どれがおすすめ?不動産会社と交わす3種類の媒介契約とは
2018.11.26自分の代わりに不動産売却の手続きを進めてもらうためには、不動産会社と「媒介契約」を結ぶ必要があります。ただし、媒介契約は1種類だけではありません。
・一般媒介契約
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約
のうち、もっとも自分の希望に合っている契約スタイルを選べるようになりましょう。今回は、それぞれの媒介契約が持つメリット・デメリットをご紹介します。
一般媒介契約
3種類ある媒介契約のうち、唯一「複数の不動産業者と同時に契約できる」のが一般媒介契約です。
●メリット
一般媒介契約のメリットは、複数の業者と契約できるうえに、自分でも買い主を探して良いこと。業者間の競争が起こるため、悪質業者に引っかかるリスクを下げられます。
万が一、契約した不動産業者があまり熱心に売却の努力をしてくれなくても、ほかの業者が頑張ってくれれば納得のいく金額で不動産を売却できるでしょう。契約期間も無制限なので、満足するまで時間をかけて買い主を探せます。
また、全国規模で不動産情報を共有する「レインズ」というデーターベースに物件情報を渡さなくて良いため、家の売却を周囲に知られずに済みます。
●デメリット
一般媒介契約では、家を売るために不動産業者がどのような活動をしているのか、依頼者に報告する義務がありません。不動産業者や営業マンにやる気がなければ、買い主が見つかるまでにかなりの時間がかかるでしょう。複数の不動産会社と一般媒介契約を結んでいる場合、各業者がいま何をやっているのかを把握するだけでも大変です。
また、レインズに物件情報を登録しなければ、限られた範囲にしか家を売りたいという情報が出回らないため、買い主を見つけるのは難しくなります。
物件の売買において、不動産業者の利益は仲介手数料を取れることです。一般媒介契約の場合、ほかの不動産会社で売買が成立すると自社の利益にはならないため、ほか2つの媒介契約に比べると熱心な宣伝広告や販売サポートを受けられない恐れがあります。
専任媒介契約
一般媒介契約と違って、1社限定で交わす媒介契約が、専任媒介契約です。
●メリット
専任媒介契約のメリットは、一般媒介契約と違って他社に利益を取られてしまう心配がない分、業者側も本腰を入れて不動産売却をサポートしてくれること。また、専任媒介契約の場合、2週間に1回、どういう活動をしているのかを依頼者に報告する義務があります。
一般媒介契約と同じく、自分で買い主を見つけてきても構いません。不動産売買のプロである不動産会社と、自分の両方で買い主を探せるのです。短期間で家を売りたい人に向いています。
さらに、専任媒介契約では、レインズへの物件情報登録が必須です。依頼してから7日以内にレインズへ物件情報が登録されるため、依頼したのは良いものの買い主探しを後回しにされてしまうといった心配もありません。
●デメリット
専任媒介契約のデメリットは、契約をする不動産会社の実力によって、いくらで売れるのか、またいつ売れるのかが大きく変わってくることです。また、専任媒介契約では、他社と契約できないため、不動産会社同士の競争が起こりません。質の良くない不動産会社を選んでしまうと、金額的にも売却の期間でも満足できない取引になってしまう恐れがあります。
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は、専任媒介契約と同じく1社とだけ交わす媒介契約です。一般媒介契約や専任媒介契約との違いは、自分で買い主を探せないこと。そのかわり、不動産会社側の報告義務などが厳しく、サポートがしっかりしています
●メリット
専属専任媒介契約では、依頼者側への報告を1週間に1回以上と義務づけているため、売買がどれくらい進んでいるのかを把握しやすい点がメリットです。契約成立後5日以内にレインズへ物件情報を登録する必要があるため、専任媒介契約よりも早く家の宣伝を始められます。
また、専属専任媒介契約は、不動産会社側の義務が重い分、物件の広告や販売活動を積極的にしてくれるケースが多いです。その理由として、契約期間の縛りがあります。専任媒介契約と専属専任媒介契約は、契約期間の上限が最大3ヵ月です。契約を更新するかどうかは依頼者側の意思次第なので、期間内に売買が成立しなければ、不動産会社は本腰を入れて実施した広告や販売活動の費用を回収できません。
専属専任媒介契約の場合、不動産会社側もコストをしっかりかける分、利益を出すためにも短期間で売買が成立するよう努力してくれるのです。
●デメリット
専属専任媒介契約のデメリットは、専任媒介契約のデメリットとほぼ共通です。家の売却額や売却時期は、依頼する不動産会社の腕次第です。
また、専属専任媒介契約では、依頼者による買い主探しが禁止されています。
まとめ
どの媒介契約がベストな選択肢になるかは、物件の状態や相談する不動産会社の実力、依頼者側の事情次第です。どの契約スタイルが合っているのかを知りたいときは、ぜひ当社までご相談ください。