家を売るなら知っておきたい適切な売却額の決め方
2018.11.26
家を売るなら、適切な売却額を決められるようになりましょう。
通常、不動産を売るときは、不動産業者の査定額を参考に決める場合が多いです。ただ、その不動産業者が考える売り出し価格が、本当に適正な価格なのかは物件や売却戦略によって変わってきます。
家をなるべく高く売りたいなら、売却額を高くしすぎるのも安くしすぎるのも問題です。今回は、売却額を決める際のポイントをご紹介します。
住宅の売却額が高すぎる場合のメリット・デメリット
まず、住宅の売却額を高く設定しすぎるとどんなことが起きるのでしょうか。
●メリット
人気物件であったとしても、1,500万円で売り出した物件が2,000万円で売れることがないように、多くの場合、不動産の取引金額は、最初に決めた金額から下がることはあっても上がることはありません。
いわゆる「相場」よりも売り出し価格を高くするメリットは、シンプルに「高くても売れる可能性がある」ことです。うまくいけばラッキーという気持ちで、相場や査定額より売り出し価格を高く設定するのは、十分ありえる選択肢です。
また、最初の売り出し価格を高く設定しておくと、買い主が見つからなかったり、購入希望者と交渉したりするなかで「値下げ」をすることができます。ある程度値引きをすることを前提にして、高めの売却額にしておくのも交渉のテクニックです。
●デメリット
一方、あまりにも相場からかけ離れた金額をつけてしまうと、良い物件でも買い主が見つかりません。多くの場合、家を買う人はまず家の金額や駅からの近さといった、表面的な条件で絞り込みを行います。新築を買う人に比べて、中古物件を買う人はある程度の節約志向も持っているため、明らかに予算に合わない物件はそもそも購入の対象にならないのです。
また、近隣に似たような条件でさらに安い物件があった場合、買い主がそちらの物件に流れてしまう恐れがあります。住宅の売却額は、周辺の物件がいくらで販売されているか、そのエリアで住宅購入を考える人がおおよそどれくらいの予算を持っているかなども考えて決めましょう。
住宅の売却額が安すぎる場合のメリット・デメリット
高いものが売れにくいのは当然です。では、家を早く売るために住宅の売却額を安くした場合、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
●メリット
住宅の売り出し価格を相場よりも安くした場合、「周辺の物件よりもお得」という圧倒的な強みが生まれます。同じような条件の物件をいくつか比較する中で、明らかに一つだけ安かったら、購入候補の第1位になるのは間違いありません。よほどその他の条件面で問題がない限り、住宅の売却額は安い方が短期間で売れやすいです。
住宅を少しでも早く手放したい、一刻も早く不動産を現金化したいといった事情がある場合、高額売却を諦めてでも安い金額で家を売り出すメリットはあります。
●デメリット
住宅の売却額を安くしすぎてしまうデメリットは、手元に残るお金が少なくなることです。住宅ローンの残債が残っている場合、家を売るには手持ちの貯金等と家の売却額を使って、ローンを完済する必要があります。もし、住宅の売却額が安すぎてローンを完済できなければ、資金を持ち出すことになってしまうのです。
家を売る際は、引っ越し資金や新居の購入資金等も用意する必要があるため、家を安く売れば売るほど損をする可能性が高くなってしまいます。
また、相場より安すぎると、かえって購入希望者から怪しまれ、買い主がなかなか決まりません。それ以上、安くできないため、購入希望者と価格交渉ができないのも欠点です。
住宅売却の値付けは「お得感」が決め手
住宅の取引価格は、相場より高すぎても安すぎてもうまくいきません。重要なのは、適切な相場を掴んだうえで売り出し価格を決めること。
そのために必要なのが、相場の調査です。不動産業者からもらった査定額を参考にする場合は、なぜその値段なのかを詳しく質問するようにしましょう。そのうえで、売却を急ぐ事情があるのか、それとも時間をかけても良いからなるべく高く売りたいのかといった売却戦略に合わせた価格決めを行うのが値付けのコツです。
できれば相場より少し高めの値段にしておいて、交渉の段階で値引きできるようにしておきましょう。ほとんどの人は、「高いものが安くなる」というお得感を好みます。ある程度値下げする余地を残しておかないと、購入希望者と価格交渉もできません。
まとめ
住宅の売り出し価格は、周辺の相場と自身の売却戦略に合わせて決めましょう。基本的には、購入希望者と価格交渉ができるよう、少し高めの金額にするのがおすすめです。具体的な相場や購入希望者のおおまかな予算感などを知りたい場合は、地域の不動産取引に詳しい地元の不動産業者を頼りましょう。