一括査定サイトに頼らない!自分で土地の相場を調べる方法を解説
2018.12.03不動産売買の世界には残念なことに、売り主をだまして不動産を買い叩く悪徳業者も存在します。悪徳業者にだまされないよう、売り主も不動産売買について学びましょう。
ただ、不動産売買の知識には難しいものも多いです。ついつい一括査定サイトなどの便利な手段に頼りがちですが、一括査定サイトでわかるのは、あくまでも見積もりの目安でしかありません。
そこで今回は、土地の相場を自分で調べる方法を解説します。
土地の相場を知ることが高額売却の第一歩
土地の高額売却には、相場の把握が必須です。
土地の価格は、一物多価と呼ばれるくらい評価の仕方で値段が変動します。たとえば、毎年の固定資産税額を求める際に使われている「固定資産税評価額」は、基本的に市場価格よりも安いです。もし、売り出し価格を決める際に固定資産税評価額を参考にしてしまうと、それだけで相場より土地を安く売り払うことになってしまいます。
相場を知らずに土地売却を始めた結果、もう少し高くても売却できた物件を安く手放してしまったり、相場がわからなかったために要求された値引きに応えてしまったりすると大損です。
また、一括査定サイトでわかる土地の相場は、不動産業者側が契約を取るために相場より高くしていることも少なくありません。一括査定サイトの査定金額だけを参考にすると、「信じて売ってみたら見積もりより安かった」といったことにもなってしまうでしょう。
その点、売り主が自分で周辺地域の具体的な取引額を調べれば、「市場価格より安いかどうか」を簡単に判断できます。
高額売却の第一歩は、相場を知って相場より安く売り払わないようにすることなのです。
「固定資産税納税通知書」で調べる
持ち家の土地や家族から相続した土地など、自分が持っている土地の相場は、「固定資産税納税通知書」で簡単に調べられます。
固定資産税納税通知書とは、毎年4月に送られてくる固定資産税の金額を知らせるための書類です。固定資産税は「土地や建物の価値に応じて納める税金」なので、税金を管理している地方自治体側が、「土地の価値」を計算してくれています。行政側が計算した土地の価値のことを、専門用語で「固定資産税評価額」といい、固定資産税納税通知書の「課税標準額」欄を見ると、土地の「固定資産税評価額」がわかるのです。なお、固定資産税評価額は、市場価格よりも30%ほど安くなっています。
- 固定資産税評価額÷0.7
を計算して、土地の相場を求めましょう。
ただし、固定資産税評価額は、3年に1度しか更新されません。手元の書類で相場を把握できる手軽な方法ですが、常に最新の相場がわかるわけではないので、これから紹介する調査方位も参考にしてください。
国税庁のホームページで「相続税評価額」をチェック
固定資産税評価額と同様に、相続税や贈与税の税額を計算する際に使う基準に「相続税評価額」というものがあります。相続税評価額は、公示価格(国が調べた土地の資産価値。おおよそ市場価値と同じくらい)の約8割です。
そのため、
- 相続税評価額÷0.8
という計算をすれば、土地の相場がわかります。
ただし、相続税評価額は、「土地に接する道路1平方メートルあたりの地価(路線価)×面積」という計算式で求めた数字です。そのため、無道路地や路線価が設定されていない土地だと相続税評価額がわかりません。固定資産税評価額と同様、目安と捉えておきましょう。
相続税評価額は毎年更新されており、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」にアクセスすれば、誰でも無料で確認できます。
売り地の公示価格を「地価公示」で調査
国土交通省や都道府県が調べている、もっとも客観的な土地の価格が「地価公示(公示価格)」です。不動産鑑定士が調査し、国土交通省がチェックした金額が毎年公開されています。立地や利便性等を調べた上で金額を決めているため、年明けから一気に高騰したなどの変化がない限り、基本的には地価公示(公示価格)と市場価格はほとんど同じ金額です。
そんな公示価格も、インターネットを使えば簡単に調べられます。国土交通省が管理する「土地総合情報システム」にアクセスし、「地価公示都道府県地価調査」を選択。後は、売りたい土地がある住所を調べるだけです。
実際の価格は「土地総合情報システム」で調べられる
「土地総合情報システム」は、トップページから「不動産取引価格情報検索」へ進むと、「実際に取引された土地の価格」を検索できます。いつ、どんな形で、どれくらいの広さがある土地がいくらで売れたのかがわかるのです。
まとめ
- 固定資産税評価額
- 相続税評価額
- 公示価格
- 実際の売却額
を調べて土地の相場を把握しておくと、悪徳業者にだまさずに済みます。また、相場がわかると、不動産業者とのやり取りもスムーズに進みます。
ただ、今回ご紹介した方法では、最新の取引相場や物件ごとの具体的な販売戦略などがわかりません。もっと詳しい情報を知りたい方は、ぜひ当店にご相談ください。