家を売るならリフォームすべき?リフォームの必要性について解説
2018.12.03「家を売るときにリフォームするか、それともリフォームせずに売るか」で悩んでいるなら、リフォームなしで売りましょう。中古住宅の値付けは複雑です。300万円かけてリフォームをしても、売値がそのまま300万円アップするとは限りません。
ただ、「本当にリフォームなしで売り出しても大丈夫なの?」と不安に思う人もいるでしょう。そこで今回は、住宅売却におけるリフォームの必要性や、リフォームをする際の注意点についてお話します。
日本ではリフォームせずに売った方が良い
多くの場合、中古の一戸建て売却をする際にリフォームは必要ありません。まずは、リフォームが必要ない理由を見ていきましょう。
●法定耐用年数を越えた住宅はリフォームしても高く売れない
アメリカなどの海外では、古い建物でもリフォームして見た目をきれいにすれば高く売れます。ヨーロッパの一部だと、古い家の方が価値は高いとされるケースも少なくありません。
しかし、日本では、中古住宅をリフォームしても高額売却するのが難しいのです。なぜなら、「法定耐用年数」という考えがあるため。
法定耐用年数を簡単に説明すると、「法律上の寿命」です。法定耐用年数は、もともと税務上の考えとなっています。事業をする際、不動産や車のような資産は「減価償却」という処理を行い、複数年に分けて経費にしなければなりません。
仮に1億円で自社ビルを建てた場合、全額を経費にするとその年だけ莫大な赤字になってしまうからです。そのため、1億円を法定耐用年数(自社ビルなら50年)で分け、毎年200万円ずつ経費として処理します。
そして、日本の住宅でもっとも一般的な木造住宅の法定耐用年数は22年です。書類上、1,000万円で建てた木造住宅は毎年約45万円ずつ価値が下がっていき、築22年で価値がゼロになってしまいます。
もちろん、法定耐用年数はあくまでも法律上の寿命なので、築22年ですぐに住めなくなってしまうわけではありません。しかし、多くの金融機関では、住宅ローンやリフォームローンを利用する際、「耐用年数-築年数」が融資期間の上限になっています。実用上は問題がなくても、ローンの組みづらさや経年劣化などの問題があることから、日本では法定耐用年数を越えた住宅をリフォームしても高く売れない場合が多いのです。
●リフォームにかかった費用を回収できる可能性が低い
家をリフォームして売る場合は、リフォームのコストパフォーマンスも考える必要があります。リフォームをしていない状態で、見積もりが1,300万円の住宅があったとしましょう。もし、この住宅を200万円かけてリフォームしたら、1,500万円以上で売却できるでしょうか。
厚生労働省の資料によると、個人が住宅売却時にリフォームをして「価値が向上したと想定される件数」は17件中3件、割合でいうと「17・6%」でした。(※1)
個人レベルでは、お金をかけてリフォームをしても、リフォーム費用を回収できる可能性は低いのです。かけた金額以上に売値がアップしなければ、リフォームをする意味はありません。
(※1)平成24年3月中古住宅・リフォームトータルプラン参考資料(データ・制度概要等)
http://www.mlit.go.jp/common/000205796.pdf●買い主好みのリフォームでないと売れ残ってしまう
そもそも、高額売却につながるリフォームをするのが難しいという問題もあります。確かに、普段使っていて不満のある点をリフォームできるのは売り主リフォームの強みです。
しかし、その家を購入する相手が、リフォーム内容を気に入るとは限りません。壁紙の色柄やフローリング材の種類、交換するキッチンのグレードなど、リフォームの趣味が買い主と合わなかった場合、逆に家は売れ残ってしまいます。
●リフォーム工事が終わるまで売却できない点にも要注意
リフォームをしてから家を売る場合、リフォーム工事が終わるまで物件広告を出せません。家を売ったお金を頭金にして住み替えようと思っているなら、仮住まいの家賃も余計にかかります。
リフォームするなら、「お金が手元に入ってくるまで時間的な余裕があるか?」も冷静に考えましょう。
リフォームするならコストを最小限に
時間的にもお金の面でも、家を売るならそのまま売った方が楽ですしお得です。ただ、物件によっては、多少のリフォームをした方が短期間で売りやすくなるものもあります。
リフォームをするなら、
- 雨漏りの修繕
- トイレの交換
- ハウスクリーニング
- 壁紙クロスの張り替え
など、家としての機能を最低限維持しつつ、清潔感のある物件に見える必要最低限のリフォームを施しましょう。
リフォームが必要かどうかは不動産業者と相談しよう
地域によって、リフォーム済み物件の人気や、家を買う人のこだわりなどが違います。また、住宅の劣化具合によってもリフォームの必要性は変わってくるため、「リフォームするかどうか」は信頼できる不動産業者に相談するのがおすすめです。
まとめ
家を売るなら、余計なお金をかけずにリフォームなしで売りましょう。ただ、地域や物件の条件によっては、必要最低限のリフォームが必要です。売却予定の家をリフォームした方が良いか迷ったら、ぜひ当社へご相談ください。