が離婚する場合、結婚してから築いてきた共有財産を二等分することになります。これが財産分与という考えです。まずは、財産分与の基本を押さえましょう。

●財産分与とは

財産分与は、結婚後、夫婦で購入した不動産や車、貯めてきた現金に保険などを夫婦で分け合う手続きです。ちなみに、財産分与の請求は民法でも認められている正式な権利の一つ。財産分与があるからこそ、専業主婦やパートの方が離婚をしても、結婚後にある程度の資産を確保して生活を安定させられるのです。

ちなみに、財産分与に含まれるのは、

  • 現金
  • 不動産
  • 有価証券(株券など)
  • 掛け捨てではない生命保険

など。基本的に、結婚後に手に入れた財産はすべて含まれます。結婚後に当てた宝くじの当選金も財産分与の対象です。一方、結婚する前から持っていた独身時代の貯金や車、お互いの両親から相続した遺産などは財産分与の対象になりません。

●離婚時の財産分与は原則お互い半分ずつ

結婚後の共有財産は、夫婦がお互い頑張って築いたものとして考えます。そのため、どちらか一方によほどの問題点(共有財産の使い込みや不倫など)がない限り、すべての共有財産を夫婦で半分ずつわけるのが財産分与の原則です。

●不動産の財産分与はどうなるの?

財産分与のうち、もっとも揉めごとの原因になりやすのが不動産。不動産は、現金と違って簡単に二分割できません。また、離婚時に住宅ローンが残っている場合、ローンをどちらが負担するのかも考える必要があります。

財産分与の基本は、「財産のすべてを金銭換算して半分ずつ分ける」ことなので、

  • 現金:1,000万円
  • 一戸建ての持ち家:購入額3,000万円
  • 住宅ローンの残債:2,000万円

の場合、差し引きして2,000万円の半分、1,000万円分ずつの財産を夫婦でわける必要があるわけです。夫婦の一方が家とローンを引き受けると、もう一方が現金すべてをもらうことになります。ただ、子育て中で仕事に出られない専業主婦の方や、年齢・病気等で勤め先がない方が家だけもらっても離婚後に生活できません。住宅ローンの返済を一人で行うのは困難でしょう。

不動産の財産分与は、こうした事情があるため処分方法が複雑なのです。

また、名義人が夫婦の一方のものなのか、共有名義なのかによっても最適な分与の方法が変わってきます。

不動産の財産分与の方法

不動産を財産分与する方法を、おおまかに分けると、

  • 家を売ってそのお金を等分する
  • 家を売らずに夫婦のどちらかが所有する

のどちらかです。それぞれどのような違いがあるのか解説します。

●方法1:不動産を売ってその代金を分ける

不動産の財産分与で、一番おすすめの方法は家を売ってしまうこと。不動産を売却して現金にしてしまえば、「共有財産の総額」を簡単に計算し、二分割できるため揉める必要がありません。

3,000万円の住宅が手数料や税金を含めて2,500万円で売却できれば、ローンを完済して残った500万円と、現金1,000万円を二等分にすれば良いわけです。

一般的に、ローンの名義人が1人の場合、夫婦のもう一方が連帯保証人になっています。不動産の名義が共有名義なら、お互いに住宅ローンの返済義務があるのです。こうした状況で不動産を売らずに所有した場合、離婚後に家を取った人が住宅ローンの支払いができなくなった際、連帯保証人や名義人に残債を一括請求されてしまいます。

家もローンも両方引き受ける場合でない限り、ローン未払いによる一括請求のリスクがあるため、離婚時には不動産を売って現金に変えてしまった方が楽です。

●方法2:売らずにどちらかが家をもらう

ただ、住宅ローンが残っている不動産には抵当権がついているため、売却代金でローンを完済できない場合は売却できません。子どもが小さく、生活環境を変えたくないので家を残したいという場合、売らずに持っておくことも可能です。

ただ、あくまでも共有財産は二等分。たとえば、夫が3,000万円の家と2,000万円のローンを引き受けて実際には妻が住む場合、妻に現金1,000万円を渡すことになります。夫は資産を持っていても実質的には損をしている状態に近いため、離婚後も住宅ローンを毎月返済してくれるかどうかはわかりません。家の所有権だけ妻のものに変更して、ローンを夫側に渡したとしても滞納のリスクは残ります。妻側に名義変更するなら、収入の証明が必要です。

まとめ

余計なトラブルを避け、スムーズに離婚するために、不動産は売却して現金にしてしまいましょう。ただ、売却益でローンを完済するためには、できるだけ家を高く売る知識やテクニックが求められます。不動産の売却をする際は、ぜひ当社までご相談ください。

 

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