家の権利証がない！登記済証なしでも不動産売却できるのかを解説｜永大ハウス工業

登記済証は、売り主が住宅の所有者であることを証明するために必要な重要書類です。
不動産売却をするうえでぜひとも用意しておきたい書類ですが、長年の生活でいつの間にか登記済証を紛失した、古い家だから登記済証がどこにあるのかわからなくなったという人も少なくありません。

そこで今回は、そもそも登記済証とは一体どういう書類なのか、登記済証がない場合に家を売却できるのかを解説していきます。

●登記済証とは？

登記済証とは、不動産の名義人にのみ支給される「家の権利証」のことです。

不動産の登記は法務局という国の機関によって管理されており、法務局のシステムを利用すれば誰でも登記情報を確認できます。ただ、不動産取引をする際に、毎回法務局まで出向いて登記情報を確認するのは大変です。

運転免許を取得しているかどうかを確認するために公安委員会へ問い合わせたり、学校を卒業しているか知るために学校へ連絡したりする代わりに、「運転免許証」や「卒業証書」見せるのと同様に、家の所有権は登記済証で証明します。

登記済証等を確認しておかないと、あたかも登記上の所有者であるようにごまかして、他人の家を売る詐欺の被害に巻き込まれてしまう可能性もあるため、不動産売却では登記上の所有者確認が必須です。

●法改正によって登記済証の交付は平成16年に終わっている

非常に重要な書類である登記済証ですが、そもそも登記済証が存在しない場合もあります。

長年不動産業界では登記済証を使って家を売買するのが一般的だったこともあって、初めて家を売る人でも「権利証が必要」だと知っているケースが多いです。しかし、平成16年の不動産登記法改正以降、住宅の登記をした人には、登記済証ではなく「登記識別情報」という12桁の文字列が通知されています。

法改正後に登記の登録している場合、登記済証はありません。登記識別情報を確認しましょう。

●登記済証を紛失しただけなら不動産を悪用される心配はない

不動産売却手続きを進めるためには、登記済証だけでなく、登記をする際に使った実印や印鑑証明も必要になります。そのため、登記済証や登記識別情報の通知書類を盗まれても、家の所有権は登記上の所有者のまま。悪用される心配はありません。

ただ、家の権利証と印鑑証明をセットで盗まれた場合、第三者が所有者になりすまして家を処分できてしまうため、家の権利証は金庫等の安全な場所に保管しておきましょう。

●登記済証・登記識別情報は一度紛失すると再発行してもらえない

登記済証も登記識別情報も、一度紛失したらたとえどんな理由があっても再発行してもらえません。空き巣に入られて登記済証を盗まれた、被災して登記済証を紛失してしまったなどのケースでも再発行不可能です。

登記済証を紛失しても、自分が登記上の所有者であることを証明できれば不動産売却手続きは問題なく進められるため、ご安心ください。ただし、登記済証を紛失している場合、家を売ろうとしている人が登記上の所有者であるという証明をする手続きが必要になるため、注意しましょう。

●登記済証のかわりに「事前通知」を利用する

登記済証や登記識別情報をなくした人が不動産売却をする場合、登記上の所有者と家を売ろうとしている売り主が同じ人物であるという本人確認をする必要があります。本人確認を実施する理由は、第三者が売り主になりすますのを防ぐためです。

法務局に登記上の所有者本人であることを証明する手続きは主に二つあり、基本となるものを、「事前通知」と呼びます。

手続きそのものは簡単です。流れとしては、売り主が法務局へ足を運び、「本人限定郵便」を法務局から登記上の所有者のもとへ送ってもらいます。本人限定郵便を受け取るためには、偽造の難しい本人確認書類の提示と実印が必要です。本人限定郵便を受け取れば、申請者が登記上の所有者本人であることを証明できるというわけです。

ただし、本人限定郵便の発送から2週間以内に、法務局へ「たしかに本人確認の申請をした」と伝える必要があります。

●司法書士・弁護士等の有資格者に「本人確認」をしてもらう

事前通知の問題点は、本人限定郵便を利用する分、時間がかかることです。
急いで家を売りたい場合や、忙しくて最寄りの法務局へ出向く余裕がない場合は、司法書士や弁護士に本人確認をしてもらうという方法も利用できます。

有資格者に依頼するためお金はかかりますが、資格者代理人に本人確認をしてもらっても不動産売却可能です。

家を売るときは、売り主が登記上の所有者本人であることを証明する必要があります。
家の登記済証や登記識別情報を紛失していても、「事前通知」や「資格者代理人に依頼して本人確認してもらう」手続きをすれば、住宅売却は可能です。

有資格者を紹介して欲しい、不動産売却に関連する手続き関連の疑問について詳しく知りたいという人は、ぜひ一度当店へご相談ください。