不動産の売値が高くなる!?資産価値を底上げする「認定制度」を紹介
2019.05.31
不動産の認定制度は、不動産に一定以上の品質があることを証明したり、資産価値の高さをアピールしたりする際に使える強みのひとつです。
ただ、自身の所有している物件がどのような認定を受けているのか、気にしたことがないという人も少なくありません。
そこで今回は、不動産の売値を高くするために役立つ、5つの不動産認定制度をご紹介します。当てはまるものがあれば、不動産を売るとき積極的にアピールしましょう。
長期優良住宅
「長期優良住宅」は、一定以上の住宅性能や省エネ基準に合格していることを示す認定基準です。
認定そのものは国が行っており、家を新築するとき、もしくは増改築するときに申請できるようになっています。
長期優良住宅認定を取得すると、
- 補助金をもらえる
- 住宅ローンの金利が安くなる
といった優遇措置を受けられるため、認定を受けている不動産は多いです。
また、長期優良住宅は、
- 耐震性と防火性能が高い
- 一定以上の劣化対策等級を取得している
- 住宅のメンテナンスもしやすい
- 必要に応じてバリアフリー工事やリフォームしやすい間取りになっている
- 品質が良いため建物としての寿命が長い
といった特徴を持っています。
長期優良住宅であることは、不動産売却において大きなアピールポイントになるため、物件を売り出す前に自分の家が認定を受けているかどうか調べましょう。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)
度重なる大震災と電力供給の不安定化を受けて、政府が推進している住宅基準が「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)」です。
ZEHは、省エネ性能が高いため消費エネルギーを抑えられ、太陽光発電設備を備えているためエネルギーの自給自足ができる住宅のことを指します。
長期優良住宅認定よりも基準が厳しく、太陽光発電設備も査定で高く評価されやすい設備なので、ZEHの認定を受けている場合は積極的に高額売却を狙いましょう。
なお、住宅の断熱性も高いため、一年を通して室温が一定で過ごしやすいという強みも持っています。
暮らしやすさや住宅性能、省エネやエコにこだわる人から人気のある認定基準です。
安心R住宅
隠れた問題点や住宅の良し悪しがわかりづらいという中古住宅の問題点を解消するために、政府が始めた中古住宅用の認定基準が、「安心R住宅」です。
安心R住宅の認定を受けるためには、
- 新耐震基準をクリアしている
- 建物現況調査(インスペクション)を受けている
- 売り主側によるリフォーム済み、またはおすすめのリフォーム案がついている
必要があります。
住宅の雨漏りや耐震性、隠れた瑕疵(欠点)などもインスペクションで明らかになっており、過去の修繕歴等も分かるため、買い主を安心させられるのが強みです。
また、安心R住宅の表示ができるのは、政府による認証を受けている不動産会社だけなので、悪徳業者にだまされるリスクが低いという点もメリットになっています。
LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)
「LCCM (エルシーシーエム=ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)」とは、家を建ててから最終的に解体して処分するまでに発生する、二酸化炭素の排出量を限りなくゼロに近づけた住宅のことです。
簡単に説明するとZEHの上位版となる認定基準であり、地球に優しく断熱性も高いため、過ごしやすい家を求める層や、エコに強い興味関心を持つ層へアピールできるでしょう。
太陽光発電設備も備えているので、築年数が経過していても資産価値が下がりづらいのもメリットです。
ZEHや長期優良住宅に比べると認知度はそれほど高くありませんが、逆にいえば、住宅性能に詳しい人や購入する家にこだわりたい人から興味を持たれやすい認定制度となっています。
防災力向上マンション認定制度
「防災力向上マンション認定制度」は、東京・大阪・仙台の3都市で実施されているマンション専用の住宅認定制度です。
もともとは震災の影響を受け、大阪市が2009年につくった制度で、一定以上の住宅性能と防災力を備えたマンションの情報を消費者に共有することを目的として運用されています。
仙台では「杜の都防災力向上マンション認定制度」という名称で一部のマンションが認定を受けており、認定を受けているマンションは自然災害や火災があった場合の安全性・逃げやすさをアピール可能です。
導入されている自治体が限られているため、長期優良住宅認定等に比べると、知名度は高くありません。ただ、認定を受けているマンションの数が限られているからこそ、比較的簡単にライバル物件と差別化できます。
まとめ
「ほかの物件が持っていない強み」がある一戸建てやマンションは、アピールポイントを持たない不動産に比べて売却しやすいです。
住宅の認定制度は、住宅性能を客観的に証明したり、物件に対する信頼感を底上げしたりしてくれるので、積極的に活用しましょう。
ただ、自分の家が認定制度を受けているかどうか、知らない人も少なくありません。これから売る予定の家が認定制度を受けているかどうかを知りたい人は、ぜひ一度、当店にご相談ください。