リースバックと任意売却を比較！その違いとは

column 216.

リースバックと任意売却を比較！その違いとは

2018.11.22

リースバックと任意売却を比較

住宅ローンの返済ができなくなった場合、抵当権を持っている金融機関は、最終的に家を差し押さえて競売にかけます。しかし、競売という最終手段が必要になるような物件は、内覧が難しかったりその他の問題があったりするため、高くは売れません。

家を競売で手放すと、住む家がなくなり住宅ローンだけが手元に残ることになってしまいます。競売の前に家を売り、ローンをきれいにする方法として利用できるのが、リースバックと任意売却です。それぞれ、どのような違いがあるのかを解説します。

リースバックとは

リースバックとは、

第三者に家を売る
新しい所有者にお金を払ってそのまま家を賃貸する

という住宅売却の手段です。「家を売って、売った家を借りて手元に戻す」という手続きになるため、「セール＆リースバック」とも呼ばれます。

リースバックによって手に入れたお金で住宅ローンを完済すれば、余ったお金は自分のもの。用途の制限はないので、生活費や事業資金など好きなように利用できます。

ただし、リースバックで家を売ってもローンを完済できない場合は、リースバックそのものを利用できません。住宅ローンが残っている家には、金融機関の抵当権がついているからです。抵当権を外すためには、一度ローンを完済する必要があります。

また、家をリース（借りる）ことになるため、一般的な賃貸物件と同じように毎月家賃がかかるのも特徴です。

リースバック自体は、ローンの有無に関わらず、まとまったお金が必要なときいつでも利用できます。ただ、住宅ローンの返済が滞った場合、任意売却を進める中でリースバックを選べるケースもあるのです。

「家を売ってローンを整理する」という点では任意売却もリースバックも同じですが、リースバックなら売却後も引き続きマイホームで生活できます。住宅ローンを滞納してしまうと、どんどん競売に向けて手続きが進んでしまうため、じっくりと任意売却とリースバックを比較する余裕がありません。

だからこそ、事前にリースバックと任意売却の違いを知っておく必要があります。

任意売却との違い

リースバックと任意売却の違いは、

リースバックは引っ越さなくて良い（任意売却は引っ越し必須）
リースバックはリース料がかかる

リースバックは売った自宅を買い戻せる

というもの。任意売却は、売却額でローンを完済できない物件を、金融機関と相談して売るという手続きです。ローンの残債は、担保である家を売った後に返済していくことになります。

リースバックと任意売却のもっとも大きな違いは、リースバックなら家を売った後もそのまま自宅に住み続けられる点です。任意売却では完全に家を手放してしまうため、引っ越しが必須。

ただ、リースバックをするためには、リース契約を承諾してくれる買い手を見つける必要があります。

ちなみに、購入した人が自分で住めないリースバックと、ローンが残る任意売却は、どちらの方法も通常売却より売値が安くなりやすいです。ただ、それでも競売よりは高く売れる可能性が高いですし、リースバックなら引っ越さなくて良いため今の生活を維持できます。

また、リースバックでは、資金に余裕ができたら自宅の買い戻しも可能です。任意売却だと、賃貸やリースの契約を結ばないため必ず家から出ていくことになります。

任意売却後、新しいオーナーが土地や住宅をどう扱うかは未知数です。家を別の人に売っていたり、更地にして再開発していたりすれば、お金がどれだけあっても自宅は買い戻せません。

●どういった場面ならリースバックの方がおすすめなの？

リースバックは、家を売っても引っ越す必要がありませんし、将来的に買い戻せます。そのため、

いまは収入面に不安があるものの、将来安定した収入を確保できる
リースで家を買い取ってくれる親族がいる

どうしても家を手放したくない

といった場面では、任意売却よりもリースバックの方がおすすめです。

たとえば、勤めている会社の業績が悪化し、ボーナスがカットされた。その上、子どもの進学等や親の介護でまとまった資金が必要になったため、住宅ローンの返済ができない。しかし、昇進や業績回復の見込みがあるため、数年がんばればこれまで通り住宅ローンを返済できるようになる。こうしたケースだと、リース料がかかることを考えても、家を買い戻せるリースバックの方がお得です。

また、親が住宅ローンを支払えなくなった住宅を一旦リースバックし、数年後子どもが住宅ローンを組めるようになったら買い戻すという使い方もあります。